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初めてのモンスター狩り①

 僕はモンスター討伐デビューを飾るべく、大量のモンスターが巣食う霊峰ヒートマウウンテンに向かっている。

今回の移動は時間節約の為に、母様におんぶしてもらい、飛行(フライ)スキルで運んで移動中だ。

不格好ではあるが、ヒートマウンテンは馬車で向かうと5日はかかるので仕方がない。

 

 モンスター討伐とは、モンスターを殺してジェムをゲットする事だ。


 強大なモンスターが死ぬと肉体は塵となり、存在の核としての役割を持つジェムが残る。

人間がジェムを体内に取り込むと、そのモンスターのマナの一部とスキルを引き継ぐことができる。

このように「モンスター討伐=ジェムの入手」は、人間に大きな恩恵をもたらす。

 

 にも関わらずモンスターが狩り尽くされない理由は単純で、基本的には人間はモンスターを倒せないのだ。

正確には、人間では決して倒せないようなマナ保有量の多いモンスターが死後にジェムを残す。

 

 …僕に倒せるジェムもちのモンスターなんているのだろうか


「なにもドラゴンを退治しにいくわけではありません。安心してください」

 僕の不安を感じ取ったのか、母様が声をかけてくれる。 

母様はいつもの優しい口調と慈愛に満ちた微笑みで、僕の恐怖を取り除こうとしてくれるのだ。


ちなみに、僕はまだ乳児の時に、一度ジェムを体内に取り込んでいる。

母様は先天的にマナを一切持ち合わせなかった僕を見かねて、試しに手持ちのジェムを与えてくれたのだ。


 ジェムを取り込む際は丸呑みして、腹の中で体に吸収されるのを待つ必要がある。ジェムは直径2cm程度の球状なので、飲み込むのにも多少の思い切りは必要だろう。

そして僕は、ジェムを喉に詰まらせて死にかけたらしい。多くの人間が直感的にわかることだと思うが、ジェムは乳児には大きすぎたのだ。

 母様としては、飲み込むことが難しそうであれば、治癒(ヒール)をかけ続けて生命維持を行いながら、どうにか僕のお腹にジェムを押し込もうと考えていたようだ。

 そうまでして僕に生きていく力を授けてくれた母様、ありがとうございます。

 

「カイ、あなたは生後半年でマナ操作を経験して、今では完璧に順応しています。それに、剣と格闘の道場にも頑張って通っているではないですか。自信を持ってください」

僕の考えている事が分かるのか、母様が声をかけてくださった。


 僕はジェムを飲み込んだ際に生死の境を彷徨ったものの、ジェムから得たマナが新生児のうちから体内にあった事で、特別な訓練もなしに操作できるようになっていた。

 僕としてはマナの力を利用しているつもりは一切ないのだが、赤ちゃんの頃からほかの子供達より運動能力の発達がかなり進んでいるらしい。

 

 そういうわけで、3歳頃には十分に身体能力が備わっていたため、その頃から剣と格闘の道場に通っている。先生達は母様のお知り合いのお爺さん達だ。

 実際には、どちらの道場も厳しいトレーニングなどはなく、僕としては同年代の子供達と遊ぶために毎週通っている感覚だ。


「戦う相手をよく選び、いつも通り冷静でいれば絶対に大丈夫です。母様が保証しますよ」

 母様は僕にもモンスター討伐が可能だと信じて疑っていないようだ。

母様の自身が僕に移ってきたのか、段々とどうにかなる気がしてきたので不思議だ。

さすがは、お母様。

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