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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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12/15

【12】アンジュ最優先主義、暴走中。〜パーティは勉強会に変更されましたが、地獄確定です〜

先頭を歩くアンジュ。


そして半歩後ろで左右に分かれて歩く、遥斗とルシアン。


ルシアンは無表情で、遥斗に向かって質問と提案をしてくる。


曰く――


「パーティの規模は?」


「アンジュさまの安全を考慮して、

招待客の名簿を先に見せて欲しい」


「アンジュさまのお好みの料理、デザート、ドリンクは揃っているのか?」


「アンジュさまは夜更かしは出来ない体質なので、

パーティ会場から離れた静かな場所の仮眠場所の立地条件と、その内装について」


たった10分の最寄り駅までの帰り道。


遥斗は冷や汗で、

まるで炎天下にいるように汗をびっしょりかいていた。


だが、ルシアンの質問と提案は止まらない。


「アンジュさまがお眠りになるまでの明度の確保とその方法」


「アンジュさまの枕カバーはシルク100%か?」


「アンジュさまの仮眠用のパジャマに一番ベストなブランド」


そして――


ルシアンが、

「アンジュさまのシーツの生地の最適な産出国」

を言った時、遥斗はぶちギレた。


「あのね……!

うちは普通の二階建ての家なんだよ!!


英国式パーティなんか知らないし、

そんな条件クリア出来るって本気で思ってる!?」


通学路にいた生徒たちの視線が、

一斉に遥斗とルシアンに向く。


男子生徒A(ハルがキレてる……珍しいー!!)


男子生徒B(ハル……!喧嘩売る相手間違えてるよ!!)


女子生徒A(えー……一ノ瀬くんって怒鳴るんだ!

でも……ルシアンくん全然動じてない!カッコいいーーー❤️❤️❤️

グループメッセージ送信!)


女子生徒B(ヤバーイ❤️

かわいい系イケメンと騎士イケメンが喧嘩してる!!

グループメッセージ送信!)


女子生徒C(アンジュちゃん……パン屋さんに入って行っちゃった……

大丈夫かな?)


すると、ルシアンが大天使の眼をして言った。


「つまり……一ノ瀬くんは

アンジュさまにパーティがあると嘘をついたと!?


それは……大罪である!」


そして、ルシアンの背中から、

何かがギラリと光った。


遥斗が顔面蒼白になり、

慌てて答える。


「ルシアンくん!

待って待って待って!!


俺はパーティなんて、一言も言ってない!

アンジュちゃんが勝手に言ってるだけ!!」


ルシアンのヘイゼルグリーンの瞳が金色に燃え上がる。


「アンジュさまを嘘つき呼ばわりするとは……!!


純粋無垢、汚れを知らぬ、

恐れ多くも天界の光、敬愛の的のアンジュさまが

嘘つきだと……!?」


その刹那――


アンジュの声がした。


「重ーい……」


ルシアンがさっと振り返る。


「アンジュさま。

お持ちしましょう」


その声は、

さっきまで怒り狂っていたとは思えない程、

穏やかでやさしく、


遥斗の中で、

緊張と恐怖がまるで伸び切ったゴムのように

プチンと切れた。


アンジュがにこりと微笑む。


「ルシアンよ!礼を言うぞ!」


夕暮れ時のアンジュの笑顔は、

儚くも美しい。


ルシアンの眼を直撃。


ルシアンが即座に、

アンジュから受け取った紙袋の中に視線を逸らす。


「……これはパンとデザートでございますね。

少々買いすぎでは?


アンジュさまのお腹の具合が……」


そう言うルシアンに、

アンジュがぷうっと膨れる。


「選びきれなかったのだ!

仕方ないであろう!?」


ルシアンが即座に胸に手を当て、

瞼を伏せる。


「……これは!

出過ぎた真似を……!

申し訳ございません!」


そのやり取りを見て、聞いていた遥斗は悟る。


――もう無理だ……。

俺の神経が保たない……。


遥斗が力なく言った。


「アンジュちゃん……

実は誤解があるみたいです。


土日に泊まりに来てって言ったのは……

勉強を教えて欲しくて。


英国式パーティじゃありません」


アンジュが青い瞳を見開く。


「なんと!

ハルは勉学に勤しみたかったのか!

素晴らしい!」


「……なるほど!

勉学は学生の義務!

全科目を網羅するならば二日は必要……!」


ルシアンの相槌に、

またゴリゴリと自分の神経が削れる音がする遥斗。


遥斗が何とか続ける。


「……それで……

良かったらルシアンくんも来ない?」


それは究極の選択だった。


アンジュと二人きりでいたい。


だが、突然ルシアンが現れるよりはマシという、

高校生の遥斗なりの精一杯の選択だ。


ルシアンは遥斗ではなく――

アンジュに向かって跪くと、言った。


「アンジュさまがよろしければ」


アンジュが高らかに告げる。


「よろしい!

ルシアンよ!

ハルの勉学に最大限の協力をせよ!」


「……御意……!」


そして、遥斗は目の前が真っ暗になった。





それから――


帰宅した遥斗のスマホには、

ルシアンから鬼のようにメッセージが届き続けていた。


勉強したい科目、その範囲、

そして――


またもやアンジュの食事、

寝る時のシーツの種類、

風呂の大きさまで。


遥斗はルシアンに返事はせずに、

アンジュに電話を掛けた。


もう、事前にメッセージで確認する気力も失せていた。


少しのコール音の後、アンジュが出た。


「ハルよ!何か用か?」


その鈴の音のような声が、

遥斗を踏ん張らせる。


遥斗が低く告げる。


「アンジュちゃん……

アンジュちゃんは俺の部屋に泊まってくれるよね?」


その瞬間――


選択肢:

①「……ハルがそう言うなら……」

②「えっ……恥ずかしいよ」

③「二人きりとか、あり得ないんだけど?」


理事長室に、

イレイナのまじないで作られた

ロクシー専用のバスルーム付きの豪華な寝室で、


ロクシーがパソコンにかじりつく。


「よしよし!

予定通り……!


アンジュちゃん……頼んだよ!!」


すると、アンジュが即答した。


「よろしい!

ならばハルとルシアンは床で寝よ!」


「………」


何も言えない遥斗に、

アンジュが続ける。


「大丈夫だ!


ルシアンはどんな過酷な地でも、眠る術を持っている!

ハルは安心してルシアンに任せれば良い!」


ロクシーが絶望の瞳になり、

無言で天井を見上げた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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