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11月と12月・足早に時は過ぎ

11月は2つのイベントが起こる。


16/  虐められた子を慰め、好感度が上がる(3)

17/  ギルド依頼で行った先で謎の遺跡を発見

だが、嫁が虐めた子が誰なのかが分からない。嫁とのエンドを目指した前世で、このイベントはすっ飛ばしていたからだ。


「まあ・・・先月の13の様なことが起こらなければ良いですな」

「あれは本当・・心に効いたからな。御免蒙る」

「何はともあれ、用心する事だな」

「17は土日のギルド依頼を積極的に受けて行こう。そのうちどっかで出るだろう」

「それしか無いですな。でも遺跡なんぞありましたかな?」

「うーーん・・・聞いたことがないな」

「俺の家系は建国当時からここに住んでいるが、遺跡なんて話は聞かないなぁ」

「アルフレアとワッツが聞いた事が無いなら、俺達がわかる訳はないな」


ワッツの家系は王族と共に500年前からここに住んでいる。王子も知らないのでは見当がつかない。


「そうだ、我が家の(王家の)蔵書室で調べてみませんかな?」

「あ、それは良いな。今日は金曜だから、お前んち(王城)に泊まり込みで」

「よし、お菓子を持ち込んで」

「前世ではよくやったよな〜。女子で言うところのパジャマパーティーだっけか」


コーラにポテチ、漫画にゲーム。

4人で喋って、ゲームして、漫画を回し読みして、お菓子を食べて・・


「炬燵が欲しいよな」

「じゃ、ローテーブルに布団を掛けて、即席の炬燵を用意しますぞ」

「おおっ!」

「ポテチは無理だがフライドポテトを用意しますぞ〜?」

「マックみたいに長〜〜くてふにゃふにゃがいいなぁ」

「えー、おれはケンタみたいなのがいいなぁ」

「はいはい、両方用意ね」

「「「ひゃっふ〜〜〜!!」」



4人は授業を終えると城に籠り、それはもう、前世の自分達を堪能しました!

コーラはないけど炭酸水はあるので、ジュースと割って「『ファ●タ』だー!」と大騒ぎ。

もちろん遺跡の事を調べるのも、忘れていません。当然です!



調べてみると、この大陸には大昔の遺跡がいくつもあったのだが、城や街を作る時に壊してしまったそうだ。

もしかしたら地下・・ダンジョンには遺跡があるのでは。

いくつかのダンジョンには、建造物に使われていたと思われる石材で出来た洞窟もあった。


「そういえばボロブドのダンジョンの壁や床は、石材っぽかったですな」

「ではまずそこの依頼を受けてみよう」

「難易度が高かったと思うが、大丈夫か?」

「アレのポーションを試すのにも良いな」

「では来週の土日は、ボロブドに潜ろう」

「賛成!!!」





さて学園に戻り、来る土日までは普通に学生生活・・・


移動教室に向かう途中、廊下に数人の女子が固まって何か騒いでいる。その中に先日の魅了被害に遭った女子がいた。


「ちょっと!私のシュウによくも魅了をかけてくれたわね!!」

「本当、庶民って浅ましい!」

「シュウは私の婚約者なのよ!あなたなんか早く学園を辞めてしまいなさい!」

「あなた、まだ彼女に謝っていないそうね?礼儀知らずにも程があるんじゃ無いの?」


女生徒数人の諍いの場に4人はピ〜ンときた。アレだな。


「だ、だってぇ〜、そんなつもりはぁ〜」


この口調・・・ああ、うん。やっぱり。

そりゃあもう、大急ぎで足を進めましたとも!でも見つかってしまった!


「あ!アル()様ぁ、リーン様ぁ、ワッツ様ぁ、オニールん様ぁ!助けてくださぁい〜〜!」


((((!!!!!))))

