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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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【4】「おれんち、来る?」選択肢:告白の続き。〜メリバルート第二の分岐〜

「アンジュちゃん……!

頑張って!」


パソコンの前に向かう、サポートキャラクターのロクシー。


サポートキャラクターは呼ばれた時にしか出番は無いので、

ロクシーはそのままイレイナの理事長室にいた。


すると――

アンジュはにこりと微笑んだ。

佐原先輩に向かって。


「佐原先輩よ!

この中で一番甘くて美味しいのは何だ!?」


「え!?……えーと……“深夜のロイヤルミルクティー”かな……?」


「ありがとう!

礼を言うぞ!

飲んでもいいか!?」


「ど……どうぞ……」


そして、ハルは振り返らず、部室のドアから出て行った。』


ロクシーが頭を抱えている間にも、

ゲームの中の“凜花”の独白は続く。


『その一件から、何となくハルが目に付くようになった。


登校している姿を見れば、

今日はギターケースを担いでいないんだな、みたく。


クラスに来れば、翔太と何を喋っているのかなあ、とか。


だからって、自分からハルに話しかけたり、

翔太にハルのことを訊くことも無かったけれど。


それから暫く経つと、私達四人は放課後ちょくちょく遊びに行くようになった。


翔太は部活があるから、週に一度くらいだったけど。


話してみると、ハルはすごく面白かった。


ゲームが大好きらしくて、

私達と一緒にいてもゲーム機を離そうとしなくて、翔太に怒られていた。


私がちょっと話をすると、すぐにのってきてくれる。


翔太も笑って便乗して、

それにハルが突っ込んで、

伊織くんは普段そんなに喋らないのに、オチをさらっていく。』


ロクシーがパソコンの前でホッと息を吐く。


「良かった……!

独白の中にはルチアーノは出て来てない!!

つか、永遠に出て来るな!」


『最高に楽しい。


でもその内、私は気付いてしまった。


自分の視線が、ハルの姿ばっかり追いかけてることに。


廊下なんかでハルに会って、「凜花ちゃん、おはよ」なんて言われるだけで嬉しい。


私と伊織くんが図書委員の当番の日は、

ハルはたまにやって来て、

必ず差し入れと言ってペットボトルのコーヒーやジュースを持って来てくれる。


伊織くんが「ドケチのハルに奢られるなんて怖いな~」と毎回ふざける。


「じゃあオジサンは飲まなくていいですよ。

凜花ちゃんだけで飲んでね」』


ロクシーがパソコンに向かってブハッと吹き出す。


「ルチアーノはどの世界線でもおっさんか……!」


『ハルがニコッと笑って言う。


私の心臓がドキンと跳ねる。


伊織くんは大抵、図書委員の仕事は放棄して、

スケッチばかりしている。』


イレイナがホホホと笑って、

ワインを一口飲むと言った。


「伊織って、正にルチアーノじゃない?

地獄の王の仕事よりも、趣味の香水作りばかりしてるんだから!」


『隣にいる私を「人物画の練習!」と言ってモデルにして描いたりもする。


私は恥ずかしいからやめて、と何度も言ったけど、

人の話なんか聞かない伊織くんに通じる訳も無く……。』


ロクシーが舌打ちする。


「人の話を聞かない……!

