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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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16/24

【16】スマホ越しの騎士介入で、ヒーローが終了しました。〜分岐バグ発生中〜

「その通りですね。

一ノ瀬くん」


低音ボイスが、遥斗のスマホから響く。


静まり返る教室。


アンジュが軽やかに言った。


「ルシアンよ!

今日の昼食は何だ!?」


「アンジュさまのお好みの、

ふわとろチーズビーフシチューオムレツと、

苺のフレッシュフローズンドリンク・ホワイトチョコチップ入りでございます」


アンジュがにこりと微笑む。

――スマホに向かって。


そして、

「キャー!!ルシアンくーん!!お話しよー❤️❤️❤️」

と、クラス中の女子生徒たちがハルとアンジュを囲む。


遥斗の手がブルブルと震える。


(どうして俺のスマホからルシアンくんが喋ってるんだよ……!?

スピーカー、オンにもなってないのに……!!


それに、何でみんな、疑問に思わないの……!?

普通におかしいでしょ!?)


アンジュがスマホに向かって

「クラスメイトの質問には真摯に答えるように」

と告げると、


「……御意……!」


というルシアンの返事があり、

そのタイミングでルチアーノがやって来て、

アンジュを女子生徒の輪からすっと抜け出させてくれた。


そこに、

「おはよー!」

と翔太がスポーツドリンク片手に教室に入って来た。


ルチアーノが満面の笑みで

「おはよう!翔太!」

と言って、

学生鞄からチラリと昨日翔太が渡したバスタオルを見せる。


翔太がアハハと笑う。


「ルチアーノくん、気に入ってくれたんだ!

良かったー!

あ!リストバンドとか小物もあるから、今度持ってくるね!」


ルチアーノが深紅のハンカチを噛み締める。


「……中野……!

お前は本当に良い奴だな……!」


翔太は爽やかな笑顔を浮かべて答える。


「普通だよ。

アンジュちゃんも、おはよう!

てかさ……ハル、何してんの?」


アンジュがエヘンと胸を張る。


「ルシアンがハルの電話越しに、

クラスメイトの質問に真摯に答えておるのだ!」


翔太は自分の席には女子生徒が群がっていて座れないので、

空いている席に座るとニカッと笑った。


「ハルとルシアンくんって仲良いんだ?

でも、ルシアンくんって本当に真面目だねー」


アンジュが青い瞳を輝かせる。


「であろう!?」


ルチアーノもその場で一回転すると、

パチンと指を鳴らす。


「中野……流石だ☆」


遥斗は――


翔太……!!

全部間違ってるから……!!

……お願い……!!助けて……!!


と、心の中で絶叫していた。





そして、ホームルームが終わり、授業が始まる。


遥斗は混乱していて、勉強どころでは無かった。


なぜ、あのタイミングでルシアンの声が

勝手にスマホから流れたのか。


午後に自宅に届く、500万円の家具。


捨てたいけど、

捨てたらルシアンが現れそうで捨てられない鉄の下敷き。


自分で自分を呪いそうになる。


(何で俺はアンジュちゃんに

「今度の土日、うちに泊まりにきて下さい」

なんて言ったんだよ……!?


いくらヤケクソだったからって、

他の方法があったのに……!!)


その時だった。


隣の翔太の机に、

完璧に折られたユニコーンの形のメモが落ちた。


翔太は楽しそうにメモを丁寧に開くと、

ブハッと吹き出し、

自分のメモ帳に何か書くと、

さっと後ろの席のルチアーノの机に置いた。


(ルチアーノくん……変わった!?

メモで折り紙なんて折ってるの、初めて見たんだけど……!!

ていうか授業中にメモ回したり、しなかったよね!?)


遥斗の困惑をよそに、

また翔太の机に投げられる――

今度は完璧な亀。


翔太はまた丁寧に開くと吹き出して、返事を書いている。


遥斗は腹の奥底から

フツフツと怒りが湧いてくるのを感じた。


――問題はルシアンくんじゃない!

アンジュちゃんのあの"告白"のせいだ……!!

そして、その原因は……


遥斗がチラリと後ろの席を見ると、ルチアーノと目が合う。


ルチアーノは突然立ち上がり、正面を向いて言った。


「先生〜!

