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第六話:天空都市エリシアへの旅立ち



ギアホールの再起動を果たした後、クロノアはその場に静かに立ち尽くしていた。胸の奥に残るのは、ソラの声と、消えかけた記憶のかけら――


「再生の鍵は、あなたの中にある――」


その言葉は、彼の中で絶え間なく響いていた。だが、まだすべては思い出せない。欠けた記憶は、まるで深い霧に包まれているかのように、手を伸ばしても掴むことができない。


「アーテリオン、次はエリシア……そこに何がある?」


「エリシアは、魔法と科学が究極に融合した天空都市。そこにはお前の失われた記憶の一部と、再生の力に関わる重要な存在が眠っている。」


「……わかった。そこに向かう。」


クロノアは、かつての自分が何者であったのか、そして何を失ったのかを確かめるため、旅を再開する決意を固めた。


旅路の始まり。


ギアホールを出たクロノアは、荒れ果てた大地を超え、**天空門(Skygate)**へと向かった。そこから、かつての科学技術によって建造された空中浮遊装置に乗り込み、エリシアへと向かうことができる。


「エリシア……そこに、俺の記憶と運命の答えがあるなら、必ずたどり着いてみせる。」


しかし、彼が空へと飛び立とうとしたその瞬間、周囲の空気が一変した。


「クロノア、ここで終わりにしてやる……!」


鋭い声とともに、黒い影が彼の前に現れる。その姿は人間のようでありながら、どこか歪んだ存在感を放っていた。全身は機械と魔法の融合によって強化され、瞳は冷たい光を宿している。


「お前は……誰だ?」


「名乗るまでもない。俺はテン、機械帝国の最後の守護者。お前が再び世界を創り直すなど、許されるものか!」


「テン……?」


その名に、クロノアの心はわずかに反応した。しかし、記憶はまだ完全には戻らない。ただ、彼の中に確かな感情が芽生えた。かつて、彼とテンの間には何か特別な繋がりがあった――それだけは、確かだった。


「お前の記憶が戻る前に、終わらせてやる!」


テンが放つ魔導砲がクロノアに向かって迫る。しかし、クロノアは冷静に空間を歪め、時間を一瞬止めた。


「俺はまだ……倒れるわけにはいかない。」


時間を操る力が再び全開し、クロノアはテンに向かって突進した。激しい衝突音が響き、周囲の空間が震える。


「お前の記憶が戻れば、すべてが分かるだろう……だが、その時が来る前に俺はお前を止める!」


テンは最後の力を振り絞り、クロノアに挑むが、その攻撃はすでに見切られていた。クロノアは時の歪みを利用し、テンを圧倒する。


「テン、なぜお前は俺を止めようとする? その答えも、エリシアで見つけるべきなのか……?」


テンは力尽き、沈黙の中で崩れ落ちた。だが、その最後の瞬間、彼は静かに呟いた。


「……お前が思い出す時、その意味が分かる……」


天空門へ。


戦いを終えたクロノアは、ついに空への扉を開いた。天空門は彼の到来を待ちわびていたかのように光を放ち、空へと導く道を切り開いた。


「エリシア……俺は、お前の全てを思い出す。そして、世界を再び創り出す力を手に入れる。」


浮遊装置が稼働し、クロノアは空へと舞い上がる。遥か彼方に輝くエリシアの光が、彼を導いている。


その先に待つのは、宇宙創造の真実と、再生の鍵を握る運命の邂逅――


「待っていてくれ、ソラ。すべてを思い出し、この世界を取り戻す……」


クロノアの旅は、新たな舞台へと進む。

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