4人はこの呼び方に苛立った。特にアルフレア。愛おしい嫁以外に呼ばせていない呼び方を、許してもいないのに使われたのだがら怒りは頂点だ。


「おい、貴様。精々しっかり叱られて反省しろ。御令嬢方、よろしく教育を頼むよ」

「はいっ!王子殿下!・・王子殿下の許可を得たわよ・・覚悟しなさい!!」

「きゃあーー」


そして大急ぎで去ったのだった。多分、本来婚約令嬢があの魅了被害の女生徒の役だったのだろう。

はい!16、終了終了!!


「あのくそ野郎・・これからは嫁には『フレア』と呼ばせようか・・」

「いやいや、そう呼び方コロコロ変えるのはどうか」

「そうそう、アレは無視という事で」

「うんうん、関わらない関わらない」



毎週末はギルド依頼、ボロブドのダンジョンのを集中して受け、剣と魔法、体力と魔力をバリバリ鍛える。そろそろ力をつけておかないと、スカルドラゴンで詰む。ゲームではなんとかクリアしてきたが、今は生身。ちょっと切っただけでも血は出るし痛い。力も入らなくなる。ノーモア怪我。




今月は何度もダンジョンに挑み、遂に第4週の日曜に遺跡を発見!


「思ったより後で出ましたな」

「遺跡の石盤を読み取るんだったよな」

「えーと・・確か灯籠っぽい所に、くっついてたんだよな」

「これだこれ!・・・なになに・・」

「創世ザーフェス語か・・面倒だな。書き写すしかない」

「昔の言語だな・・辞書がいるな」

「ほら、明るくしたぞ」


すると今迄闇だった場所が照らされた事で、隠れていた魔物達が現れた。

 

「げげげ!!魔物が潜んでいる!!」

「言語をちょっとかじっている私が写しますので、御三方が排除するのですぞ!」

「分かった!早めに写せ!」

「爆破で揺らすのは厳禁だ!灯籠が壊れるからな!剣で斬れ!」

「大丈夫!氷で固めて動けなくすればいい!」



魔物達を倒し、文字も書き写し終えてダンジョンを出ると、既に日が暮れていた。

言語の解析は、翌日に持ち越しにして4人は寮に帰る。これで17も完了だ。

11月スチル『ギルドの依頼』も、アレとは一度も会わなかったので無し。



お待ち兼ね、11月のスペシャルランチも仲良く頂きました!

北京ダックならぬ、ザーフェスオーク!オークを甘辛な飴でジューシーに焼き上げた逸品!

で、食べるのは飴状になった、ちょっとパリッとした食感の皮部分だけ!

それを薄い餃子風の皮を、炙ったものに巻いて食す!旨し!!

嫁達は彼らの為に巻き巻きして、「アーン」で食べさせています!

デザートは濃厚杏仁豆腐。またも「アーン」で食べさせています!!

この濃厚杏仁バリの濃厚で甘いイチャイチャに、食堂の生徒達は当てられています!

軒並み恋人達や婚約者同士もイチャイチャしだし、フリーの皆さんは魂が抜けた表情です。


「彼氏(彼女)欲しい・・・」


フリーな皆さんはつい溢していました・・・



そんなフリーな皆様に、朗報!!

12月ですよ!!


この世界にもクリスマス的なイベントがある。

聖女信仰は『聖女ルーン』を信仰し、女神信仰は『女神マナ』を信仰している。

この二つの信者が手を取り合って魔族を倒したのが、1000年位前の12月25日。

この日は『親愛の日』と言われていて、踊りを神に捧げるのが元なのだが、いつの間にやら『この日に恋人達が踊ると一生添い遂げる』・・な日になってしまっている。まあ祭りにありがちだが。


恋人欲しい熱は、王子達の所為でMAX状態。

例年にも増してお相手探しが加熱していたりする。


諸悪の根源(語弊)な4人は、いつもの会議室に集まっていた。


18/  魔法を暴走した女子を助ける(新たなハーレムメンバー出現)

