夏休み・後半はアレと依頼
本日は寮のリーンブルグの部屋で会議。議長もリーンブルグだ。
「どうだろう。現に俺たちは『9』も無視した。嫁とは絶賛ラブラブ中だしな」
「楽しかったもんなー!アレを連れて行く必要性があるか?」
9/ アレと夏休みに海に行く 8月 というイベントは、先日完了。アレを無視し、嫁とバケーション。
「そういえば・・・好感度画面、ちっとも見ていなかったな。そいっ」
ピロリン
各自目の前に、自分のステータス画面が現れた。左から右にスライドすると、次画面が現れる・・前に文句垂れまくりの『好感度画面』だ。ケバケバしいハート模様が目に痛い。
この前見た時より増えている。友人達の婚約者も欄に載っていた。
アルフレアの好感度一覧を見ると、
ナタリィ『婚約者・嫁候補』好感度100%(恋人)
フラーウ『友人の嫁』好感度50%(友人)
モーリン『友人の嫁』好感度50%(友人)
サイファ『友人の嫁』好感度50%(友人)
と表示されている。他の面々も、婚約者は100%であとは友人だ。
当然、アレは無い。
だが今度のギルドイベで・・・多分アレもここに表示されるようになってしまう!
「くっっ・・・!」
「いらん奴が追加されてしまう・・嫌だ・・・」
「いや、前向きに考えろ。向こうの好感度が分かると思えば!」
「なるほどな」
アレの好感度をどんどん下げる意向で進めれば、嫁二人のエンドに近付けるのでは?
4人の思いはひとつ!!
自分の嫁(絶対に)とのエンド!でもゲームが終了しても、この世界は続くから。
これをバネに!嫁とさらにイチャラブに!!イチャラブに限界は無いのだ。
何せ彼等の両親は、十七(前世)の息子がいても仲良しだった。
ああなりたいな。なれれば良いな。と、思っていた。両親のその点は尊敬していた。
そんな溺愛の嫁(は〜、早く『嫁です』って紹介したいっ)が、アレとの好感度次第でゲーム終盤に『断罪』されるかのしれないのだ。
元とはいえ悪役令嬢の宿命?いやいや待て待て。絶対ダメ。
「さて。ここからは真剣な内容です。嫁(尊い)に降りかかる・・断罪イベですぞ!!」
「うおおおおおお!!!!」
「言いがかりにも程がある。嵌められた感が増し増し、今の嫁がそんなことする訳ない」
「まあ、ゲームのときは確かに意地悪したりな所もあったが、今の彼女達は違う!」
「そう。でも目を逸らすわけには行かない、最重要案件だ」
苦悶の表情で4人は頷いた。
アルフレアは我慢ならないと言わんばかり。
「下の身分の者が調子に乗ってたら、咎めるよね?だって、ナタリィは私の嫁になるんだよ?
将来の后だよ?国内の女性の中で一番偉いんだよ?注意くらいするよね?」
リーンブルグも頷き、同意する。
「俺の嫁も結婚したら公爵夫人だ。我が国には公爵家は5つしか無い、ナンバー5の地位だ。それを断罪とは、片腹痛い」
「モーリンは公爵家の令嬢だ。あの優しいモーリンが、カッとなる言い方をしたとしか思えん」
ちなみに彼は侯爵で、モーリンよりも格下と思われがちだが、王国創生からの臣下で身分を上げることを断ってきた忠臣の家系で宮中伯だ。どちらかというと公爵的立場、王家からも嫁を貰っている名家だ。
「まあ、俺は何処のバカが言ったのか、もう調査済みだ。有事の時、守ってやらないつもりだ」
彼のうちは辺境伯、騎士団を有する防衛の要だ。貶めた奴らは本当、不味いことをしたものである。
「んまっ!さすが出来る子ね!オニ〜ルん、誰なのか教えてぇ〜」
「オニールん、俺にもぉ〜」
「チョコパフェ奢るから〜オニ〜ルん〜〜」
「本当、馬っ鹿!お前ら俺のこと好きだな!そうだろう!」
「ちょ、調子に乗るんじゃ無いわよっ!す、好きなんかじゃ無いんだからっ!」
「そ、そうよっ!誰があんたなんかとっ!お、オニールんのくせにっ!」
「それより、教えてくれるんでしょうねっ?さ、さっさと言いなさいよっ!」
「くっ・・・ツンツンしつつ甘えるんじゃ無いっ!・・ババリー子爵の令嬢以下、3C女生徒達だな。謝罪して和解しているが、今だにヒソヒソ言っている。この時期から言っているのは潰しておくか」
「ぽつぽつ程度なら放っておいても良いけど」
「いいか?お前ら!!断罪イベ、絶対に潰すぞーーー!!」
「おおーーーーーっ!!!」
こうして気合入れまくりの4人、満を持してギルドにやって来た。キョロキョロと辺りを見回すと・・
いた。
アレが一人で。
まあ学園でもボッチだから、一緒に依頼に行ってもらえないんだろう。
仕方がないね!最初にあんな魅了攻撃なんかするから。
「おい。誰が声を掛けるんだ?」
「掛けたくない」
「同じく」
「今まで話もしないこっちから、話しかけるのは変だもんなぁ」
「アレは自分から絶対来るはず・・こっち見たっ!!」
アレは4人を発見すると『ロックオン』した様だ。こちらに・・来る!
