26話 実力発表の結果
【大事なお知らせ】
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『底辺冒険者だけど【魔法創造】で魔法を極めてみる 〜無能スキルが進化し、俺だけがレベルと引き換えに魔法を取得出来るようになった〜』
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実力発表から翌日。
今日の授業が全て終わると、ミルフィはクラスで実力発表の結果が書かれた紙を全員に配っていた。
喜ぶ者、落ち込む者、それぞれ違う反応をしている。
だが、クラスの様子を見るに、結果が良かった者と悪かった者は案外分かりやすい。
俺の結果はというと、
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○評価
剣の技術に身体が追いついていないため、打ち合いの中で有利を握ることが出来ていない。反射神経が優れており、自身を守る剣捌きは英傑学園でもトップクラスである。個性的で強力なスキルを短時間で練ることが出来る点は素晴らしい。今後の成長に期待する。
○課題
まずは身体能力の向上から。
────────────────────
俺に対する評価は、望ましいと考えていたものとかなり近い。
初めての実力発表は上手く乗り越えることが出来たと言える。
課題に身体能力の向上しか挙げられなかったのは、やはり弱体化しすぎたことが原因だろう。
ま、分かりやすい課題だし、弱体化の加減をもう少し緩めればすぐに解決可能だ。
これはこれで良かったと思う。
「……」
周囲をチラッと見渡すと、クロエが難しい顔で結果の紙と睨めっこしていた。
あまり結果が良くなかったのかもしれない。
一方、アンナはニコニコと結果の紙を見ており、こちらは結果が良かったんだなと一目で分かる。
「リヴェル、結果はどうだったよ」
エドワードが陽気に肩を組んで話しかけてきた。
「久しぶりだな、エドワード。結果はまずまずだな。お前は?」
「へへ、俺は案外良かったぜ。……それよりお前、ヴィンセントに目をつけられてるみてーだな」
どこか深刻な様子でエドワードは、周りに聞こえないような小声で話した。
俺もそれに倣う。
「どうやらそうみたいだな」
「お前も災難だな。あいつはどんな手段を使っても相手を陥れようとする奴だ。最大限の注意を払え」
「エドワードがそこまで言うならよっぽどなんだろうな」
「ああ、これはヴィンセントの被害者からの忠告だ。あいつを決して甘く見てはいけないぞ」
エドワードが被害者、か。
そう考えると、辻褄が合うな。
明るい性格で親しみやすいエドワードの周りにどうして友達がいないのか気掛かりだった。
まさかその原因がヴィンセントとは思っていなかったが。
「ま、そんだけだ。俺の方で何か助けられることがあったら何でも言ってくれ」
「ありがとう。そう言ってもらえるだけで助かるよ」
「はは……何かお前ならヴィンセントも何も出来ないような気がしてくるよ」
「なんでだよ」
「願望が半分でもう半分は直感だ。じゃあな」
そう言って、エドワードはクラスから去って行った。
これからの放課後は次の実力発表に向けて各々の課題を解決するために尽力する。
エドワードは早速、課題の解決に取り組むつもりなのかも。
さて、俺も二人に結果を聞きに行こうか。
「アンナは良い結果だったのか?」
「えっ、なんで分かるの?」
「顔に書いてある」
「ふふーん、そっか〜」
「上機嫌だな……。クロエは?」
「良かった」
「良かったのかよ!」
俺は思わず大声をあげてしまった。
あの雰囲気で結果が良かった、と誰が想像出来るだろうか。
「うん」
「……じゃあなんであんな険しい表情をしてたんだ?」
「それは結果が良かったから」
「ん……? 一体どういうことだ?」
「私はもっと強くならないといけないの。私は全然凄くないのに、この褒められた結果に満足することが出来ない」
そう言って、クロエは紙をぐしゃぐしゃにした。
そこまで思い詰めるほどなのか?
確かにクロエは強くなろうとする心意気は人一倍ある子だとは思っていたが、ここまでとは……。
精神的な脆さをどこか感じてしまう。
「はぁ、はぁ……っ」
ぐしゃぐしゃにした紙を握るクロエの呼吸が段々と荒くなっていく。
「ク、クロエ! 大丈夫?」
アンナが心配そうにクロエに駆け寄った。
「……うん。ちょっと先に寮に戻ってる」
クロエはそれを振りほどいて、ふらふらとした足取りでクラスから出て行った。
「ど、どうしよう。これ追った方がいい? それとも追わない方がいい?」
アンナはあたふたとした様子で、せわしなく俺に話しかけた。
「あの様子は心配だよな。とりあえず、寮に無事に辿り着けるかだけ見届けよう」
「尾行するってこと?」
「まぁそういうことだな」
「なんかちょっと申し訳ないけど、し、仕方ないよね?」
「仕方ないよ。それに怒られたら謝れば許してくれるさ、きっと」
「わ、分かった。それじゃあバレないように尾行しよう」
ということで突如、俺とアンナは傷心中のクロエを尾行することになった。
一定の距離を保ちつつ、物陰に隠れてクロエの様子を見張る。
「明らかに元気なさそうだね」
「ああ、中等部の頃からこうなのか?」
「うーん……クロエはね、凄く変わったんだ。中等部の1年生のときは凄く明るい子だったんだけど、2年生の頃には誰とも話さなくなって殻に閉じこもってた」
「そんなに変わったのか?」
それが本当ならとんでもない変わり様だ。
かなり心境の変化があったはずだ。
「うん。それから段々と落ち着いていって、今の物静かだけど優しいクロエになったんだ」
「……心配だな」
「そう。だから放っておけないんだよね、クロエのこと」
などと言っているうちにクロエが角を曲がったので、俺たちも移動しようと動き出す。
しかし、その前を二人の男が阻んだ。
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