6話 スキル《空間転移》
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続報をお待ちください!
「お礼など別に構わん……と、言いたいところだが後ほど何か頼む機会があるかもしれない。少し厄介事が起きてるもんでな」
「厄介事?」
「詳しくは頼むことになったとき話す」
「分かりました。……それじゃあ、学長には会わせてくれるということで大丈夫ですか?」
「構わないが、王都に着くまでは少し時間がかかる。今から出発しても着くのは明日だろうな」
「ああ、それなら大丈夫です」
俺はそれを見越して王都に《空間転移》の魔法陣を残してきている。
王都に記した魔法陣と同じものをこの部屋にも描く。
「……ふむ、魔法陣か?」
「流石ルイスさんですね、これは《空間転移》の魔法陣です」
「……当たり前のように超高難易度のスキルを取得しているのだな」
ルイスの声は少し呆れているように聞こえた。
「ええ、まぁ一応。──よし、出来ました。こちらに来てもらえますか?」
「その魔法陣の上に立てばいいのか?」
「そうですね」
「分かった」
そう言ってルイスは魔法陣の上に移動した。
実際には描かれておらず、魔力の痕跡を残しているだけだというのにルイスはしっかりと魔法陣がどこにあるのか把握しているようだ。
流石は元宮廷魔術師といったところか。
「じゃあ行きますよ」
「ああ、いつでも良い」
ルイスの返事を聞いた俺は《空間転移》を発動した。
景色は一瞬にして変わり、突然現れた俺たちにキュウはビックリして「キュエッ⁉︎」と鳴いた。
「久しぶりだな、キュウ」
ルイスはキュウを視界に捉え、表情を変えずにポンポンと頭を撫でた。
キュウは嬉しそうだ。
『ルイス、良い人っ!』
珍しくキュウの良い人悪い人判定が出た。
お前、何度かルイスと会ったことあるだろう。
それに名前も覚えてるし。
「それでここはもう王都なのか?」
「はい、キュウがこの部屋にいてくれたので間違いなく王都ですね」
「なるほどな。それでは早速だが英傑学園に向かうとしよう」
「助かります」
『キュウもいくっ! お留守番、ひまっ!』
キュウが念話で俺に訴えてきた。
『仕方ない、大丈夫そうかルイスに聞いてみるよ』
『あざます』
ありがとうございます、を略してあざます、か。
なるほど。
「ルイスさん、キュウも連れて行って大丈夫ですかね?」
「問題無いだろう。どうせこれは入学試験じゃないんだからな」
「……本当に大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。学園側がお前を入学させない理由が無いからな」
「それなら良かったです」
『やったーっ!』
ルイスさんの返事を聞いたキュウは嬉しそうに俺の頭の上に飛び乗るのだった。
二章はキュウの出番が案外少なかったので、三章はちょっと多めに出番をあげたいなっていう思いがあります。
そして何よりメインヒロインのアンナを出番を増やさなきゃいけないなっていう使命感があります。