19話 いざ、ダンジョンへ①
【書籍化のお知らせ!】
第1巻
出版社:アース・スターノベル 様
イラストレーター:紅林のえ 様
発売日:6月15日
既にネット通販サイトでの予約注文が始まっておりますので、何卒よろしくお願いいたします〜!
活動報告で『リヴェルとキュウ』のキャラデザを公開しておりますので、気になる方は是非チェックしてみてください!
そして今日の更新は約1000文字でいつもの半分ぐらいです……。
明日は頑張るのでお許しください。
「リベンジとは随分と張り切っているな」
アギトのパーティは4人だ。
大きなリュックを担いでいる者がおり、その人が運び屋だとすぐに分かる。
周りのパーティを見渡すと、大きなリュックを担ぐ運び屋らしき人物たちが何人か確認できる。
「負けっぱなしは性に合わねェ。俺は大会のときよりも各段に強くなった。今回は勝たせてもらうぜ」
「そうか、楽しみにしてるぞ」
「……ッケ、やっぱりムカつく野郎だ」
「ハァ〜、こんなことするのは今回限りにしてよ〜」
アギトの隣で猫耳の生えた女性が額に手を置きながら、ため息を漏らした。
あれ? この人どこかで見たことある気がするな……。
あー、思い出した。
この人、俺が初めてアギトと会った時に喧嘩に発展しようとしたところを止めていた人だ。
ストーップ! って叫んでたな。
「なんだお前。怒ってるのか?」
「べっつに〜。ただ競合してるクエストを受けるのは嫌だな〜って」
「ッハ、関係ねえよ。あいつらより先にミノタウロスをぶっ倒せばいいだけだ」
「先に倒さなきゃいけないなら関係あるよね? 絶対無いわけないよね?」
「うっせえな。もう決まったことをごちゃごちゃ言ってくんじゃねェ」
仲が良さそうだ。
しばらく俺たちは置いてけぼりにされて、二人の言い合いが続く。
何も言わずに去っていくのも違う気がして、俺たちはその場に突っ立っていた。
「リヴェルさん、もうさっさとダンジョンに入っちゃいましょう……」
フィーアが俺の耳元でそう囁いた。
俺たちのどことなく気まずい感じを察知してくれたのか、
「あっ、ごめんね。その……色々と」
猫耳の女性が両手を合わせて、申し訳なさそうに頭を下げた。
「大丈夫ですよ。良い刺激になってますから。──それに、俺たちも負けるつもりはありませんので」
「ふふふ、男だね〜。流石は史上最速でBランクになった冒険者なだけはある」
史上最速って……まぁ間違ってはいないか。
「私はカリーナ。よろしくね。あ、そっちのことはよく知っているよ。リヴェル君に、クルト君に、フィーアちゃんだよね。大会の参加者でズバ抜けて強かったから、覚えちゃった」
「嬉しいです」
やはり大会の影響はかなり大きいようだ。
ダンジョンの出入りは管理されており、誰が入って、誰が出てきているかが分かるようになっている。
ダンジョンから出てきていないパーティを救助できるようにするためらしい。
そのため、ダンジョンには入る手続きが少しあるようだ。
アギト達は既に手続きを終わらせているようで、俺たちよりも先にダンジョンに入って行った。
既にスタートダッシュで差が出来てしまったが、なんとかなるだろう。
……負けるつもりは無いとか言っておいて、このまま普通に先を越されたら恥ずかしいな。
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