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クラッド  作者: 僕。
第二章 魔物掃討作戦篇
13/15

第12話 レンとの出会い

新登場人物


レン・ナージャ

リョウの弟、魔力を使った射撃を得意とする。純粋ピュアな戦闘担当



1

「ギン!!そっちいったぞ!!」

 ガイの声が聞こえる、その方向に剣を構えながら振り向くと、小型の魔物『ウルフオウガ』が高々と舞い上がった。

頭上の『オウガウルフ』に剣を腰に構え、両手の力を込め押し上げる力で叩くように斬る。

 最後の一匹は、あっけなく地面に横倒しなり、動かなくなった。

「ふぅ、これで最後か」

「仕事、慣れたか?」

「そうだな、最初の依頼はハード過ぎたんだけど」

「ハハハっ!俺なんかボロボロにやられちまったよ」

 屈託の無い表情で笑うガイ。

ガイは、黒魔導士に負けて大ケガをしていたが、5日程かかったが回復魔法のおかげで復帰できた。

俺もかなりボロボロで1日ずっと眠っていたらしい。起きたら小さな一軒家に居て、驚いたもんだ。レイザスが国からの口止め料の代わりにギンに家をやってくれ、と頼んだらしい。

それはなかなか快適な家で、この世界で暮らすのも悪くないかもしれない、と思っていた。

 それで、禁呪の依頼から一週間、色んな依頼をやってきているという事だ。

今回受けたのはデュルト平原の西側での依頼。獣系の魔物の『オウガウルフ』の群れを討伐する依頼だった。

報酬もなかなかだったので、ひとりで行こうとしたが、新人の内は人命保護優先されているので最低でもパートナーを連れて行かなければ行けない。という事なので復帰したばかりのガイと一緒に行く事になった。

ガイは連携が上手いので、新人育成にもたびたび選ばれるらしい。それでもキャリアは二年程、結構やり手らしい。

 他のメンバー達は別の依頼に出かけたり、家でくつろいでいたりする。

ミレウは「修行」とかいって大型の魔物の依頼に出かけていた。

ソフィアは宝石採掘の依頼に出ている。みやげに宝石あげるとかいってたな。

レイザスさんはきっと家でくつろいでいる。

 ギンの知ってる方のソフィアを探す事については、世界が広すぎるのでまだ先の話しかもしれない。だが光明は見えた。とある町に、名前登録魔法端末が存在している、名簿が記録された政府管理の端末で、捜索願いを出せばたちまち見つけてくれるかもしれない。しかし簡単には了承してくれない。

 名簿には、ジルの街のソフィアしかいないのだ。

 出産時には必ず名簿に書き込まれ、魔法端末に管理されている。また住民権をとった人間もそうだ。

ギンもギルド入会時に登録されたから、端末に書き込まれている。

ということは『冷多のウソ』か『ソフィが登録されていない』ということなのだろう。

考えを巡らしているとガイが声をかけてくる。

「まぁ、お疲れさん。あんたなかなかすごいな」

 黒魔導士も倒したらしいじゃんか。

「まぁ、おれは自分の世界ではエリートだったからな」

 ニヤリ

「お前の方の世界って、ギルドとか魔物とかいないんだっけ?魔法すらないとか」

 不便だなぁ、と呟くガイ

俺が異世界からの住人だという事は皆にも周知の事実だ、レイザスがパーティの皆にバラした。皆エリート発言を無視するのはエリートが如何に優れているのかを理解してないからだ!というと

『うわぁ....ドン引き』

 ソフィアにそう全否定されても、俺はいつか分からせてやる、エリートの素晴らしさ、というヤツを!!