「本当、強いなメンタル」
「マジか。ヒロイン補正か?」
「鈍感なだけか、図々しいだけじゃね?」
「とにかく!アレは『アイテム』だ。進行上使用しないといけない・・あのイチヂク浣腸のような」
皆の脳内にはイチヂク浣腸が浮かぶ・・・・
「ブッハッ!!」
そして吹いて盛大にむせた。
共通アイテムイチヂク浣腸のボディカラーは・・・アレの髪の色に似ていた・・・
これがきっかけで、アレを見る度にイチヂク浣腸を思い出すようになっていた。髪どころか、顔がイチヂク浣腸に見える。
イチヂクと言えば冷静に、そして笑いが込み上げるようになった。アレも王子たちに、まさかイチヂク浣腸と思われてるとは思うまい。というか、思われている事を知られた方が良かったかもしれない・・
さて。こんなにヒロインに対して酷い男主人公達。理由は愛する嫁(大切)を断罪するのが、アレのせいだからだ。辛辣になるのも当然である。
エンドがハーレムエンド以外、アレと二人きりの公式『トゥルーエンド』で、断罪イベントが始まるのだ!
婚約令嬢達は、せいぜい『貴族のマナー』『貴族の矜恃』『男女間の礼儀』をアレに事ある毎に正しただけなのだ。はっきり言って、親切以外の何物でもない。
だって庶民だから知らないのだろうと、最初は親切心から。だって婚約令嬢達は高位貴族だもの。
売春宿の女じゃあるまいし、男にベタベタしなだれかかる・・そういう態度は宜しくないと。
将来の后であるナタリィは、王子に対して無礼にもベタベタと取り付くアレに段々・・・怒りが増して・・・徐々に言い方もキツくなる。
すると、アレは可愛く告げ口をするのだ。
「酷いんですぅ〜」って。その時、例の魅了を振り撒いて。
他の婚約令嬢達も、同じく怒りが増す。で、キツく言ってしまう。アレは「酷いんですぅ〜」と告げ口以下省略。
何度も魅了をくらっているうちに、王子達はアレを『可愛い、可哀想』と思うようになっていって・・・
この世界では、貴族の男女が節操なくベタベタするのは眉を顰めるレベル。
それを未来の王となる王子、その側近となる予定の彼等がしていては、周りがどう思うか。
彼等には正式な婚約者がいるのだ。そして、御学友も同じ状態だ。
婚約者同士ならともかく、友人ですらない、しかも庶民。
好き嫌いを関係無くしても、諫めなければならない。だから婚約令嬢達は忠告したのだ。
アレは元より、婚約者達を諫める事が出来る立場なのは、自分達だけなのだから。
だが既に骨抜きにされて、アレを愛していると勘違いしてしまった彼等には、婚約令嬢たちの声など届かない。
アレとの仲を裂く邪魔者にしか見えなかった。憎くて憎くて・・怒りが正常な思考を停止させた。
そして遂に愚かな行為、断罪を仕出かすのだ。
彼等の立場、そして将来を案じる彼女達を、彼等は大勢の前で弾糾したのだ。
しかも理由の内容は盛りに盛った半分以上出鱈目、あとは誰が聞いても親切からの注意だったのだから、お粗末としか言えない。
ご都合主義なゲームではこの辺りで終了、アレとの二人エンドとなって、花と光で溢れたスチルでエンドロールとなるが・・
もうお分かりだろう。
この世界は、もう男主人公達には『現実』なのだから、これでは終わらない。
むしろここから最悪の人生が始まるのだ。
・・その後は簡単に予想がつく。
多分・・・断罪された婚約者達は、無抵抗で退きはしないだろう。
彼女達にも『家』の名誉がある。そしてこの婚約を許可したのは、国王だ。
浮かれた『俺達』とアレは、ひとときの勝利に酔うがそれも僅かな時間だけ。
断罪した婚約者達は、遠く離れた教会で修道女になり、惨めな人生を送るだろう。いや、もう生きていても邪魔だ、牢獄に隔離、なんなら死んでくれたらいい。・・・とアレと男どもは思っていた。でも周りにいる傍観者・・貴族たちはどう思っただろうか・・・それよりも・・
