20話 Dランク魔物を瞬殺
【書籍化のお知らせ!】
第1巻
出版社:アース・スターノベル 様
イラストレーター:紅林のえ 様
発売日:6月15日
既にネット通販サイトでの予約注文が始まっておりますので、何卒よろしくお願いいたします〜!
(サイトによっては注文出来ない場合もあるそうです)
活動報告で『リヴェルとキュウ』のキャラデザを公開しておりますので、気になる方は是非チェックしてみてください!
「ご苦労さん。それじゃあ、とっとと先に進むぞ」
「……あれ、ボスを倒したというのに反応が薄いですね」
「フィーアのスキル、初めて見たけど何か地味だね」
「ク、クルトさん!? それは禁句ですよ! これからもっとスタイリッシュでド派手なスキルを取得していくんですから!」
身振り手振りを使って、フィーアは思い描くスキルを表現してみせた。
どんなスキルを取得するつもりなのかサッパリ分からなかったが、懸命に伝えようとするフィーアを眺めていた。
「──って、こんなことしてる場合じゃねえ! 急がないと追いつけなくなる!」
俺は正気に戻った。
「ファスト。一応、移動用に魔法をかけ直しておいたよ」
「ありがとうクルト。次の階層からはDランクの魔物が出現してくる。戦闘を避けて抜けられれば一番だが、そうはいかんだろう。接敵した際は1人1体の魔物を倒して先に進もう」
安全かつ迅速にダンジョンを進んでいく必要がある。
Dランクとはいえ甘く見ていたら痛い目に遭う。
「良い考えだと思うよ」
「分かりました!」
二人は納得してくれたみたいだ。
「それじゃあ先に進もう」
◇
「うわぁっ! き、キモいです! なんですかアレ!」
前方に見えるのはDランクの魔物、アイアンワームが3体。
銀色に光る芋虫が地面を結構なスピードで這い寄ってくる。
大きさは体高が50cmぐらいで全長が1m程だろうか。
「1人1体ずつ倒すぞ」
「分かったよ──ファイア」
クルトはアイアンワームよりも少し小さいぐらいの火の球を放った。
アイアンワームはじゅわっと燃えて黒コゲになった。
良い火力だ。
俺もクルトに倣ってアイアンワームを火魔法で倒す。
「なっ! リヴェルさん! なんで魔法で倒しているんですか! ズルいですよ!」
「嫌だろ。普通にキモいし。出来るなら剣で斬りたくないって思うだろ? それにフィーアも拳銃なんだからさっさと倒しなよ。魔法撃つのと同じだろうに」
「い、嫌です! あんな気持ち悪い魔物を直視したくないです! 銃口を向けるのも困難です!」
どんだけ嫌なんだ。
だが、拳銃を持ってみればフィーアは途端に冷静になる。
案外大丈夫かもしれない。
「まあ良いから、とりあえず拳銃を握ってみろよ」
「今回ばかりは拳銃を握っても無理です──」
バン、バン。
即座に弾丸は放たれた。
ブチュ、ブチュ、と緑色の体液を飛び散らせ、絶命するアイアンワーム。
うわぁ……キモ……。
「リヴェルさん、先を急ぎましょう」
フィーアは、その光景を見ても何も動じなかった。
「フィーアは平気なんだね」
クルトが言う。
「はい、案外平気でした」
冷静になりすぎだろこいつ。
てか、これダンジョン内ではずっとフィーアに拳銃持たせておけばよくないか?
「……フィーア、しばらく拳銃を持ったまま行動しないか?」
「……? 変なリヴェルさんですね。別に良いですけど」
何言っているんだ? という感じで首を傾げるフィーア。
しかし目論見通り、フィーアがかなり冷静に魔物を倒してくれるおかげでスムーズに階層を進めることが出来るのだった。
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