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しるし(詩集)

煌めきの洞窟

作者: さゆみ


洞窟からの果てない声に吸い込まれる

静寂と平坦と魅惑の入り口が

今日も高らかにベルカントでうたう


太陽の猛毒は封じられた

きコロされる赤い落陽も産まれない

けれどここに闇は存在しない


宝石のようにまばゆい光が大輪の花のようにひらく

木星に浮かびあがったオーロラのように光は揺れる

讃美のうたが、尊崇のうたが、内から鳴り響く


コロラトゥーラの飛沫が透き通る水を転がり拾って弾む

水は眩しさを含み潤いはアダージョに輝きを留めて潜む

冷気がうたを高貴に舞い上がらせしなやかに震わせる


無風は押し付けない優しさとなりただ美しいとうたう

ここには闇はない

とめどなくここに居続ける光


奥深く進めば極彩色はレクイエムをうたうのだろうか

見えない出口

これ以上進めはしないと足が頷く


いつからか誘う、誘われる

いつまでも引きずる、引きずられる

静寂と平坦と魅惑の輝きを、煌めきを、讚美のうたを


入り口から夜更けに這い出す

極々小さな月の明かり

歪な欠片の星屑の光

いだく濃紺の空を見上げる

ぬるい風は悪戯に頬を拭う






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― 新着の感想 ―
[一言] 幻想的な雰囲気が素敵だなぁと思いました(^^) 「煌めき」とタイトルにあるように、確かに美しい輝きのようなモノを感じました‼ 一番、好きな表現は 「奥深く進めば極彩色はレクイエムをうたうの…
2013/10/15 17:46 退会済み
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