大勢の人が見ているところでの『断罪』『婚約破棄』を知った婚約者達の『家』は怒り狂うだろう。
婚約令嬢達と家族は、とても仲が良い。愛する娘が辱められ、虐げられたとなれば報復は当然だ。
王家に忠誠を誓っていた高位貴族の両親は、王に慨嘆するだろう。
そして婚約を自ら祝福し、許可した王の威信に泥を塗った彼らとアレの方こそ処罰されるのは、推して知るべし。
アルフレアは父である王から、御学友は両親から、跡継ぎから外されて、這う這うの体で領地から追い出される。
アレは野放しに出来ない能力を持っているので、神殿で厳重に幽閉されるだろう。
彼らだが・・アレが離れてようやく正気に戻っても、覆水盆に返らず。
魅了を掛けられての所業と言ったところで・・もう元には戻らないだろう。
彼女等の心も、彼らの人生も。
将来一緒に歩む筈の婚約令嬢たちどころか、家族からも見限られた彼らの未来は真っ暗・・・
・・となる。こんな未来しか見えない。
アレと接触していたら、嫁との未来どころか人生詰まる。いや絶対に終わる。
話をする範囲まで近付いたとたん、『魅了』を直撃してしまう。
こんなに嫁達(マジ天使)とうまくいっているのに、アレに人生を邪魔されてなるか。
この世界の状態回復という魔法だが、かなりの神聖魔法使いでないと扱えないのだ。
毒解きの魔法、麻痺解きの魔法はあるが、大体はポーションで治す。
だが魅了はポーションでは解けないので、今の段階では『時間薬』なのだ。
それかアレが遥か遠くに離れて行けば効果も薄れ、数ヶ月後には消える。
兎にも角にも、『魅了』にかからない事。つまりアレには近寄らない事が大前提である。
・・そういう訳だ。魅了にかかると、すぐに治せないのだ。
アレは彼らにとって害悪でしかない。
アレが使う魅了の所為で、俺達は狂わされ、大好きな嫁達を己の手で断罪する事になるのだ。
大事な大事な嫁に、俺達が・・俺達自身が言うのだ。婚約破棄に至る理由を。
そして、嫁達よりもアレを愛していると。更に『婚約を破棄する』と言い放つのだ。
自分の気持ちを無視して操られて、俺達自身が嫁を辱め、俺達自身で人生を潰すのだ。
俺達が・・・大事な嫁を泣かすのだ。
ゲームでの断罪舞台は、卒業式前日の謝恩パーティー。
大勢の同級生に在校生、恩師や来賓の前で婚約令嬢達を貶めるのだ。
愛する嫁達が、俺達によって断罪される光景が目に浮かぶ・・・
ゲームでの斬罪シーンはスチルのみ、後は文章で『断罪され、牢屋に収監されたのだった』他で終わっている。
だから彼らの空想妄想ではあるが。
ナタリィは凛とした佇まいで聞くのだろう。貴族たらんと、背筋を伸ばし、涙も見せず。
そして誰よりも美しくそこに存在するだろう。周りは俺達の浅はかな行動に呆れ、ナタリィの毅然とした表情に、彼女こそ正義だと賛美するだろう。大馬鹿を晒した王子には嫌悪と侮蔑の視線を向けるのみ。廃嫡される未来しか見えない。
フラーウは握り拳を皮膚が白くなるまで握って、大粒の涙をポロポロ零して、華奢な体を震わせて、けれどもしっかりと立ち、俺達を見つめるのだろう。
婚約者を僅かに信じて「リーン様・・」一度だけ掠れるような声で呼ぶが、返事が無いと理解すると悲しそうな表情で見つめるだけだ。
モーリンは彼の断罪の台詞を、ぼんやりと、虚な目で見ている。いや、もう彼女の目はどこも見てはいない。彼の一言一言が彼女の心に罅を入れ、『婚約を破棄する!』の台詞と同時に粉々に打ち砕かれて、見ることも、聞く事も放棄して、彼女はもはや生きる尸の様になってしまった。