一ノ瀬くんがいやらしい目で見て来まーす!」





そうして、遥斗は放課後、

生徒指導室に呼ばれ、長い一日が終わった。


生徒指導部の先生は真面目な顔をして言った。


「ルチアーノくんは国立の美大を受ける準備をもう始めている。

授業の邪魔しないように。

それと、いやらしい目つきとは何だね?」


遥斗は何も言えなかった。


(俺がルチアーノさんに、

変な方法で授業の邪魔をしてることになってる……!!)


その脱力感は凄まじかった。


そして、凄まじいのはそれだけではない。


生徒指導室から出てスマホをオンにすると――

母親からの歓喜のメッセージと、

ルシアンからの明日の予定確認のメッセージの洪水。


そして翔太からも――


「ルチアーノくんの冗談を真に受けるなんて、

流石は倫理の先生だね!

ハル、ガンバ!」


と、翔太らしい前向き過ぎるメッセージ。


そうして家に帰ると――

リビングは、別次元になっていた。


普通の住宅のリビングに、

光り輝く最高級のカッシーナのテーブルと椅子は、

圧が強すぎた。




だが、もう引き返せない。


遥斗はルシアンに、


「必要最低限の物だけ持って来て下さい。

午後1時に俺んちに集合で。

家はアンジュちゃんが知ってます。」


とだけメッセージを送ると、

メッセージの通知をオフにする。


それからゆっくり風呂に入り、

何も考えずに済むように、

オンラインゲームで世界にインした。





翌日。


遥斗は朝10時に目覚めた。


簡単に洗面を済ませて一階に降りると、

リビングに居た姉がダイニングにやって来る。


「ハル!

あんた、もしかして白鳥学園に特待生とかで入学したの!?」


遥斗が冷蔵庫から朝食を出して、電子レンジにかける。


「そんなわけ無いだろ……。

姉ちゃん、うるさい」


「だってさあ!

このテーブルと椅子だけじゃないんだよ!?」


興奮している姉を無視して食事を始める遥斗に、

姉がニヤニヤ笑った。


「ま、いっか!

アンジュちゃんたちが来れば分かるもんね!」


その言葉に偽りは無かったと、

遥斗は、アンジュとルシアンと三人になった時に、

知ることになるのだった――





午後1時。


インターフォンが鳴って、モニターを見ると、

なぜか燕尾服を着た外国人の男性が映った。


遥斗が唖然としていると、

その男性は完璧な日本語で言った。


「アンジュさまとルシアンさまをお連れしました」


遥斗が慌てて玄関から出ると――

そこには真っ黒なロングリムジンが停まっていた。


インターフォンに出た外国人が、

後部座席のドアを開ける。


アンジュが真っ白なワンピースで

リムジンから降りて来る。


遥斗から、

怒りも困惑も、昨日からの戸惑いも

何もかもが消え去った。


アンジュの神聖な美しさに。


17年間の人生で、

初めて本当に"美しい人"に出会えたと思った。


そして、猛烈にギターを弾きたいと思った。


アンジュに聞いて欲しい、と。


遥斗はアンジュに駆け寄った。


「アンジュちゃん!」


その声にアンジュが青い瞳をほんの少し見開き、

にこりと微笑む。


「おう!ハルよ!

お招きありがとう!」


「アンジュちゃん……!

俺のギター聞いてくれる!?」


次の瞬間――


選択肢:

①「もちろんだよ……!」

②「……うん❤️」

③「……ここ、玄関だよ?」


ロクシーが、

理事長室に連なる豪華な自分の寝室のパソコンの前で、

強炭酸水のペットボトルを掴んで叫ぶ。


「ルシアン、喋るな!

アンジュちゃん……選択肢の番号だけ言って!

あと……"ルシアンよ!"って呼ばないでーーー!!」


だが、次の刹那――

選択肢が増えた。


選択肢:

①「もちろんだよ……!」

②「……うん❤️」

③「……ここ、玄関だよ?」

④「ルシアンよ!」

⑤「よろしい!ではルシアンは成すべきことをせよ!」


ロクシーが

「嘘!嘘!嘘……!!」

とパソコンをガタガタ揺らす。


そして、アンジュは選択肢から、

初めて番号を言った。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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