7話 睡眠中のご老人
【告知】
世界最強の努力家の二巻が9月15日に発売します!
予約販売も始まっております!
ちなみに☆☆☆☆☆より下の方で二巻の表紙が見ることが出来ます!
二巻の表紙もとても素敵で嬉しいですね。
そしてコミカライズも9月にスタート決定!
続報をお待ちください!
英傑学園の校門の前に到着した。
……これ、本当に学園か?
改めて見ると、その規模の大きさに驚かされる。
世界を見て回ったが、ここまで大きな学園を見るのは初めてだ。
これは学園というよりも城と形容する方が相応しい気がする。
王都にも王城は勿論存在するが、それに引けを取らない。
校門の前には門番が立っていた。
普通の学園ではあり得ない警備だ。
ルイスが校門に近付くと、門番は頭を下げた。
「これはルイス様、ようこそお越しくださいました」
「うむ、今日は学長に会いに来た。通してもらえるか?」
「ええ、勿論。その後ろのお方は?」
「入学希望者だ」
「なるほど、ルイス様がお連れになるとはかなりの実力者なのでしょうね」
「ああ、コイツが入学すれば英傑学園最強の座はコイツになる」
「……まさかぁ」
閉ざされていた門が開き、ルイスは足を進める。
「行くぞ、リヴェル」
「あ、はい」
俺は早歩きでルイスの後を追った。
「リヴェル……? どこかで聞いたことあるような……?」
門番は俺の名前に聞き覚えがあったのか、首を傾げていた。
***
英傑学園の中はとても広く、学長室に着くまで時間がかかりそうだ。
英傑学園の敷地内には生徒の姿が見えた。
英傑学園には寮があるため、学期が始まっていなくても生徒がいるようだ。
校舎に入り、一階の廊下を歩いていると、中庭を見つけた。
中庭は緑豊かな場所で中央に噴水がある。
噴水の縁にブロンド色をした髪の美しい女の子が座っていた。
隣に座る友達と談笑しているようだった。
……まさかな、と思ってその子を見ていると、不意に目が合った。
俺はその子を見たまま立ち止まってしまった。
「──ん? どうした、リヴェル」
ルイスは俺を気にかけて振り返った。
「……いえ、懐かしいものを見つけてしまいまして」
「ほう、噴水に懐かしさを感じるとはな。いい思い出でもあるのか?」
「……ええ、素敵な思い出です」
「……ふ、そうか。だが、思い出に耽るのは入学してからでも出来る。今はその入学に意識を向けないとな」
「そうですね、では行きましょう」
「うむ」
そして、廊下の先にある階段を登って、2階の廊下をしばらく歩くと、学長室に到着した。
ルイスは扉をノックして、開いた。
「失礼する」
ぐがー、ぐがー。
部屋にはソファーの上で爆睡中の老人がいた。
「やはり睡眠中だったか」
ルイスは想定通りだったのか、特に驚くこともなくそう言った。
「学長は昔からよく眠る人だったんだ。1日の大半は寝て過ごしている」
「……そうなんですね」
『キュウと一緒っ!』
キュウは変なところで親近感を抱いているようだった。