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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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18/26

【18】藁か布団か、それが問題だ。〜これって乙女ゲームですよね?〜

すると、ルシアンはさっと立ち上がり、

遥斗が飛び出して来たせいで半開きになった玄関のドアノブを掴み、

ドアを開くと言った。


「アンジュさま、どうぞ」


アンジュがにこりと微笑む。


「うむ!ご苦労!」


そして、アンジュは真っ白なワンピースをふわりと揺らし、

優美な足取りで玄関に入って行く。


そして、ルシアンが遥斗に向かって振り返り、言った。


「一ノ瀬くん、どうぞ」


遥斗はそう言われて、我に返る。


(ここ……おれんち!!

まるでルシアンくんちのお屋敷みたいじゃん!!)


そして、遥斗は「どうも!」とだけ言うと、

家の中に入って行った。





玄関では――

遥斗の両親と姉が揃って、

アンジュとルシアンを出迎えていた。


アンジュが高らかに告げる。


「初めまして!

勉強会へのご招待、礼を言うぞ!」


遥斗の両親と姉たちの内心は、三者三様だった。


父親(……眩しい………!!

この美しさ……女優とかじゃないのか!?

……だが、“礼を言うぞ”……って!?どう言う意味だ!?)


母親(なんて美しくて礼儀正しいの……!?

でも、こんな子が何でうちのハルくんとお泊りで勉強会???

それに……理事長先生とは、どんな関係なのかしら……?)


姉(うおー!!

ツヤッツヤの髪!

ヘアパック、何を使っているか後で聞こう♪)


だが、ルシアンが玄関に入って来た途端――

三人は固まった。


190センチ、学ラン、超絶イケメンの鋭い眼は、

何もかも見透かすように、ギラリと光っている。


そして、ルシアンが優雅に右腕を胸に回し、一礼する。


「初めまして。ルシアンと申します」


その圧。


両親と姉の思いは一つ――


(こんな騎士みたいな高校生……現実に存在するんだ!?)


ルシアンは無表情のまま、

学生鞄から、スッと袋を取り出し、

玄関に中身を並べた。


それは――

ピンク色で金の縁取りをされたスリッパ。


一目でハイブランドの品だと分かる。


アンジュが「うむ!ご苦労!」と言ってスリッパを履く。


ルシアンはそれを確認すると、遥斗に言った。


「一ノ瀬くん。

私は有事に備えて、靴型のスリッパを履く。

よろしいか!?」


両親も姉も、もう、何も言えなかった。


他人の家に、友達がアンジュのスリッパ持参。


何の躊躇もせず、

「うむ!ご苦労!」と言ってそのスリッパを履くアンジュ。


『有事に備える』というパワーワード。


遥斗はハーッと深いため息を吐くと答える。


「……どうぞ……」と一言。





そうして、通されたリビングには、

カッシーナのダイニングテーブル・セットが輝いていた。


ルシアンが流れるような仕草で、アンジュのバッグを受け取り、椅子を引く。


アンジュはまたもや言った――


「うむ!ご苦労!」


そして、ふわりと椅子に座る。


その優美さに、遥斗は釘付けになるが――

両親と姉は、いつの間にか、そそくさと退散していた。


遥斗は、ルシアンは兎も角、

アンジュを紹介したかったので、ポカンとしていると、

ルシアンが遥斗にふり返り、言った。


「私はまず、

勉強中のアンジュさまのお飲み物をお作りしようと思う。

一ノ瀬くんも、ご一緒にどうかな?」


遥斗はルシアンの手を煩わせることも無いと思い、

アッサリ答える。


「俺は麦茶を飲むから良いよ」


すると、アンジュが即座に口を開いた。


「麦茶!?

麦茶とは何だ!?

ジャパンのダージリンティーのようなものか!?」


遥斗がうーんと天井を見上げて、ポツリと言った。


「まあ……そうかな?

それの冷たいやつ」


アンジュの青い瞳がキラキラと光る。


「ルシアンよ!」


だが、アンジュの呼び掛けに、

ルシアンは跪くことなく言った。


「なりません!」


“跪いていないルシアン”だけでも驚きなのに、

その迫力に遥斗がビクッとしていると、

ルシアンは続けた。


「“麦茶”はアンジュさまのお好みに合いません!