この日のパーティーには兄は卒業生だったので、貴賓として招かれていてこの茶番を目撃する事となる。哀れな妹の姿に、彼女の兄の怒りは凄まじく・・・
サイファは目の前にいる彼を、敵兵の様に睨め付ける。だがそれも暫くの間。
静かに涙を零しつつ、ひたと見つめて聞いている。
台詞を全て聞き終えると男口調で、
「もう言いたい事は無いのか?」
と聞いてくるだろう。彼女は潔い。そして貶められたら2倍3倍にして返す。
「首を洗って待っているがいい、オニール」
小さい頃からずっと呼んでいたあだ名ではなく、名前を言う。訣別の意思表示だ。
大好きだった幼馴染、だが裏切られた苦しみは計り知れ無い。
彼女等の性格なら・・こうなるだろう。
愚かな俺達を、持てる全ての力を持って責めて貶めてくれて構わない。殺してくれて良い。
それよりも。
アレの魅了に屈して、俺達が、俺達によって、大好きな君達を泣かす事に・・・耐えられない。
だから全力で回避する。
さあ。とにかく魅了に要注意だ。アレがこちらに駆け寄ってきた。
「あのっ!アル様、リーン様、ワッツ様、オニールん様っ!本当に、この間、いいえかなり前ですが、本当にごめんなさいっ!魅了を使ったりして!あーー、やっと言えた!良かったぁ」
早口で言い切ると、ペコリと頭をアレは下げた。
「・・・・・・・・・・・・・・」
彼等はムッとした表情で押し黙った。
友人でも無いのに名前呼び・・それもだが。
彼らの中でアルフレアが一番怒っていた。不愉快さを隠さない。口元が微かに震え、引きつっているのにアレは気付かない。友人たちは『あちゃー』といった顔で、アルフレアに視線を送る。
(なんだその呼び方!!ナタリィでさえ、人前では『アルフレア殿下』だぞ!『アル』などと、誰にも呼ばれた事など無いぞ!!ふっざけろ・・・)
リーンブルグとオニールは全く同じ台詞でお怒りである。
(その呼び方は嫁(だけだ!)にしか許していない呼び方だ・・なんと図々しく馴れ馴れしい・・)
ワッツは普通に呼んでもらったが、とにかく不愉快そうな表情だ。
(なんでだろう・・・普通に呼ばれても怒りが増すのは・・多分謝る気持ちが無い口調だから・・いや、こいつに呼ばれたくないからだな)
更に火に油どころかガソリンを投下して、大炎上させるアレであった。
こんなにギスギスした空気なのに、アレは『謝ったし、もう許してくれたよね!』と思っている様だ。
「あ!そうだ!・・実はぁ、ギルドの依頼が2人以上でないとぉ受けられないんですぅ。『ネバネバ蔓草を取りに行く』依頼、すみませんが一緒に行ってくれませんかぁ?」
おう、それだよ。こんなクソ依頼、一人で行かせろや。クソギルド、いやゲーム運営・・と、心の中で思いつつ。
彼等はコクリと縦に首を動かし、頷いて『了解』と返事をする。4人共、全く声を出していない。
そして5人で依頼先まで歩いて行く。ここから歩いて30分ほど奥に生えているので、とっとと終わらせるべく物凄い勢いで早歩き、もはや競歩、いやいや小走りだ。だがあまりにも一緒に居たくないせいか、本気の猛ダッシュになっていた。
「あ〜、早いっ!ま、待ってくださぁ〜いっ!」
無視というか、アレの声など聞こえていない。
アレも必死で追いかけるが、180越えの長身男子の本気では追い付くまい。
30分のところを10分程度で辿り着くと、
「よおーし、とっとと刈るぞ!」
「ほいっと、纏めたぞー」
「はい、茣蓙で包んでー」
「ほーいと、刈って」
「紐で括ってー」
「肩掛けの紐をつけてぇー」
「完成っ!!」
そこにようやくアレが到着。はぁはぁと息を忙しく吐いている。
「あ、あのぉ」
無言でアルフレアはアレの背に先ほど纏めた、ネバネバ蔓草の入った背負子的な物を背負わせた。
