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1話「LOVE!DOLL!トーメント開始!」

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

ある金曜 夜

「つ・・・ついに・・・」

「ラブドールが我が家にやってきたぞおおおおおおおおおおおおおおお!」

この60万の超高級ラブドールを手に入れる為に約1年!

働いて!働いて!働いて!

ようやくここまできた!

よく頑張った俺!偉いぞ俺!

彼女いない歴=年齢だけど!

もうすぐ魔法使いになれる年齢だけど!


「では早速・・・ん?」

その箱の中身には人形、取扱説明書の他に謎のスマートフォンが入っていた。


「ん?なんだこれ。取説っと、なになに・・・このラブドールはリアリティ追求を目的としたアンドロイド型ラブドールです。よって、使用する前に同包のスマートフォンを起動し、スマホを天に掲げた状態で『OK!LOVEDOLL!』と仰ってくださいませ。その後ラブドールが起動します。」


「はぇ~ラブドールっていうのはよくわかってなかったがここまで進化してるのか!ってか疑似的なムフフも楽しめるって少子化加速案件だろこれ!」


手が若干震えつつ、スマホの起動する。

その姿はまるで初めてゲームをする少年のようだった。

「では早速『OK!LOVE!DOLL!』」

「OK!LOVE!DOOL!」

自分の声に反響するようにスマホの音声が流れる。

「人格形成インストール中・・・完了・・・各種スキル及び機器モジュールインストール中・・・完了・・・起動します。」

スキル?

よくわからないけどそれってあれ?ムフフなスキルとかそういう意味!?

そんなSとかMとか色々微調整できんの?すげーな日本。色んな意味で未来行ってるわ・・・

そんな煩悩もつかの間。赤毛でキリっとした容姿の裸のラブドールが立ち上がり、俺と目が合った。

それは初恋の一瞬ようであり運命のような一瞬の

「なに見てんのよ!この変態イイイイイイイイ!」

そんな怒声と共に彼女の超高速回し蹴りが放たれる。

まるで格闘漫画に出てくるような蹴りを顎に食らい、当然のように気絶する。

その日の最後に覚えている事は近づく彼女と彼女の美しき観音様だった・・・

-------------------------------------------


「奴隷!奴隷!起きなさい!」

彼女が俺の身体を揺らす。

「うーん眠いィ~今日は土曜だからゴロゴロするのぉ~」

「なに気色の悪い事言ってんの!さっさと起きなさい!じゃない'コレ'潰すわよ・・・?」

彼女の手が俺の大切な息子に彼女手の手が触れた瞬間、俺は漫画のように飛び上がった。

「ぴゃーーー変態ー!誰ー!?なんで俺の服きてんの!?」

「変態はあなたじゃない!服も着せずに起動するなんてどうかしてるわ。」

昨日の出来事を思い出す。

「あー!お前は暴力女!やい!よくも回し蹴りしてくれたな!死んだらどうする!」

「誰が暴力女よ!回し蹴りの事は・・・ちょっとは悪いと思ってるけど。」

「ふーん悪いとは思ってるんだー」

「まぁ、それなりには」

「それならどうするかはわかってるよねー?」

「どうするって・・・?」

「そんなの分かってるだろ!!!お猿さんタイムじゃあああああ!」

「え、ちょやめて!そういうのはまだイヤッ!」

襲い掛かろうとした数分後、彼女に関節技を決められていた。

「痛い痛い痛い痛いギブギブギブ」

「なら私に無理やり襲いかからないって誓える?」

「誓います誓います誓います。だからやめてえええええ」

彼女には絶対に力では勝てないと思った瞬間だった。

「はーまったくとんだ人と組まされたこと。これじゃあ最強ラブドールトーナメントの幸先も不安だわ」

「最強ラブドールトーナメント?」

そんな疑問に返事をするかのように突然スマートフォンから映像が流れた。

「コングラッチュレーション!諸君!昨日の契約行為はどうだったかな?興奮しすぎて眠れなかった?それともあの程度じゃ物足りないかったかなぁ~?」

その映像にはマッドサイエンティストという言葉に似尽かしいほどの外見をしている男性が映っていた。

「では本題だ!君達は幸運にも最強ラブドールトーナメントに選ばれました!ルールは簡単!ラブドールと共に協力して、勝ち上がるだけ!でも負けるとにはこわーいペナルティがあります。」

