表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/28

『2』始まる!

聞きなさい


再び厄災がこの世界に訪れます


備えるのです


世界を守る備えを


そして戦うのです





「「「「うえええ?!」」」」



前世では男子高校生、現世では王子&高位貴族・・

4人は同じ夢?啓示?

夢を見て思わず飛び起きたのだった・・・


「「「「なんじゃこれーー?!!」」」」



卒業式から3ヶ月。今は初夏。


アルフレアは王太子として忙しくしていた。

リーンブルグは魔法学校に入学。

ワッツは実家の商売を引き継いだ。

オニールは王城に騎士として勤務。



アルフレアの招集に、友人たちも王城に赴いた。


「ちょっとぉ男子ぃ〜〜!!あんた達も見たぁ〜〜?」


アルフレアはぐるりと友人たちを見渡した。


「見たで」


とリーンブルグ。


「なんやあれー」


ワッツはブスッとした顔で吐き捨てるように呟く。


「女神だったな」


彼らが転生する時に『ちら』と声を聞いた・・その声にそっくりだったとオニールは言う。


「さすがオニールんやな!!」

「俺すっかり忘れてたわー」

「女神どういうこっちゃ?」

「そらもーな。あれだ」


オニールは分かってるでと言う顔でニヤリとした。


「「「なになになにぃ〜?教えてオニールーん!!!」」」


友人たちは目をキラキラさせてオニールの傍に寄る。


「あれ、またドラゴンとか倒せって事じゃね?俺たち4人で倒したからまたやれって。ドラゴンじゃ無いかもしれないけどな」


4人はキュピ〜〜ン!それだ!!そう思いました!!


「うわー、便利に使われちゃうん?私、王太子やど?どういうこっちゃねーん!」

「俺も学校あるんだけどねぇ・・ローズガーデンよりもみっちり授業あるんだよなぁ」

「おれも。今度隣国に商売に行くんだよ・・今回は宝石を取引するんだ」

「オレは王城にいるけど勤務中だもんなぁ。一番新米だから、休みは申請しづらい」


4人はお互いの顔を見てーー

はあああああ〜〜〜・・と大きな溜息を吐いた。


「多分」


またオニールがぼそっと呟く。


「これさぁ・・2、だよな」

「「「2ぃ〜〜?」」」

「ローズガーデンゲートの続編だよ」

「「「えーーーーー!!!」」」


そりゃ驚くわ。

4人はローズガーデンゲートを購入して3日しかプレイしていない。

それが『2』?


「でもそれなら新たな厄災の辻褄も合うかぁ・・『2』のことなんかしらねーぞぉ?」


アルフレアが困惑顔だ。皆も・・だがオニールはチッチッ、と指をワイパーのように振る。この世界にはワイパーは無いが。何かを思いついたらしい。


「元聖女さんがいるじゃん。あの子に聞くといいんじゃ?」

「「「それや!!やっぱお前がヒーローやぁ!!」」



と言う流れで、隣国へ商売に行くワッツが通過途中にある勇者の領地に寄り、元聖女に会うことにしたのだった。

行く前に先触れを送り、『2』の話を聞く事にしたわけだ。




元聖女『アレ』に転生した不幸の少女は、ここでは『ダイヤ』と言う名で暮らしていた。

前世の苗字が『大矢だいや』だったからだそうだ・・


「ダイヤ、どうだ?今の暮らしは」

「近所の人も親切で、まあまあいい感じに暮らしています。ほんと、感謝してます」


あのままだったら牢屋に連れ戻され、今頃は処刑されてだろう。

ゲーム終了してから転生って酷えよな・・ワッツも同情を禁じ得ない。


「で、『2』ですよね・・あたし、死んだのが・・『2』を買いに店に行って、店が火事になって・・だから手にもしてないんです」

「ひえ・・御愁傷様だったな。『2』の内容は少しでも知らないか?」


ダイヤはう〜〜んと腕を組んで考えるポーズ・・


「たしか・・雑誌で書かれてたのはぁ・・『前作よりもアクション重視!今度は学園を飛び出し、国を跨いで大活躍!冒険者となって仲間を集め、厄災に立ち向かえ!そして素敵な恋も成就!欲張りRPG!』って感じだったんです」