そして再び猛ダッシュ、彼女を置き去りにして走り出した。
「アル様リーン様ワッツ様オニ〜ルん様ー!ありがとうございますーっ!」
彼女のお礼の声に『魅了』を感じた4人は、更に加速、必死で駆けて行く。
「うふふ。照れちゃって!許してもらえたし、これからはもっと親しくなれそう!」
どこをどう取れば・・・やはりアレは鉄メンタル、いや鋼メンタルである。
この後帰り道で魔物が出てくるのだが、アレは放って置いてさっさと倒し、再び走る。
獲物をギルドに渡して褒賞を得ると、近くの喫茶室に入った。
そして好感度表を見るとやはり・・・アレの名前が追加されていて、なぜか好感度が70%になっていた。
「「「「ヒィッ!!」」」」
背中がぞくっとして、思わず全員変な悲鳴を上げてしまった。
「な、なんでだよ!!お前等の婚約者さん達より好感度高いって?」
「嫌われる様にしたよな?普通嫌われてると思うよな?」
「・・・恐っ。恐怖しかないわ」
「あんな雑な謝罪で、本気で許されたと思ってんのか?このバカ」
4人は肩をガックリと脱力。
「・・・と、とりあえず・・10番目は終了した。11番目は9月、新学期からですぞ」
「剣術大会か。一位には剣が貰えるんだが・・・ゲームの時は、主人公が貰ったけど」
「そうか。俺達全員参加して戦うもんな。1位が貰うだけじゃね?共通アイテム域かな」
「どうなるかはやってみないとな。で!応援は当然・・」
「嫁(応援かぁ・・どんな応援かな)!」
「嫁(リーン様!って可愛い声で声援かな)!」
「嫁(多分目を瞑り、両手を握って祈ってるんだろなぁ)!」
「嫁(やばいのは選手で出てきたらどうしようってことかな)!」
「ここは婚約者として、応援に来てほしい!と!!おねだり作戦は如何ですかな?」
「おねだりか。ふふ、たまには俺から言うのも良かろう」
「お弁当作って欲しいとか言おうかな」
「選手で出てくるなと注意しなければ・・さあ、厄介な依頼は終了したので、俺はサイファに先触れを送るぜ。明日デートしようって」
「きゃーー!出来る子は違うわね!よし、私もナタリィに先触れを送るぞ!そして応援をおねだりするでござる!」
「同じく」
「俺もー」
新学期の計画もバッチリ!アレを警戒しつつ、俺達は解散した。
残りの夏休みは寮に戻って勉強、ギルドでの依頼などを受けて経験値上げを進めつつ、嫁(一緒)との経験値(愛!)も積み重ねるのだった。
本当、このままでも二人エンド、そして卒業後は結婚してラブラブ人生送れるんじゃね?
・・と思えてしまう。大丈夫じゃないかと。
だって書き出したこれからの予定で、
5/ 自分の婚約者を捨てて、アレや他の婚約者と親しくなる(飛ばしている)
この箇所はすっ飛ばしているのだ。だってみんな別れてないのだから。
前世でプレイしても出てこなかったアイテム『真実の鏡』『イチヂク浣腸』とかは気になるが。
4人はこの時点では忘れているが・・キウイ草のジャムもありますよ・・
新学期の9月は
11/ 新学期早々剣術大会 好きな子に応援される 優勝して剣がもらえる
12/ 虐められた子を慰め、好感度が上がる(2)
この2つがポイントになる。
12は5に似た内容だが、嫁達がいじめや意地悪をしていない為、あまり重要では無いと思われる。
11の剣の授与がどうなるのか、気を付けなければ。
それと・・・アレだ。好感度70%。
「まあ・・・あっちが勝手に好感度を上げているだけですからな」
「こっちの好感度も出てくれれば良いのにな」
「それな!そしたら魅了でおかしくなっているのも、一目でわかるな!」
「欲しいな、俺達側の好感度も」
いよいよ9月、新学期が始まる・・・
続く>>
追加修正みちみち




