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夏休み・前半はラヴバケーション

夏休みは7月20日から9月10日まで。

なので食堂のスペシャルランチが7月、8月は食べられないとお嘆きの貴兄に朗報。

ちゃんと食べられるのである!

遥か遠くの異国から進学している生徒は、卒業まで一度も帰国せずに寮に居る。

そんな彼らのために、食堂は開いている。まあ、帰省する生徒が大半なので、予約制となっている。

もちろん、スペシャルランチも予約で食べられるのだ!

帰省した生徒で、わざわざスペシャルランチ目当てで寮に戻る者もいる。

その中に元男子高校生達もいた。

婚約令嬢を誘いたかったが、恋人と食堂のランチってどうよ?と思わんでもないので、彼女達とは王都の小洒落た店に連れて行く事にした。


7月のスペシャルランチは、魔法で流れる流水そうめんと天ぷら。ジェットコースターの様なギミックのレーンをそうめんがする〜んと流れている。無駄に魔法技術を駆使しているのが凄い。


「夏はやっぱそうめんだよなぁ」

「でもこの国、中世ヨーロッパ風じゃん。そうめんって和風というか日本風だよなぁ」

「たぶん俺らみたいに転移か転生したやつがいたんだよ」

「先人のアイデアに乾杯や〜〜」


デザートは葛切り。本当に和風だ。ちょっとだけ元の世界を懐かしんで、しんみり・・

でも持続しない。もう帰る事は出来ないのだから。気持ちを切り替える。


「8月にみんなで海行く約束だったよな」

「アレは連れて行かねえ」

「「「当然だ!!」」」


9/  アレと夏休みに海に行く 8月 ・・なのだが、婚約令嬢と行くから!!


「そうだったな。で、どうなんだ?アルフレアんとこのプライベートビーチ」

「よござんすよ。父上に使用許可を得た。いらっしゃ〜い〜(三枝師匠風)」

「やったぁ!普通の海水浴場とかでは、アレが割り込んできそうだもんな」


4人もうんうんと頷く。アレの乱入で、嫁との時間を邪魔されたくない。


「海といえば釣りだな。カジキ釣りだな」

「あ?ワッツ!なんでだよ!そこは水着だろ?・・ああ。サイファのすらっとしたスレンダーな肢体にぴったりの、体の線が丸わかりの・・貴様らの嫁(水着姿!)、見たくないのか!!」

「んぶふぅ!ナタリィの、み、水・・着・・(ハンケチでゴシゴシ)」

「あはは。お前の嫁、胸に尻があるもんな」


とリーンブルグが茶化せば、アルフレアはジロッと睨む。


「なんですと?!ナタリィの極上豊満のむっちりオッパイになんて言い草!貴様の嫁はするーんとしててサーフィンの板になれそうですな」

「っだとぉ?オイコラァ、外出ろ。『落雷』で脳天に大穴空けてやる。あの華奢で繊細なフラーウの良さがわからんとは。まあ、そんな良さは俺だけが知っていれば良いけどな」

「あーあー、そうそう。お互いの嫁の良さは自分がわかっていれば良いんだ。モーリンと船で沖に出て、のんびり寛ぐのも良いなぁ・・で、俺は釣りをすると」

「俺はサーフィンをするかな。板はリーンブルグの嫁・・ははは、冗談だ」


オニールも茶化すので、リーンブルグの手に火光が浮かぶ。


「赦さん・・・フラーウを足で踏むと言いたいんだな?オニール・・・お前は『火爆』で芯から焼いてやる」




4人は腹拵えを済ませて学園を出ると、そのままギルドに向かう。本日はギルドで何か目星い依頼を見繕ってこなす予定だ。

ギルド告知版に貼られている依頼票を、あれやこれやと言いながら依頼を選んで。


「どうするぅ〜?4人いればアミラージ(一角兎)をぽちぽち潰せるんじゃない〜?」

「今から潰しておかないと、収穫期に作物をやられるもんなぁ」

「去年隣の国でアミラージが大量発生して小麦や根菜が大打撃だったって言ってたもんなぁ」

「じゃ、アミラージ潰しでいいか?」

「「「「おっけぇ〜〜」」」」


カウンターの受付お兄さんに依頼票を渡し、任務を受けると現地へGO!

