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クラッド  作者: 僕。
第二章 魔物掃討作戦篇
12/15

章間1

お久しぶりです。

これはもうひとりの主人公のはなしです。

章間 


地球、東京


1

パンッ


「ーーっ!!」

乾いた銃声が響く


非日常な出来事、二人は顔を見合わせる。

「お、なんだこ....!!!」

「銃声だ...」

静かな声で俺の大声を塞ぐ親友。彼の表情に冷静さはなく、蒼白な表情だった。

「聞こえる....」


ジャキン


 という金属音。これは、銃の装填の音だ。

「逃げるぞっ...!!」

 彼は、友人と共に、必死に逃げた。

階段を飛び降りて、暗い裏路地を必死に駆け抜けた。

あるのは恐怖

なにか夢見心地だった。こいつは現実じゃない。こんなB級映画みたいな出来事、ありえない。

 だが、体は現実だ、彼の乱れる息と、自分の息、うるさい程近くで響く四つの足音と、そして追ってくる、人。

その足音が恐い、カツカツと聞こえてくる足音が、彼らに恐怖をじわじわと塗り込んでいく。

そして、逃げるという抵抗も、終わりに近づいていた。

「あっ....」

「ぐうっ?」

 銃声が何度も響く。

そして、強烈な眠気を感じ。二人は気を失った。




2

「ーーっ!」

目覚める。

だが、体が重い。鉛が乗っかっている様な感覚に顔をしかめながら目を開く。

病室の様な殺風景

そして自分はベットの上に居るんだと気付く。

体を起こそうとするが、感覚が鈍い。

何故ここに居るのか分からない、彼はかちかちかちと固まる思考をゆっくりとほぐしていき。


---確か、裏路地で、何者かに、撃たれたんだっけな...ーーー


思い出す。

あとここは病院じゃない、殺さないなら、運ばれるんだ。

拉致されたということか。

たしかあいつ(・・・)は人生で拉致されるのはこれで二度目なのか。

以外と冷静なんだな。俺は

現実感がないからなんだろう。どこか夢見心地で、夢なのかもしれない浮遊感があった。


 きっとこれこそが、夢の逆の現実なんだろう。

こういう現実感のないことが起こると、人間は本能的に拒絶し、夢の中の様な感覚を起こす。

それがいま俺の中で起こっているんだ。


 ーと

 唐突にドアが開く。

「失礼するよ」


 美しい声


 高貴な格好の金髪の中年男が入ってくる。

白い衣服、節節に金の装飾があり優雅な輝きを高々と放っている。

薄い青色の鋭い眼光。

「突然の招聘で、面食らっているかもしれないが、ようこそ、『クラッド』へ」

「私は、この総合分子研究所日本支部の所長、ルカン・デア・ヴァルシュチア。君にここへ来てもらったのは...」

言葉が止まる。

「いや、すまない、来てもらったのではなく、連れて来られたんだったね」

微笑をたたえる男、だがルカンに笑いの色素など少しも無かった。

「無理矢理でも連れて行く理由が、君の親友にあってね」

聴く者を魅了するその美声、演説慣れしているんだろう、日本人の寸胴さがなく、彼の完璧な人格がにじみ出る。そんな声だった。

「勝手ながら君も、遺伝子テストに参加させてもらった」

「遺伝子テスト?」

「理解出来なくてすまない。それについては後で説明しよう」

質問せずに聞け、という事だろう。

「遺伝子テストの照合結果、君も君の親友とは違うが、特殊遺伝子投与が可能な体だと判明した」

「君には『クラッド』への搭乗権利がある、ということだよ」

腕時計を見て、しばらく考えるルカン。その行動もどこか彼の完璧さが滲み出ている。

「彼の出航時間のようだ、私はここで失礼するよ。詳しくは、副所長が説明してくれるだろう」

「では、君の正しい結論を待っているよ」

 ドアが開き、ルカンが微笑を讃える。

 背筋を思わず正していたのか、どっと力が抜ける。

「なんなんだよこれは...」

ああいう雰囲気の男と対面するのは初めてで、体は硬直していたようだった。


3

あれから、十五分程、病室にいる。

「あの音はなんだったんだ?」

五分ぐらい前、この地下施設が大きく揺れ、電気が全て停電して、何かがぶつかったような揺れが一瞬だけ来た。

そしてやがては電気が戻り、揺れが収まった。

窓が無いのは地下施設なんだろう、そしてTVがあったので見ると。『大規模な計画停電にご協力ありがとうございました。』とアナウンサーが言っていた。

その停電とこの施設の組織が関係しているに違いない、と病室で思考を巡らせていると。


また、ドアが開く


今度入ってきたのは、日本人、切れ長の瞳と頭に張り付く様な質の髪。

物腰はさっきの人物とはまったく違う印象だった。


「失礼」

「ボクは知床冷多、総合分子研究所の副所長や」



 俺はその後、ギンがクラッドに乗ったのと、世界の滅亡の危機と、クラッドや遺伝子の事を知った。


 そして、俺に与えられた、使命。そのすべてを知った。


 俺、鈴木尚の使命を...。

 

章間では、鈴木くんの物語を書こうと思います。

主人公に性格が似ていますが、主人公より好きです

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