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202号室  作者: 紫雨
番外編
13/16

喧嘩しない程仲が良い。~圭祐の場合~

「圭祐、オマエ皆実ちゃんに何勝何敗!?」

「何急に」



 友人の佐伯が突然尋ねてくる。芳井と3人で、さっきまで違う話をしていたのにいつの間に。



「いや、“喧嘩する程仲が良い”って言うじゃん?どんくらい喧嘩すればオマエラくらい、絆が深まるのかと」

「喧嘩、多分したことねぇよオレ達」

「「……はあっ!?」」




 素っ頓狂な声を、二人して上げる。



「喧嘩ないの?」

「なんかこう、ちっさいことで言い合うことは勿論あるけど、それで関係が悪くなったことねぇし。」



 二人はアリエナイという表情でオレを見た。

 ちょっとまだ皆実のことを引きずっているらしい芳井が次の質問を口にする。



「嫌なトコとか、ない訳?」

「そーだよなあ、一緒に暮らしてたら目につくだろう!」



 佐伯もそれに乗っかる。

 “嫌なトコ”、ねぇ…。



「入浴剤」

「「は?」」

「風呂にアイツ入浴剤入れるんだよ。言ってもやめないし」

「なんだソレ」

「他は?」

「…呼び鈴なったらすぐドア開ける、確認しねぇの」

「…」

「それは危ねぇな」

「だろ?」

「圭祐よく殴られてんじゃん、アレはいいのか?」

「まーアレは皆実の愛情表現だし」

「………」

「………なんかもういいわ」




 溜め息と共に、芳井が言葉を吐き出す。

 聞いといて何だよ、とオレは思い、口に出した。




「なんか惚気聞いてるみてぇ…」



 オレから目を逸らして、ぼそりと呟いた芳井の言葉は、はっきりと耳に届く。

 やっぱり引きずっているようだ、同時にちょっと得意な気分になった。



「要するに、アレだな」






              - 喧嘩しない程仲が良い -






 これが結論ということで。


(圭祐の場合、おしまい)

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