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02

 入学後まもなく、スクールバス通学を開始。

 ととは、朝からすっかり遠足気分。バスをみておおはしゃぎだった。


 スクールバスは学校側の諸事情もあるが、おおむね小中学部の間はもよりのバス停から学校までの往復が利用できることになっていた。

 ナミキ家は田舎に位置していることもあり、一番使いやすいスクールバス停でも車で15分はかかる。それでも、そういう送迎があるのはまだ小さな子どもをあと二人も抱えたヨシコには大変ありがたかった。


 しかし、ようやく学校生活とスクールバスになじんだか、と思った週明け、いきなりとと、発熱で休む。

 妹も同じ風邪のようで、二人して平日の日中、ごほごほしながらもビデオみたり寝転んだり。

 そして少し調子がよくなると、ととはバットを手に外へ出ようとする。

 ヨシコはその度に追いかけて連れ戻す。春休みに戻ったような暮らしが続いた。


 ようやく風邪が治ってきたと思ったら目が充血し始めた。

 目薬しよう、とヨシコが迫ると

「も~いやっ!まぁ!」

 と声が裏返り、階下にあるじいちゃんのベッドの中にもぐりこんでしまう。

 しかし背中とおしりが丸みえ。


 そしてようやく風邪っけが抜けて、ととはまた元気に学校へ行くようになった……と、いいたいところだが、スクールバスにすんなりと乗らなくなってきて、あせるヨシコ。

 朝、バス停でバスが見えると大喜びするのは同じだが、ドアが開いても乗り込もうとしなくなった。

 それなりに知恵がついてきたのか? バス=学校=めんどくさいこともあるし~、の図式なのか、ヨシコは悩んだが、それでもととをバスに乗せる腕から力は抜かなかった。


 ◇◇


 学校になじむにつれ、放浪の虫もまた動き出した様子。

 バス停から帰り家についたとたん、兄貴の友達が数人入り乱れ、ゴタゴタしている間にとと、静かに姿を消す。

 ヨシコ、さがして捜してさがしまくる。たまたま地元小学校の一年生を送ってきたそこの教頭先生も「とら君の弟さんですね」と心配してくれて一緒にきょろきょろ。幼稚園の先生まで出てくれて、中規模の捜索と相成った。

 ようやく見つかったのは、近所、よく伺うお友達の家。

 少し温かくなったこの春の昼下がり、ヤツはちゃっかりアイスを頂いていた。


 ◇◇


 細かいいたずらも相変わらず色々。

 自分の箸をなくしてしまった。と思ったらリコーダーの中から出てきたり。

 じいちゃんの寝床にいろんなものを持ち込んで、枕をあてて添い寝してやる遊びに夢中だったり。

 先日は木槌の頭の部分を枕にのせ、柄に布団をかけ、やさしく掛け布団の上からとんとんしてあげていた。

 次の晩は、なぜか水筒に添い寝しておりました。


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