アミラージはなかなかに頭が良く、簡単な罠では引っかかってくれない。狩の方法は、二人一組で追い詰めて叩く。

見た目は可愛いが、ツノが厄介、毒も持っているので意外に手こずる。

それでも20羽ほど殺し、任務完了。ギルドに引き取ってもらい、報酬を受け取るとそれぞれの実家へと帰って行く。


「来週は海だな!楽しみにしてるからなー!」

「ははは、王家の別荘&プライベートビーチへお越しくださいまし〜。お前ら待ってるぞー」

「「「おーーー!」」」


愛しの婚約令嬢達と共に、約束したリゾートバケーション。




あっという間に時間が過ぎて8月、王家の別荘でアルフレアの海の家・・家というが大きな屋敷だ。

そこに仲間とそれぞれのお相手が来訪。


「やあ、疲れただろう?リビングで寛いでくれたまえ」


アルフレアの隣にはナタリィ嬢、彼女はアルフレアと先に来ていてメイド達と一緒にアイスティーを友人達に給仕。『私も手伝いますわ』と、婚約令嬢達もそれに混じり、お相手の飲み物を渡して・・なんとも和やか。


ランチを頂いた後は、砂浜へ。嫁の水着姿を堪能・・波際で水遊び、砂で山を作っているうちに、何故か寝そべらされて砂山に埋められる。4つの大きな砂山の傍には、可愛い嫁がさらに砂を盛る。この悪戯さん達め・・

いっせーの、せ!で4人は砂山から飛び出し、お相手にぎゅうぎゅう抱きついて『お返しだ〜、砂つけてやるぞ〜』『きゃ〜』とお嬢様達が可愛く驚きの声、でもちっとも嫌がっていない。


その後、日差しが優しくなった昼下がりのシーサイドを各カップルがお散歩・・・まさにバカンス!


王族に高位貴族がいるのだ、勿論護衛もぞろぞろとくっついている。

ちなみにアルフレアは騎士二人、ナタリィ嬢も侍女二人。

アルフレアとナタリィ嬢と波で戯れ、雑誌の広告ばりの『ははは、待て〜』『捕まえてごらんなさ〜い』をやらかしている。でも絵になる。さすが王子殿下とその妃候補だ。

なんとなく護衛騎士と侍女も、なんだか良いムードになりつつあったりする。


リーンブルグとフラーウ嬢だが・・

波間に浮かぶフラーウ嬢の傍に、彼はぴったり張り付いている。彼女が泳げないので、リーンブルグがつきっきりで教えているのだ。で、体を密着したり、抱き寄せたりと。もうデレデレである。

こちらもリーンブルグには従者、フラウ嬢にはメイドが付き添いでついて来た。

こっちもなんだか良い雰囲気である。


ワッツは前に言った通り、船で沖に出てカジキ釣りだ。日陰でモーリン嬢は本を読んだり、ワッツを見つめていたりとそれ相応に楽しんでいる。今はお茶の用意をしている。

で。こっちの付き添い&警護だが、ワッツは年上の従姉妹が付いて来た。この世界では行かず後家扱いの24歳だ。退屈だから連れて行けと言われ、仕方無しに連れて来た。モーリンには兄が付いて来た。彼も男でも結婚していないと変な目で見られる29歳だ。なんというか・・お互い婚約者無しというわけで・・二人で楽しそうに話をしている。


出来る子オニールは、サーフィンをサイファと楽しんでいた。

オニールには女騎士が護衛について来た。辺境伯の保有する騎士団でも上位に食い込む実力の、女豪傑だ。対するサイファは、これまた屈強と言われる近衛騎士を連れて来た。彼は父の側近でもある。

護衛ではあるがリゾート地、しかも海だから軽装だ。

そしてこの二人も周りの流れに乗った!!背が高くてがっしりして、思った以上に美男な騎士にドキドキしてしまう女騎士、そして意外と女性らしい体形、そしてクリっとした瞳と綺麗な長い髪を見て、近衛騎士も顔が赤くなって来た。


「上手くいったな」

「うん!お父様が彼に、良い嫁を見つけてやりたいって言ってたもの。良い人なんだけど、出会いは少ないわ、結構奥手だわで」

「ウチのは女だてらに強い騎士だけど、上手く行くかなぁ」

「大丈夫!第3騎士団の副団長だから!強いよぉ〜?2メートル近い身長だし」

「うちのも180あるぞ。でも意外と料理が得意なんだってさ」

「まずは胃からですかー。こりゃすぐに陥落ね!食いしん坊で大食漢だもん」


と、仲人をやってたりする。出来る子と出来る嫁である。



結果から言うと、2年以内に全員結婚した、とだけ報告しておく。




自分達の幸せをお裾分け!

楽しいバカンスが終わって・・・楽しすぎて・・・これからの・・イベントが・・4人は心底嫌そうにため息だ。


「「「「苦痛だ・・・」」」」


そう。もうすぐ例の・・・

10/  アレのギルド依頼に付き合う 8月、これだ!




続く>>


修正加筆バリバリ

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― 新着の感想 ―
[気になる点] まだ読んでる途中ですが気になりまして。 サイファの護衛が近衛騎士。本来近衛騎士は王族を守る専門騎士ではないでしょうか?
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