「また、途中放棄は出来ません!もし指定された試合会場に遅れてきた場合も棄権扱いとなり負けた扱いになるので悪しからず!」

「え?トーナメントの待ち時間何したらいいかわからかったり、仕事や学校で行く暇がないだって~?」

「ご安心ください!あなたたちの会社や学校には話を通してあります。このトーナメントの間は出勤、通学扱いとなります。なぜそんな事が可能だって?なぜならば私達はそれを可能にできる『力』があるからです。もし不安なのであればこのご説明の終了後、会社や学校にご連絡してください。」

「次に次の試合の待ち時間の間、なにをすれば良いのかが不明については選択肢が3つあります。

1つ目は待ちになっているプレイヤーに対してランダムにミッションを与えますのでそのミッションの参加です。このミッションには参加の強制力は無いですがクリアしてくれた方々にはご褒美として試合に有利となるアイテムを進呈します。

2つ目は次の対戦相手以外のプレイヤーとの野良試合です。野良試合は試合の申し込みが必要なく、相手に気づかれないよう奇襲しても構わないのですが、この野良試合の敗北でもトーナメント脱落となりペナルティが発生するのでご注意を。勝利しても他のプレイヤーがシード扱いになるだけですが。この野良試合の特徴としてお互いのプレイヤー達が「引き分けだ」っと発言すればと引き分けに出来ますのでスキルやアイテムのお試しとしてお使いください。

3つ目はラブドール達と戦略を練る事です。各ラブドールにはそれぞれ付与された特殊なスキルを有します。その中には使用条件や使用回数があるのでそのご相談を下さい。また、共通スキルの『合体』については相棒のラブドールがこの説明終了後に説明させて頂きますので。」

「では最後なんですがこれが1番重要なのでよーくよーーーーーく聞いてください。」

「最後にトーナメント、野良試合の『勝利条件』については相手が持っている'繋がり'のアイテムの破壊。または相手のラブドールの戦闘続行不能となります。戦闘続行か否かはこちらで判断します。反則については相手プレイヤーの暴行または殺害。ラブドールの完全な破壊や一般人の危害となります。反則はしないよう頑張ってください。」

「ルール説明は以上だ!ではさらば!」

映像は切れ、彼女と目が合う。

「これって俺も出なきゃダメ?」

「ダメ♡」

その笑顔はまるで悪魔のようだった。

「やだやだやだ。やりたくないー!負けたらペナルティとか絶対デスゲームじゃんこれー!」

布団にしがみつき、彼女に猛抗議する図はなんとも30代になろうとする人の光景ではないように思えた。

「大丈夫よ!反則の項目の中にプレイヤーの暴行または殺害があったんだから負けても死ぬ事はないわよ・・・多分!」

「多分ってなんだよ!俺はたまたま気に入ったラブドールを購入しただけでなんでこんな目にー!」

「もう契約もしたんだから!我儘言わない!」

「契約って?」

「キスの事よ。あなたが昨日気絶してた時に済ませたわ」

「そんなのノーカンだ!キスの味すら分からないままファーストキスを奪われた俺の身にもなってみろ!」

「そんなの私だってノーカンにしたいわよ!あなたみたいなブサイクなんかとキスした事なんて!」

「!?」


ブサイク。その言葉は彼にとっては最大の禁句であった。

当時、小学生だった彼は好きな女子が居た。

平均的な小学生より平均的な肥満だった彼はその事をコンプレックスだと抱えており、その女子に告白するのをやめようかと思ったが勇気を持ってその女子に告白したが

「太っている人はちょっと・・・」

彼はショックを受けた。普通の人ならここで恋を諦めようとしていたが彼は違った。

彼は太っている事が原因なのだと本気でそう思い、毎日運動を欠かさず行った。

そして中学生になり、ムキムキではないが瘦せ身になった彼はもう一度その女子に告白した。

案の定振られた。

次は清潔感や服装が原因らしい。

ニキビがある。眉毛を整えていないや服装が悪いだの言われた彼はまたしてもそれが原因だと本気で信じた。彼は洗顔を欠かさず、眉毛を整え、美容室に通い、服装も研究を重ねた。