「へえ。学園ものじゃなかったんだ」

「はい。だから楽しみだったのに・・死んじゃって・・・しかも、ヒロインなのに、ゲーム終了転生!さらに極悪人で、処刑間近!!あたしが何をしたって言うのよぉ〜〜〜うえええ・・・」


ぐすぐす泣き出したが、彼だってそんな事態になれば泣く。

その後も彼女の情報を聞く・・




ワッツは宿屋に戻り、国で待つ友人たちにゲーム情報を報告書にして送るのだった・・超特急便で!!


『2』の内容は・・


ヒロインの名前は『アデレード』、あだ名は『アド』、ボーイッシュだけど髪はペパーミントカラーでロング。

でもおしゃれ?なのか、ちょくちょく髪を魔法で染め変えているからペパーミントカラーとは限らないそうだ。変装をしてクエストを受ける事もあるとか。なかなかアクティヴなヒロインだ。

前回は『男の子も女の子も楽しめる』とか謳っていたが、今回はゲーム性を重視したようだ。

なので、男の主人公枠が無くなっている。このヒロインのお相手枠は5人+α人。でも隠しキャラ情報を知る前にダイヤは死んだので詳しくは不明。

でも5人の名前と概要は記憶していた。

『2』のヒロインのお相手候補は次の彼らだ。


マースエル 18歳 冒険者Cランク 赤毛で青目 177センチ 気性が荒いが面倒見が良い

エドレス 19歳 冒険者Bランク 黒毛で黒目 180センチ 魔法使いで物静か

フィールド 17歳 冒険者初心者 金髪で赤目 169センチ 器用ですばしっこい 甘えん坊

ボゥ・エレ 20歳 ギルドの職員&指導員 茶髪で金目 188センチ 沈着冷静 新米冒険者を指導する

カーレヌ 20代前半? 謎の人 銀髪で碧眼 195センチ いつもニヤニヤ笑っている


隠しキャラは人数も不明・・


ゲームスタートは、この勇者の領地の都『アウン』だそうだ。

どういうわけか、ダイヤはこの街にいる。

なにか繋がりがあるのか?

いやいや、なにもない、はずだ。

あのまま王都にいたら、牢屋に逆戻りで処刑だったから何処かへ隠れるべきだと。

丁度話をしていた勇者を思い出して、その領地に行くといいと提案した。

この間見た夢は、元聖女を見送ってから3ヶ月も経っている。繋がりは・・無いはずだ。


「まあ!考えたり閃いたりするのはオニールんの仕事という事で!」


翌日隣国へと向かうワッツだった。



さて、報告書を受け取った友人たちは会議室・・・以前は学生だったので、図書館2階の一室を使用していたが、リーンブルグの家をこれからは使用する事になる。王城からも近いからだ。


「読んだ?」

「うん」

「へー。『2』はシステム変えたんだ」

「あのゲームシステム、不評だったんだろな。男の子も女の子も楽しめる、ってのが」

「きっと『悪役令嬢エンド』が無かったのを文句言った奴がいたと思うぞ」


無駄口を言いつつ再度報告書を読み・・・


「さて、まずはこの男キャラを発見する事とする。多分彼らのそばに、ヒロインはいるはずだからな」

「おお!アルフレア冴えてるぅ〜」

「もうすぐ夏休みだろ?リーンブルグは現地に行ってもらう」

「あーはいはいそうなると思ってた」

「オニールんは・・私の護衛として、一緒に来てもらう。元々勇者の領地には行く予定があったからな」

「了解〜。じゃあ現地で」



こうして3人は8月に勇者の領地へ、ワッツも商用を済ませて8月に合流する。

できれば8月の間に解決したい。

短い間ながらも『2』の世界へ・・


4人は世界を救えるだろうか?



続く>>








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