中年お盆に帰省する
八月。気温上昇とともに活動意欲はそがれつつ、そろそろ心身共に限界ですねといったタイミングぐで夏季休暇。つまりお盆休みがやってきた。
例年通り何もすることがない私は実家への帰省を慣行。部屋の掃除もそこそこに山紫水明、青々とした山河の故郷へと向かった。
実家で待っているのは定年を迎えた両親と祖父、弟と妹。隣町の老人ホームには祖母がいる。
お盆といえば墓参りなのだろうが、私が実家に帰る目的はもう一つ。地元に残る友人と会うためだ。
私の数少ない友人達。そのうち数名が地元で働いている。
家業を継いだり、企業に就職したり、市役所に勤めたり。働き方は様々だが、皆に共通しているのは既婚者だという事だ。そしてその中には転職して今の職に就いている人もいる。Uターン転職というやつだ。
そんな友人たちと酒を酌み交わせば、話はもちろん私の転職の話になる。
中でも市役所に転職した友人からの話は私をその気にさせた。
何でも市役所への転職年齢制限があるものの、社会人経験者の採用に力を入れているらしい。内実、新卒採用者が給与にそぐわない仕事内容を理由に辞めることが多いそうだ。田舎の市役所の給料推して知るべし。
確かに土日出勤があったり、サービス残業があったり、働かない先輩所員だったり、そのくせ薄給だったり、聞いていると思わずご苦労様ですと友人の労をねぎらいたくなるのだが、地域社会になくてはならない大切な仕事だという事は伝わってくるし、少なくとも今の私の仕事より魅力的に見えた。
いや、ひょっとしたら地元で家庭を築き、社会のために働く友人がまぶしく見えただけかもしれないが、とにかく私の転職活動に、一つ情報が加わった.
公務員か。
勉強は必要だけど。公務員か。