絶対にご気分を悪くしてしまいます。


今からフレッシュメロンフローズンドリンク・ホワイトチョコチップ入りをお作りしますので、ご容赦下さい」


アンジュがにこりと微笑む。


「ならば、よろしい!」


「はい!」


ルシアンが一礼し、

せっかく入って来た玄関を出て行く。


遥斗には、ルシアンの行き先は分かっていた。


(あの要塞テントだよ……)


そして、閃く。


(今……!

今ならアンジュちゃんと二人きり……!!)


遥斗は素早く口を開いた。


「アンジュちゃん……。

俺は……アンジュちゃんが、俺を好きじゃなくても……離せない」


次の瞬間――


選択肢:

①「……私……告白したよね?」

②「私がハルを好きじゃないって……どういう意味?」

③「離せないってどういうこと?それより告白の返事が先でしょ?」


理事長室に連なる豪華な自分の寝室で、

ロクシーがパソコンに向かって叫ぶ。


「選択肢、キターーー!!

しかも増えてないッ……!!

アンジュちゃん……!!

お願い!どれでも良いから選択肢を選んで!!」


隣のルチアーノも、

シルクの深紅のハンカチを握りしめて叫ぶ。


「うおー!!

アオハルあるあるーーー!!

初恋の勘違い・すれ違いラブ❤️❤️❤️」


すると、アンジュはにっこり笑って言った。


「私には、嫌いな者など存在しない!」


ズコーッとパソコンの前でずっこけるロクシーとルチアーノ。


アンジュの言葉は続く。


「離せないとは、ベッドの件か?」


その一言に遥斗がカーッと赤くなっていると――

アンジュは高らかに言った。


「ハルは床に寝たことがないのか?

よかろう!

ルシアンよ!」


「はい!」


0.24秒で現れたルシアンは、跪いていた。


「ハルは床に寝たことが無いそうだ!

それで今夜、床に寝ることが不安らしい!

ハルの不安を解消するのだ!」


「……御意……!」


ルシアンが恭しく答え、

テーブルに生クリームの乗った鮮やかなグリーンの飲み物を置く。


「では私は、一ノ瀬くんの不安を解消致します。

アンジュさまは、そちらのフレッシュメロンフローズンドリンク・ホワイトチョコチップ入りをお飲みになって、お待ち下さい」


「うむ!」


深く頷くアンジュは、もうストローを手にしている。


すると、ルシアンが遥斗の肩をガッチリと抱くと言った。


「一ノ瀬くん。

我々は世界的に高性能な寝袋で寝ようと思っていたが……寝袋だけでは不安か?」


遥斗の肩に、メリメリとルシアンの手がめり込む。


その力に、遥斗は逃げられないと悟り、正直に答えた。


「……寝袋で寝たこと、無いんだよね」


ヘイゼルグリーンの眼を光らせるルシアン。


「ならば――

寝袋の下に藁を敷くのはどうだ?

藁ならばクッション代わりになる!」


遥斗は自分の方がおかしいのかと、一瞬思った。


カッシーナの500万円の家具の前で――

自分の部屋に、藁を敷いて寝る話をしている、この状況が正しいのか?


後ろでは、アンジュの鈴の音のような声が響いていた。


「甘ーい❤️❤️❤️美味しーい❤️❤️❤️」


遥斗は力なく言った。


「……藁じゃなくて……まずクッションじゃ駄目なのかな?」


ルシアンは真剣に答える。


「クッションを並べて寝るのは、非現実的だ。

不安定で、深い眠りには入れない。

藁ならば、自分の身体にピッタリと沿う」


その揺るぎない声と眼差し。


遥斗はまたも、究極の選択をした。


「……なるほどね。

じゃあさ、敷布団があるから、その上で寝ない?

俺の部屋なら、シングルサイズの客用の布団、二つ並べられるし。

寝袋も必要無いし」


ルシアンが遥斗の肩から手を離し、

無表情ながら、感動に満ちた声で言う。


「……ならば……!

我らは並んで寝よう!」


遥斗はルシアンを無視して、声を上げる。


「母さーん、客用の敷布団ってどこにあるのー?」


ロクシーはパソコンの前で爆笑し、ルチアーノは――


「俺様だって……!!

ズッ友ルシアンと並んで眠りたいでありますッ!

ハルのヤツめ……!!」


と、パソコンの画面の中で脱力している遥斗を睨んでいた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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