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22話 探知魔法①

 野営地から少し離れたところにある森林にやってきた。

 目当ての獲物は豚の魔物、ワイルドボアだ。



 しかし相手の方からわざわざやってくるなんてことはないだろう。


 そこで使うのが探知魔法だ。



 探知魔法を使えば、周囲の状況が分かる。

 魔力の濃度を薄くし、周囲に放出することが肝となる。



 《鬼人化》を取得する際にやったことの応用だ。

 放出する魔力が多ければ多いほど、広範囲の状況が分かる。



 だが、なんでも分かるというわけではない。

 魔力に反応するのは魔力であり、この探知魔法は魔物が持つ魔力を探知しているに過ぎない。



 魔力の濃度を薄くし、放出していく。



 ……俺が探知出来る範囲は周囲150mといったところか。



 残念ながらこの範囲内に魔物はいない。



 探知魔法を使いながら、森を駆けるとすぐにワイルドボアを発見した。



 よし、さっさと仕留めて戻ろう。



 茂みに隠れて、気配を消す。

 そしてギリギリのところまで近付くと、茂みから飛び出してワイルドボアを一撃で仕留めた。



 解体し、ワイルドボアの肉と換金出来る素材(爪と皮)を手に入れた。

 それを《アイテムボックス》に入れる。



「本当に《アイテムボックス》は便利すぎるな」



 冒険者をやるうえでこれ程便利なものはない。

 商人のラルもかなり羨ましがっていたな。



「早く戻らないと」



 クルトとラルの様子が気になる。

 キュウがなんとかしてくれているといいが……。






 ◇






 野営地に戻ると、俺が思っていた以上に空気が良かった。



「キュウゥ〜」


「キュウは可愛いね〜」



 ラルがキュウと触れ合って遊んでいた。

 クルトは少し離れた位置で周囲を警戒しているようだった。



「ただいま。食材を取ってきたよ」


『あるじ〜!』



 俺が戻って来ると、キュウは俺の頭の上に飛んできた。

 そして着地し、丸くなる。



『キュウ、どうだった?』


『ラルがあもんどくれた!』


『よかったな』


『うん』



 この様子だとキュウは場の雰囲気を良くするのにかなり貢献してくれたのかもしれない。



「おかえり。随分と早いんだね」


 クルトが言った。


「まあ探知魔法を使って、すぐに獲物を発見したからな。結構早く終わったかも」


「探知魔法……さすが僕が弟子になっただけはあるね。【賢者】の才能を貰った僕よりも明らかに使える魔法の種類が多そうだ」


「流石にそれは無いんじゃないか? 今の段階で【賢者】の才能を貰ったクルトよりも優れてることはないよ」


 それだけ才能の壁は大きい。



【賢者】クラスになると、訓練せずとも相当な実力を持っているはずだ。

 加えて成長速度も化物級。


 もちろんアンナも。

 ……元気でやっているだろうか。



「僕とリヴェルどちらが強いかは気になるところだね。

 今度手合わせ願いたいね」


「そうだな。フレイパーラに着いたら手合わせしてみるか」


 ……アンナのことを考えている場合じゃないか。


 今はラルとクルトの仲を良くするために動くのが先決だ。



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