しかし、彼女は振り向かない。料理や食事マナーあらゆるダメな所を指摘し俺を振った。その度に改善していった。

そして、約99回の告白が失敗した時の事である。

俺はいつものように図書館で何が悪かったかの作戦会議していた時、窓の近くで彼女と彼女の友達が駄弁っていた。

「ほんとアイツってしつこいよねー」

「ダメだよ~クラスメイトをアイツ呼ばわりなんて~」

「でも杏もさ。あんなにアタックされたらちょっとは思う所とかないの?」

「えー無いよ~だってあの人。『ブサイク』だしーそれ言うのも可哀そうだからそれ以外の所で断ったのにあの人。真面目に受け取って治してくるからマジ受けるよね~」

「うっわーサイテーwww」

「逆に感謝して欲しいよ。私のおかげで『ブサイク』以外は欠点ないようにしてあげたんだしー」

「逆に聖女的な~」

「あと私、藤井君の彼女だし」

藤井とは古典的な不良であり粗暴だったが顔だけは他の人より秀でており、アイドルのスカウトまできているらしい。

「マジ!?玉の輿じゃん!じゃあアイツは。」

「あの人は一生叶わない恋をずーーと追いかけてきたってわけ。まぁいつかは諦めるでしょ、んで自分の身の丈にあった女と付き合うんじゃない?」

「うっわーどんだけ欠点無くしてもあんな顔と付き合いたくねぇわー」

『キャハハハハ』

彼は悪女だった。そして自分はそんな悪女に一目惚れした馬鹿だった。

(なんだよどいつもこいつも『顔』かよ!なに、俺に整形しろっていうわけ!?整形ってな金かかるし整形した後も顔が整形前に戻ろうとするから維持費大変な事しらねぇのかあのゴミ共は!あんなゴミ共は塩酸にでもかけられるか性病まみれになって人生滅茶苦茶になっちまえ!)

こうして彼の初恋は終わり、彼が二次元に現実逃避するきっかけでもあった。


回想終了


「ハハ、ラブドールにまでブサイクって言われちまったら世話ねぇよなぁ。」

「お前は良いよなぁ。そんな顔つきで生まれてきてよぉ!俺だって好きでこんな顔に生まれたくて生まれたわけじゃねぇ!でもさこんな顔でも唯一無二の顔なんだよ!受け入れなきゃいけない顔なんだよ!」


「お前に分かるか?なぁ?お前を手に入れるためにしたくない残業して毎日毎日働いて、無駄な出費をしないために寄り道せず家に帰る日々をよぉ!俺みたいな奴だって少しは報われたっていいよなぁ!なぁ!」

「ごめんなさい・・・軽はずみな発言だったわ。」

「だったらヤらせろよ。俺は性のはけ口の為にお前を買ったんだ!ストレス解消の為に買ったんだ!嫌なら俺の時間と金を返せ!このクソドールが!」

「分かりました。でもそれは今じゃないわ」

「じゃあいつだよ。いつならいいんだよ!」

「このトーナメントに優勝した時。優勝した時が良いわ。」

「そんなの無理な上に仮に優勝してもはぐらかすに決まってる!」

「いえ、それは絶対にありえない。もしはそうなったらそのスマートフォンにある機能停止ボタンを押してもいいわ。」

「へへへ、そんな事教えて貰っていいのかぁ~?俺がお前の足を引っ張るために押してしまうからしらねぇぞ。」

「いえ、それは無いわ。さっきの言動で分かりました。あなたはきっと頑張り屋さんなんでしょ?でも色々あってひねくれてしまった。そんなあなたは絶対に人の足を引っ張る事なんて出来ないと信じてるわ。」