「声に出てるぞ、ギン」

 笑われた。

「どっからでてた?」

「俺はいつか分からせてやる!エリー...」

「ちょ、ストップ!!」

 帰りの馬車の中で騒ぐふたり、なぜかやるべき事を忘れてしまうギンだった。


2

 自宅に帰ったギンは、地球救済│(笑)の方法について考えていた。

 地球の崩壊を止める分子か...。

 それについては後にやってくるサパート役が来て教えてくれるらしい。

 地球から持ってきた端末を眺めながらベットを転がるギン。この端末はクラッドの力を応用して作った携帯で、冷多達から随時連絡がやってくる。

だが、こちらからは連絡は出来ないので、時空を使って改良版を持ったサパート役がもってくるみたいだ。

 時空を使うという事は、きっと未来に作った端末を現代に送るという事なんだろう。タイムマシンってヤバ過ぎる。

「未来技術で崩壊は救えないのかは、無理なのか...」

 未来からの干渉で、過去を変える事は不可能らしい。だが分子は別らしく、時空間に干渉していないもので、分子を用いれば過去を変えられる。

 といった事なんだ。

 分子を使って崩壊を止める方法は、崩壊時に分子ワクチンを投与すれば、崩壊臨界手前で留保できる。

 三十年も先の話だが、クラッドのタイムマシン機能を使えばなんて事も無いみたいだ。

きっと俺はやれるだろう。この世界も気に入ったし、まずは帰れるようにさっさとクラッドを見つければ問題ない。

「よし、買い物でもいくか」

考えるのはやめにして、今日の夕飯の食材でも買おうかな?と財布を確認した。


3

 まずギンは工房に向かう。

とってきた鉱石や、『オウガウルフ』の皮とかで、防具を強化しようとしていた。

 熱気のこもる工房に入り突き当たりのカウンターに行くと、いつもの親分ではなく

「いらっしゃいませ!」

 笑顔の受付嬢がいた。かなり暑いので、彼女の頰を汗が滑り落ちている。

「ご注文は、どちらにしましょうか?」

 受付嬢の手のひらには、完成品のレシピ書と、加工作成のレシピ書、強化加工のレシピ書が置いてある。

「これで」

 ギンは汗を拭いながら強化加工の書を指指す。

ガンガンと鉄を叩く音が聞こえる、ごうごうとした熱気の中、受付嬢はレシピを開く。

ギンは持っている素材を手渡すと、これならどうでしょうと金額を書き込みギンに見せる。

「これでいいです。│(高っ)」

 笑顔のままの受付嬢は申し訳なさそうにしていたが気にしない。

「最近、武具の発注が多くて、大変なんですよね」

「なんかあるんですか?」

「それはわかりませんねぇ」

 と受付嬢が言った時に、後ろから声がした

「大規模な作戦が展開されるからですね」

 後ろを振り向くと、少年が立っていた。

 青白い肌、緩やかなウェーブを描く黒髪、オレンジ色で少女の様な大きな瞳。中性的な顔立ち。身長はギンと同じくらいだが、少し低め。

「貴方、ギルドに配属している方ですよね?」

 その声も、中性的な声だった。男と言われても女だといっても納得できる。

ファッションも中性的で、なんだが判断がつきにくい。

「最近加入したばかりです」

 世界が違っても敬語は心がける、礼儀だ。

「そうなんですか、僕も昨日加入したばかりですので、先輩ですね」

「あっ、自己紹介してませんでしたね。ぼくはレン、レン・ナージャです」

「宮内吟です、よろしく」

 ギルドのカードである身分証をレンに差し出す。

「あっ、っと僕も出さないと」

「の前にまずは用事を済ませてからにしましょう」

 レンの言葉に従い、防具と武器ミスリルソードの強化を依頼しレンも用事を済ませ、カウンター隣のベンチに腰をおろす。

「ここ、とても暑いですよね」

 レンの顔を汗が滴る。ギンも体中汗ばんでいる。

 身分証を差し出すレン

「改めて、ご一緒する機会があればよろしくお願いします!」

「うん、よろしく」

「ところで、作戦ってのは一体なんなんだ?」

「うーん、まだいろいろ知らないけど、魔物の群れを掃討する集団依頼が発注されたらしいですよ」

「集団依頼?」

「集団依頼はギルドのメンバーほぼ全員に出撃要請が出る国からの依頼の事です」

 報酬もひとりひとりに結構いい額払われるらしい。

「へぇ」

「でも一体どんな依頼なんでしょうね。」

「国が動く程って、結構大きな依頼なんじゃないか?」

「きっとそうでしょうね」

 受付嬢に呼ばれる、混み合っているのでどうやら完成は明日になるらしく、受注証明のカードを手渡された。

「さて、僕もここにもう用はないので、さよならだね」

「ああ、また」


4

「な、何だッって!?」

「ですから物資不足でして」

「何ぃ!!!?」

 ギンは驚愕した、今日はポテトサラダとパスタにしようとしたが。

「なんでポテトとパスタ麺がこんなに高いんですか!!?」

 物資不足!?

 俺を殺す気か!?

 工房で金使ったから、一週間ずっとハードな仕事しないと生きていけねぇ!!

 エリートは人生初の金不足に直面していた。

 もういっそこの世界でも会社でも起こすべきかもしれない。

 それの方が楽かも。

「じゃ、これとこの野菜でいいです....」

 ショボショボと自宅に消えていくギン。

 パスタはおいしかったけど、いいドレッシッングが買えなくて、エリートのギンにはふさわしくないビミョーな味でした。

レンとは某神速、連撃狩猟ゲーからとってきた子です。

うん、まんまですね。

気をつけます。


それはさておき、新章です。

こちらは全章のようなgdgdな事にならないようにしたいと思います。


応援よろしくお願いします。

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