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03

 ◇◇


 2学期の学校生活も順調に送っていたのはいいのだが、この頃よくないクセがふたつ。

 ひとつは、やたらにツバを飛ばす。あるいはたらす。

 ふたつめは、天然水の水たまり作り。


 少し前は、オシッコが出たくなると

「こ~!!」

 と叫んでトイレまで走って行ったのに、この頃はテレビや遊びに夢中になっていて、気がつくと水たまり……ということが、増えてきた。

 元々トイレの回数が少ない子どもなので、ヨシコにも油断はあったのだが。


 とりあえず、あまり厳しく叱らずに、それでも

「もれちゃったね~、おしりが気持ち悪いね~」

 と声かけしつつ、自分で拭かせて着替えもさせる、という方針にした。


 それでも最初のうちは神妙な顔して

「っちゃった」(たぶん、やっちゃったとか?)

 言いながら自分でも床を拭いたりしていたのだが、近頃では

「誰がやったんだろね~」

 みたいな顔して傍観していること多し。


 お前だよオ・マ・エ! とヨシコは心の中で何度も叫ぶのであった。


 ◇◇


 それでも、公共の場では、以前より少しずつ連れ歩くのが楽になってきたような実感が、ヨシコにはあった。

 スーパーでも牛乳、にんじん、など聞き分けが簡単で持っても危険のないモノをカゴに入れてもらう手伝いもできるようになってきた。

 幼稚園の頃には突然逃げられないようにいつも油断なく服の端を掴んでいたととも、ようやく戦力として育ちつつある、そんな気がしてヨシコ、ふとカゴに目を戻すといつの間にか選んだ覚えのない食材がちらほらと混ざっていたり。


 高級カニカマボコ、干しサクラエビ、ラムチョップ、殻付きピスタチオetc..


 どうして買ったこともない品物ばかり選ぶのだ、しかも一瞬のうちに?? ヨシコの謎は深まるばかりだった。


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