「なんだよ急に、あんなに狂犬みたいな態度だったくせに」

「こんなお互いがまだ知って間もない上に凌辱みたいなプレイよりもお互いが知った上での純愛プレイの方があんたも好きでしょ?」

「いや俺、二次元だと凌辱ものの方が・・・」

「三次元では?」

「いやまぁ自分でやるなら純愛の方が良いけど」

「じゃあ決まり!あんたと私でこのトーナメントで勝ち上がる!いいわね!」

「お前はなんでそんなにトーナメントにこだわるんだよ!」

「私にはいえ、私達ラブドールにはこのトーナメントに勝ち上がる使命があるの、その為に生まれた。しかも」

「しかも?」

「このトーナメントに優勝したらなんと運命の王子様と結ばれるのよ!お父様が仰ってたんですもの間違いないわ!」

「お父様ってさっきの奴の事か?ってか運命の王子様~?それって俺じゃなくて?」

「あんたかもしれないし他の奴かもしれないわ。」

「なんだよそれ~滅茶苦茶頑張ってもNTR要素があるとか。リアル脳破壊はきついって!」

「NTR?良く分からないけどあんたが頑張ればいいだけでしょ!」

「頑張ってよね!カエルの王子様!」

彼女は無垢な笑顔を放つ。

その笑顔はまるで嫌な初恋をかき消すかのようだった。

「はいはい、わかった。トーナメントに参加してやる。ただし3つ条件がある。」

「条件って?言ってみなさいよ」

「1つ目は殴らない事。関節技と顎痛かったんだぜー最悪あれで死んでたかもしれなかったし」

「うー!もとはといえばあんたが悪いのよ!」

「ウウオレイタイ、オレカワイソウ。コワクテモウタタカエナイ」

「わかったわよ!極力は無いようにはするわ。」

「それかこうやってツンツンぐらいならいいぞ」

彼女の顔に人差し指でツンツンする。

「わ、わかったから!やめなさい」

彼女は少し嫌がりながらも本気では嫌がってない様子だ。

なんか小動物っぽくていいな・・・


「で、次は何?」

「2つ目に俺の事は名前かもしくはご主人様って呼ぶこと」

「ご主人様~?奴隷の方が色んな意味で似合ってるわ」

「まぁ奴隷奴隷言われて、俺のトーナメントに対するモチベーションが下がっても良いんだったら奴隷でも良いけどさ」

「まぁ検討するわ。で、あんたの名前は?」

遠賀才次とうがさいじだ。そういやお前にも名前はあるのか?確か商品名はラブドール-GBT-072だったが」

「それはコードネームよ、お父様から貰った名前はマリア・ソワーズ・ラブドールよ、マリアでいいわ。」

「よろしく、マリア」

「ええこちらこそ、ご主人様」

「お、いきなりご主人様か。ちょっとは俺の事認めてくれた?」

「単純に名前で呼ぶほどの仲じゃないだけですよ。馬鹿ご主人様」

なんともツンツンした態度だ。

「で、3つ目の交換条件は?」

「ああ、それはな」

彼女の乙女の果実を揉みしだく

「うーん、なるほどここは本物に近いなぁ。BまたはCぐらいか?中々揉みごたえがある。(モミモミ)」

「・・・ふーん、そんな事するんだ。」

彼女の殺気を感じる。

ま・・・まずい弁明せねば・・!

「いやーこれが最後の交換条件なんだ!ってかこれぐらいはいいだろ!?俺はラブドールを買ったわけで・・・いや暴力はダメだぞ!交換条件に違反したら俺は参加しないからな!というか、な?今日ぐらいちょっとは美味しい思いしても・・」

「いいわ、ご主人様。お礼に私からもツンツンしてあげるわ。大丈夫よ、ゆっくりツンツンしてあげるわ」

彼女は顔のあちこちをツンツンし始める。

なんともこそばゆい。

「あーなんかこそばゆいが良い気持ちだなぁ・・・あれ?」

突然、身体の全身が硬直しはじめた。

「マ、マリアさーん?なんか身体動かないんですけどー?」

「それはそうよ。身体を硬直する秘孔を着いたんだから。」

「解いてくれたらご主人様、ありがたいんどなー?」

「乙女の秘密の花園をまさぐった罰よ。反省なさい、馬鹿ご主人様」

「そ、そんな・・・許して、もう2度としないから・・・・な!」

「ダーメ♡」

「そ、そんなー!」


こうして俺とラブドールの彼女の戦いが始まったのであった・・・


「マ、マリアさーん?もう4時間ぐらい経ってると思うんですけどー。あと何か身体の節々が痛いんですけど・・・・」

「えい(ツンツン)」

「ぎゃあああああああああああああああああ」

「フフ、面白い」


・・・訂正しよう。

こうして俺と小悪魔なラブドールの彼女の戦いが始まったのであった・・・



 ども、空ノ助勘太郎です。貴重な時間を割いて頂いた上でご愛読して頂きまして、誠にありがとうございます。完結まで面白いお話の作成に努めていきたいと考えております。何卒応援の程よろしくお願い致します。

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