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男を捨てろ?

「後宮って、どこぞの王様の美女をいっぱい侍らせるっていうあれ?」

 ミントが鼻にしわを寄せて呟く。

「そうだ、赫国の王宮内にある後宮だ」

「ダンジョン化するって、どんだけ広かったの?」

 ダンジョン化する場所はかなり広いことが前提だ。かなりの広範囲になる鍾乳洞などがよくあるパターンだが。

「聞いてみたらダンジョン化する条件は結構あった、広さもぎりぎり最低限あったしともかく、後宮という場所柄迷路めいたつくりになっていた」

 赫国は結構な大国だ、王宮もちょっとした町くらいあってもおかしくない。

「で、女ばかりの冒険者って」

「場所が後宮なので、女か宦官だけで構成された冒険者が望ましいっていう向こうの意向だ」

「無茶言うなよ」

 ジャスミンが吠えた。

「宦官を募集したが、誰も来なかった」

「いや、する前に気づけよ、ギルマス、来るわけないだろう」

 バジリコが頭痛をこらえるようにこめかみをもんだ。

 宦官になるということは究極の選択だ。冒険者になる能力があるのに宦官になるやつがいるわけがない。

 命を捨てる任務と言えばたまに来る奴もいるかもしれないが、男を捨てる任務と言われてくる奴はまずいないと思う。

「それにこれから宦官になったら、回復するまでにどんだけかかるのよ」

 噂ではその手術を受けたら回復するまでに一月はかかるという。

 知り合いが宦官になる手術を受けたと知っているジンジャーがそこを指摘する。

「そうなんだ、それで時間がかかるが女の冒険者を集めるという話になった」

「あの、その事件が起きてどれだけ経ってるの」

 バジリコは少しだけ嫌な予感がした。

「二週間前だ」

「じゃあ、生存者いないんじゃない?」

 普通に考えて、後宮内にいたのはか弱い姫君の集団、ダンジョン内の怪奇生物の前にはひとたまりもないはずだ。

「それなら女か宦官なんて無茶振りする必要あるの」

 ミントがいかにも不満げに呟く。

「向こうの言い分は、あくまで後宮である以上王以外の男は進入禁止だそうだ、実際衛兵も後宮の外まで逃げてきた女たちは保護したが、あえて中まで入って助けに行かなかったらしい」

「うわ、酷っ」

 ジャスミンが思わず引いている。

「というわけで、お前らに聞いてもらえないと話が進まないわけだ」

 言われて四人は深いため息をついた。

「生存者がいないから報酬なしなんて無茶はないよね」

 とりあえず大事なところは押さえておくことにした。



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