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15話 ラルの感謝

【ご連絡】


第1巻


出版社:アース・スターノベル 様

イラストレーター:紅林のえ 様

発売日:6月15日


発売まであと一ヶ月ぐらいですね!


実はもう第一巻の予約注文も始まっておりますので、是非ご購入を検討して頂ければなと思います!


キャラデザを活動報告にて公開しております!

気になる方はマイページからご覧になって頂ければ幸いです。

『ナイトメア』の襲撃も防ぎ、レクスさんへの借金も返済が済んだことで、やっと一件落着かと一息つくことが出来た。

 それにしても『ナイトメア』は何故『テンペスト』を襲おうとしたのだろうか。


 ……考えても分からないな。


 情報屋のメアさんに聞けば分かる可能性は高そうだが、あまり大事なことでもない限り利用は避けた方が良さそうだ。

 甘く見るつもりはないが、レクスさんが協力者として存在することをチラつかせておけば不用意にまた襲ってくることは無いだろう。

 準備万端に襲い掛かってくるようであれば話は別だが、ノアの性格を考えれば我が身を第一に考えているに違いない。

 今のところ《ナイトメア》の脅威は去ったと見て問題ないはずだ。


 さて、俺がみんなに隠しながら対策した《ナイトメア》の一件だが──。



 結論から言おう。




 バレた。




 原因は《ナイトメア》が《テンペスト》を襲った深夜。

 物音がして、不安に思ったラルがその現場を目撃したのだ。

 俺は自分の過ちを後悔した。

 ラルが起きたのは間違いなく、小柄な男を地面に叩きつけたときの音だ。

 クソ……! もっと静かに倒すべきだった……!



 そして、この一件をラルが俺に確認すると、



「何一人で解決しているのよ!」

「不審に思うことがあったらみんなに報告すべきでしょ!」

「リヴェルだけで危険を抱え込もうとするなんておかしいわ!」



 めちゃくちゃ叱られた。



「でも、危険だっていう確かな証拠も無かったし、みんなを不安にさせるのも嫌だったからさ」


「それぐらいみんな気にしないわよ! 仲間でしょ!」


「……そうだな。悪かった」


「ええ、今度から一人で抱え込むような真似しないでね」


「ああ」


「よろしい」


 満足そうな笑顔でラルは言った。

 ……仲間、か。

 確かに俺は一人で何とかしようとしすぎていたのかもしれない。

 ラルに言われて初めて気がついた。


「それと…………あの……ありがとう」


 頬を少し赤らめながら、気恥ずかしそうにラルは言った。


「ラルもそんな顔するんだな」


「な、なに!? 私がこんな顔しちゃ悪い!? 色々言ったあとに感謝の言葉を告げるのって結構恥ずかしいんだからね!?」


「ぷっ、あはは。なんかいつもと違って余裕無いな」


「ひ、人が素直に感謝してるんだから茶化すな!」


「悪い悪い。俺の方こそありがとうな」


「へ?」


「ラルに怒られて色々と気付かされたよ」


「……そう、それなら良かったわ」



 ◇



 さて、ラルにバレたということはギルドのみんなにもこの一件が広まると言うことで……。


「リヴェルさん、お手柄ですね!」


 夕食の席でフィーアが話しかけてきた。

 今日の夕食はラルが手配し、いつもより豪勢なものになっていた。


「そうでもないさ。ラルに結構叱られたし」


「いえいえ、このお祝いムードのおかげで美味しいご飯が沢山食べられます」


「そっちかよ」


 食べることが好きなフィーアは、豪勢な料理を前にして上機嫌のようだ。

 でもフィーアは食べることが好きな割に身体が小さいんだよな。

 量もそれなりに食ってるのに。


『あるじっ! お手柄!』


 キュウも念話でそう言ってきた。

 今日のキュウのご飯は、アーモンドの他にフルーツの盛り合わせが追加されている。


『あもんど以外もうまい!』


『そりゃ良かった』


 もしかすると、キュウは何でも美味いって言うんじゃ無いだろうか。

 ……そんな気がする。


「リヴェルさん、ご謙遜しなくて良いんですよ。Aランク犯罪者を捕まえるなんて素晴らしい功績ですよ!」


 受付嬢をしているエレノアさんが言った。


「ありがとうございます。嬉しいです」


「この功績のおかげでリヴェルさんのAランク昇格もすぐな気がしますね」


 そう言ったあとにエレノアさんはエール酒を飲んだ。


 Aランクに昇格すれば、Sランクまであと一歩。

 二年以内にSランクと言っていたが、もう少し早くなれるのかもしれない。


「流石だね、リヴェル」


 ぽん、と俺の肩をクルトが叩いた。


「おおクルト、ありがとな。そういえば最近、姿が見えないけど何してるんだ?」


「魔法の勉強かな。リヴェルが教えてくれた古代魔法の知識を自分なりに理解を深めているところさ。フレイパーラはウェミニアよりも魔導書が多く出回っていて、次から次へと知的欲求を刺激されているよ」


「ハハハ、クルトらしいな」



 その後も色々な人と会話をして、褒められた。

 大会以降入ってきた新人冒険者からは尊敬の念が向けられていることを感じた。

 特にウィル。

 ……まぁ悪い気はしない。




 楽しい食事が終わると、俺は自室で考え事をしていた。


 レクスさんと手合わせをし、自分の実力不足を実感した。

 だが、今のままでは鍛練の時間が足りていない。

 クエストをこなしながら、鍛練もしっかりと行うにはもっと時間を有効活用しなければいけない。


 どうすれば鍛練の時間を増やせる……?


 睡眠時間を削るしか無いか?

 しかし、睡眠は成長するうえで欠かせない役割を担っているみたいだし……。


「……あっ」



 睡眠の質を上げれば、時間を削ることは可能なんじゃないだろうか。



 これは我ながらナイスアイディアかもしれない。


 俺は自分の考えを実現するために《英知》を利用しながら、独自の魔法を構築することにした。

【皆様へのお願い】


「面白そう」

「続きが気になる」

「更新応援しています」

「書籍化おめでとう!」


少しでもそう思って頂けたら、


下にある「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしてくれると励みになります!


(……評価してもらえると、モチベがめちゃくちゃ上がるので最高の応援になります)


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― 新着の感想 ―
[一言]  落ち着くのです感想のひと! そんなんいうたら、魔力使っても傷の回復速度あがらなくなっちゃう!  マジカルに、オーラ的に質をあげるのですよ!  というか、教えられるなら仲間くらいは教…
[一言] 睡眠の質をあげる… やめたげて
[一言] 睡眠の質を上げたら、時間を減らせるなどという戯事は、やめた方が良い。アホくさくなるから。
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