19/  アレに新たな力が(光属性)

20/  クリスマス的、いや・・『親愛の日』イベ

今月のイベントは3つ。


「18、新たな攻略対象・・すっ飛ばしていましたなぁ〜」

「いらんいらんいらん」

「増やしたくなかったから、全力ですっ飛ばしてた」

「いざとなったら会うだけ会うか・・・好感度は低く抑える事」

「やっぱり会わないといけないですかな?」

「新キャラよりも19の方がヤバイ。アレが聖女でぇ〜すぅ、って来るからな」

「・・どっちも飛ばせないのか?」

「飛ばせるよ。でも、アレが聖女信仰の信者を味方にする。で、アレとのエンドに行くしかなくなる」

「そうだった!!忘れてた!!固定ルート確定だったわ!!やばいやばい」

「確か・・・新キャラは『女神信仰』だったよな?」

「え?そうだったっけ?すっ飛ばしてたから知らないが」


そして出来る子オニールが立ち上がった。


「そうだったか!じゃ、アレとこの子、二人を敵対させる・・ってのはどうだ?」

「きゃあーーー!!何この恐ろしい子・・・」

「いいね、それ。それで共倒れ、か」

「二人を排除か出来るね。それ採用!!」


4人の笑顔は真っ黒だった・・・けれども・・


「それはそうと、攻略対象はなんて子なんだ?」

「えーーー・・・なんて名前だっけ?」

「うわ。忘れた!」

「作戦出来ないぞ?何かヒント思い出せ!!」

「いやはや、参りましたな・・」

「そのうち思い出すかな?」

「うん、向こうから接触してくるだろう、多分」

「・・・してきたか?こっちから行かなくちゃいけなかった、ような?」




先に付け加えれば・・・結局1月になっても、4人は名前を思い出せなかった。



そうこうするうちに、アレが光属性の魔法を開花させてしまった。19はどうしても起こる。

アレはひとりで勉学に励む、というかさせられていたというか・・何にしろ力を手に入れたのだ。

ゲームではもう、もてはやされてチヤホヤ状態だったが、現実はそうでもなかった。


「はぁ?あの平民のことか?それがどうした」

「あ、そうなの?」

「精々神殿で頑張って」

「そんな事より魅了を何とかしろよ」


と、学生達は冷めている。いや、どうでも良いらしい。

聖女信仰をしている者は、更に嫌悪している様だ。


「お前みたいな聖女がいてたまるか」

「男に見境無く魅了をするなんて、聖女に相応しく無い」


辛辣だが仕方が無い。本当のことだもん。




アレは勝手に自滅している様なので、王子達は自ら関わるのは止め、嫁達と『親愛の日』を楽しみました!

フリーの皆様も頑張ってアプローチをして、ダンスを楽しんだり、まだフリーな人も楽しめる様にゲームやブッフェなどでわちゃわちゃ、みんな丸ごとエンジョイ!


「アルフ様、目が回ってしまいますぅ!」

「ははは!しっかり捕まっていたまえ!まだ回るぞー!」

「きゃあー」


アルフレアはダンスでナタリィ嬢を掻き抱いてくるくる〜〜とターンを連続!他の三組も楽しげにダンスに興じている。

ダンスの後はプレゼント交換。

ちょっと驚いたのが、リーンブルグは友人達、婚約令嬢達に魔力を添付したチャームを渡した。『悪霊退散』だとか。これはありがたいと、友人達は大喜びだ。

この世界に転生し、ゲームに準えて進める日々。でもこれは現実だ。

未来のために、頑張る。4人は婚約令嬢と手を繋ぎ、女神と聖女のミサに参加するために神殿へ歩く。



この光景を、高い建物の窓からひとり見つめる・・・影。

いや、影ではない。身体を黒い闇が覆っているのだ。

光属性の力を手に入れたはずの、アレなのに?




続く>>


ぽちぽち追加修正 次回は6/9 16時予定

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