とと六歳・ロシア非常事態省も真っ青な冬 01
とと画・糸の切れたたこぞうくん
◇◇
誕生日がきて、ととは7歳になりました。
半月間だけ同い年になる兄貴はやや複雑な表情。
おめでとう、とみんなに声をかけられて
「あっと~」
と応えたとと。
ヨシコは、と言えば。
ケーキのロウソクの数をしみじみ数え、嗚呼、とりあえずここまで無事に過ごせたのは主に母である私の努力? うん、そうだそうに違いあるめえ、と心の中で懲りない自画自賛を繰り返していた。
半月後の兄・とらの誕生日にも家族で手巻きずし。
ととは、寿司が好きというよりは、寿司飯が好き。あら熱を取っている間にも、隅っこからしゃもじにのせて、どんどん食ベていってしまう。
学校給食のおかげか、家でも出されたものは大体文句なく食べられるようになった。
前にはほとんど口にしなかった、葉物の野菜とか和風の煮物なども。
食といえば人生の基本だよね、と寿司を用意しながらヨシコは寿司めしを口に放り込むととをぎろり、と睨んでやる。睨まれた瞬間だけ、ととの手は『だるまさん転んだ』のごとくとまっていた。
◇◇
学校で更に集団生活を意識するようになったのか、妹と遊んだり、ケンカしたりもますます多くなってきた。
妹が意に沿わない時に、人差し指どうしで×をつくり、『ブッブー!』と言って注意したり、少し偉そうになってきたところなど、兄貴ヅラも板についてきた。
独りきりの時でも、プラレールなどを考え考えつないで列車を走らせたり、根気良く遊んでいる。
根気がいいと言えば、猫を机の引き出しに入れる作業も根気よく続けていた。
◇◇
気がつくとクリスマス。
相変わらずこのビンボウなナミキ家にもなんとかサンタは来てくれた。
朝、兄と妹は枕元にあった包みを早速みつけて大喜び。
ところがとと、その日はたまたま階下の部屋でじいちゃんと一緒に寝たため、自分にはプレゼントがないと思い込み、半泣きになりながら家中、自分の包みを探し歩いた。
ようやく見つけた時には、目にうっすらと涙が……。
中身は「すいすいお絵かき」の青マットとペンのセット。
ととは早速水をつけまくり、心ゆくまでマットにすぐ消えてしまう絵を描きなぐって楽しんでいた。
気に入っていただけたようで、サンタの手下・ヨシコは柱の影からニヤニヤしていたそうな。
◇◇
元旦に起きてきた5歳の娘・ぴかにヨシコは少し改まって
「あけましておめでとうございます」
と挨拶。
ぴかは少しかんがえてから恥ずかしそうに
「ありがとうございましゅ」
と応えた。
続けてととに同じ挨拶をしたら「おー!」と軽く片手をあげる。
日中、近所の神社にて初詣。店など全然ないのだが、地元の人々がサービスでやっていた綿菓子を子どもらはいただいて帰る。
今年はおしゃれなピンク。
シロウトさんが作るので、箸で巻き取るあいだ、たくさんの綿菓子の切れ端がふわりふわりと空に立ちのぼっていった。




