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恋するチアガール女子は、ポンポンではなく裾と未来を掴む! ~あなたのお嫁さんに肩書を変えたい!~

作者: 栗野庫舞

常識的には、断らなければならない。

 あなたは二人っきりの教室内で、チアガール衣装の女子を見ていた。


 彼女のチアガール衣装は、上下一体となったワンピース・タイプだ。袖はなく、上部の色は白、ミニスカート部分は黒になっている。胸部には太い黒字でANSUKO(アンスコ)と書かれていた。


「良いものを見せてあげますね」


 チアガールは好ましい笑顔で言う。


 彼女は応援スタイルの衣装を着ているにもかかわらず、応援で振るためのポンポンを持っていない。本来はポンポンを持つはずの両手で、黒いミニスカート部分をたくし上げ始めた。


 上はおへそから、下は太もものつけ根まで、白いアンダースコートがすっぽりと覆っていた。アンダースコートの下のほうでは、幾重(いくえ)もの繊細なレースがほのかな気品を与えている。


「こちらに近寄って下さい」


 彼女の指示にあなたが従わなかったら、彼女のほうから寄って来た。距離がとても近い。


 あなたは彼女のことが嫌いではなく、むしろ逆だった。あなたの鼓動はどうしても強くなる。それでも表面上は、平常心を(たも)つ。


(かが)んでくれませんか?」


 彼女の指示に、またもあなたが拒否すると、


「じゃあいいですよ……」


 彼女は不満げに述べ、持ち上げていたスカート部分から、片方の手だけを(はな)す。その()いた手で、あなたに(さら)し続けている側のアンスコを引っ張った。アンスコ側面(そくめん)の裏地が、強調される。


「じっくりと、ご覧下さいね」


 彼女は妙に色っぽい声を出していた。


 あなたは彼女の誘惑に負け、つい該当部分に目をやってしまった。


 アンスコの裏地には、()い合わせに沿()って、細かい情報の書かれた白いタグがついている。また、アンスコ上部が外側へ引っ張られることによって、彼女の下に穿()いている白いショーツの一部分も見えてしまっていた。


「どうです?」


 感想を求める女子に対し、あなたは何も答えない。


「ふーん。まだそんな薄情(はくじょう)な態度を(つらぬ)くのですね……。でも、今のあなたの心の中は、私でいっぱいになっていることでしょう」


 彼女は自分に言い聞かせるように(つぶや)いてから、アンスコやスカート部分から手を引いた。


 情欲(じょうよく)的なことをしていなければ、彼女はかわいくて、純情そうに見えるチアガールだ。ただ、通常装備のポンポンはどこにもないけれど。


「今日は私のチアガール姿だけでなく、普段はまずお目にかかれない、アンスコの内側にあるタグ、それに私の生パンツまで見られたのですよ? ですから、あなたは大変嬉しくて、お得な思いをしたのです。当然、私の赤点は見逃してくれますよね? 先生(せんっせい)?」


 男性教師のあなたは、生徒の無茶な要求を()まなかった。首を横に振る。


「えーッ! 先生のためにあそこまでしてあげたのにぃ~っ!」


 女子は悔しそうな顔で(わめ)いていた。


「でもいいです。赤点が原因で留年しても、生徒として、先生と一緒にいられる時間が一年も増えるんですもんね。……いや、むしろ(いさぎよ)く退学して、肩書(かたがき)を学生から『あなたのお嫁さん』に変えたほうがいいですかね? ふふっ」


 ウインクした彼女に対し、あなたは教師として導かなければならない。


「――結婚しよう。だが、ちゃんとお前が卒業してからだ。赤点には救済措置がある。自力で頑張って留年を回避しろ」


 独身教師のあなたがそう力説すると、


「はいっ! 先生!」


 顔を赤くして、あなたの未来の奥さん候補は元気良く返事をした。


                    (終わり)

アンスコ(えが)きたい! そんな理由だけで、残りのストーリーを考えました。


最後まで読んで下さり、ありがとうございます。このような内容の作品はたくさんありますので、良かったら他作品もどうぞお読み下さい。

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