正にルチアーノじゃん!!」


『そのスケッチブックを覗き込むと、

ハルは必ず、「美人さんがいる~」と言う。


私は自分を美人なんて思っていないから、毎回赤面してしまう。


そんな私を見て、ハルは満足そうにニヤッと笑う。


そして伊織くんをからかうと、本なんか一冊も見ずに出て行く。


「まったくアイツはよ~」


伊織くんがブツブツ言いながら、ハルから貰ったコーヒーを飲む。


私は手の中のペットボトルをじっと見る。


たったそれだけのやり取り。


でも鼓動がうるさいくらいして、

胸の奥がじんわり暖かい。


ハルのギターが聴きたくて、

でも自分から中々言い出せなくて、

私は佐原先輩の呼び出しをじっと待つ。』


「凜花ちゃん……健気!」とロクシーがパソコンに向かって頷く。


『ある日、ハルから「凜花ちゃん、暇な時に部活に顔出してよ」と言ってくれて、

私は飛び上がりたい程嬉しかった。


ハルは「アドバイスしてね」なんて言うけど、

ハルの演奏をうっとり聴いている私は、答えにしどろもどろ。


そんな毎日に、私はハルが好きなんだと自覚した。


自覚してみると世界が一変した。


普通の毎日がキラキラ輝いて、ドキドキの連続で。


でもそれが嬉しくてたまらない。


余りにドキドキし過ぎた時は、

一緒にいることの多い伊織くんの癒しオーラで落ち着くことも覚えた。』


ロクシーが叫ぶ。


「駄目だって!!

それ、ルチアーノだから!!」


『伊織くんとは黙っていても、何となく通じ合える何かがあった。


波長が合うっていうのかな?


伊織くんは無駄なことは訊いてこないので、それも助かった。』


絶望的な目になるロクシー。


「もう、無駄なことばっかり言うようになるよ……伊織くんは……」


『でも。


ハルが好きだからこそ、気付いてしまったんだ。


ハルが誰よりも翔太を好きなこと。


親友として大事にしていること。


ハルは翔太には人一倍酷い冗談も言う。


でもそれは愛情表現。


翔太だって怒ったフリはするけど、笑っておしまい。


他の人との距離感も全然違う。


ハルは二言目には「中野さん、中野さん」と言って、

翔太にじゃれつく。


二人の絆が強すぎて――


私に出来ることは、せめてハルと翔太の邪魔をしないこと。


そう決めた。』


ロクシーが強炭酸水片手に叫ぶ。


「ハイキターーー!

青春勘違いあるある!!」


『でも高校二年生でハルとクラスが同じになって、

四人が揃って今まで以上にみんなの仲が良くなると、

私は自分の『好き』に負けそうになった。


だから、なるべく伊織くんにひっついた。』


ロクシーがグビッと強炭酸水をあおると、鋭く言い放つ。


「だから、そいつはルチアーノなんだってば!!

ひっつくな!

凜花ちゃんが汚れるよ!?」


『伊織くんが風紀委員に推薦されて、

風紀委員よりマシとまた図書委員に立候補したから、

私もまた一緒に図書委員になった。』


無言でドスンと音を立てて、強炭酸水をデスクに置くロクシー。


『だけど、我慢に我慢を重ねた恋心は一瞬で決壊した。


ある日、ハルが学校の側の河原に行こうと私を誘った。


私はみんなも来ると思っていたから、簡単にOKした。


けれど、待ち合わせの河原に着いたら、ハルしか居なかった。


私が固まっていると、

ハルが「座って」と言って、ギターケースからギターを取り出した。


並んで座ると、ハルが私の目の前にピックを差し出した。


「これ、誕生日に凜花ちゃんが俺にくれたやつ。

凜花ちゃんにアレンジ相談してた曲、やっと出来たんだ。

聴いてくれる?」


ハルがギターを弾き、小さな声で歌い出す。


初めてハルのギターを聴いた日のように、

夕陽がハルを照らしていて。


河原には、そよ風が吹いて、

草野球をしている声が遠くに聴こえる。


全てがまるで映画のように完璧で。


曲が終わり、ハルが照れ臭そうに「どう?」と言った。』


ロクシーがパソコンにかじりつく。


「……もしかして……来る!?」


『私は言葉が出なかった。


「凜花ちゃん?」


私の瞳から、涙が一粒零れて落ちた。


「ハル……私、ハルが好きだよ」


もう、今日しか、今しか、告白なんて出来ないと思った。


ハルは目を大きく見開くと、信じられないという顔をした。


私は振られるって分かってたから、ただ黙っていた。


するとハルが「どういう意味?」と冷たく言った。


意味?

意味って……?


「俺が好き、ねえ……」


ハルがギターをケースに仕舞う。


「じゃあ、凜花ちゃん」


ハルは私の顔を覗き込むと言った。


「おれんち、来る?」


選択肢:

①黙って頷く。

②「……返事は?」

③「家に行ってどうするの?」』


「キターーー!!

アンジュちゃん……今度こそ……!」


そして――

ゲームの中にアンジュが現れた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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