とと六歳・意欲と要領と教育的指導な夏 01
とと画・動物園でまいご
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とと、小学生になってから新しい学習机によく向かっている。
ひらがなも少しずつ書けるようになってきたし、絵も大好き。
今日は何を勉強しているんだろう、とヨシコは後ろから覗いてみる。
ハサミで器用に何か切り取っている。
おお、ハサミの使い方が上手になってきたなと思ったら……なんと、ととは机に敷いたシートの真ん中を四角く切り取っておりました。
真新しかったシートはあっという間に悲惨な穴ぼこだらけに。
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夏の参観会。
まずは朝の会を見学。軽いリトミックの後、先生の呼名に合わせて前に出て名札を動かし、あいさつ、その後今日の予定を先生と確認。
授業はプール遊び。プレイグラウンド(中庭)に先生方が積み重ねたビールケースとブルーシートで大きなプールを作って下さっている。そこに1年全体で入るのだが皆きゃあきゃあと大はしゃぎで水を浴びている。
このプールは日々作っては水を入れ、また夕方までには解体する、というものなので先生方の労力は並々ならぬものがあるだろう。
ととも物怖じせずにプールでよく遊んでいた。しかし相変わらずうまいこと顔はつけずに過ごしている。
ワニ歩きの時。クラス毎挑戦するが、これもさりげなくサイドに寄り、先生の目を盗んで、さささっとサイドにつかまったまま前進して、ゴールで大声で「できたっ!」みたいにアピールしていた。
まあ要領の良いのも生きる知恵のひとつ、それでもヨシコはととの成長にしみじみ満足を覚えつつ、歓声に包まれたプールを見やっていた。
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最近のとと、何でも物怖じせずに向かっていけるようになった。
学校という新しい環境で、親の仲介なしに新しい人びとと出逢い、声をかけたりかけられたり。
世界は急速に彼の前に開けつつあった。




