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《闇に祝福された男の子》  作者: ふわってぃーー
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5話・冒険者ギルドへ

(くふふふふふ、お坊ちゃん都市アルト待ち遠しいですな)

(煩いなあ魔道書読んでるんだから静かにしてよ)

(くふふ、私に隠し事は出来ませんぞ。私は貴殿の中に四六時中居るのですから)

「はあ……」

「ご子息様、如何かされましたか?長旅ですからな、宿町で休息なされますか」

「いや、大丈夫だよ。有難う爺や」

現在僕ら一行は故郷から離れ都市アルトへ向かっていた。都市アルトには最高ランク迷宮は無いものの、ルーキーから中堅…上級まで幅広い層が探索できる迷宮があり冒険者の都市として有名となっている。


「貴族の坊ちゃん、アルトが見えてきやしたぜ」

「おお……あれが」

前方の森林が消えてゆき、見渡す限りに続く城壁が目に入る。貴族家の血を引くという面からか、すんなりと検問を通り抜け城内へ入って行けた。

「ひ、人多いな…」

4男という立場から物心着いた頃から山奥の別荘で育った彼には見慣れぬ光景であった。町の中には串肉や煮込みを売る屋台が立ち並びショーケースの中には様々な鎧や武器が展示されている。そんな通りを剣を背負い毛皮やフルプレートアーマーを身に付けた男や煌びやかな装飾を見に纏い弓矢を背負う女性などでごった返している。種族も様々で猫人、犬人にエルフ、ドワーフ、巨人族、そして我々小人族等が闊歩している。力がものを言う冒険者が大半を占めているこの街ならではの景色であった。

(昔から変わらないですね、この街は)

(へー、ベルは来たことあるんだね)

(そら有りますよ。私精霊ですから)

(ふーん)

精霊って長生きだしな、というか精霊に死ってあるのかな。

「爺や、我々は先ず冒険者ギルドに向かえば良いのかな?」

「はい、荷物は使いの者に宿へ向かわせますので」

「それじゃあ早速向かおうか」

(念願の冒険者登録ですね)

(……うるさいなぁ)

(くふふふ、幼い頃から賢者様みたいに迷宮へ潜るのが夢ですものね。私はお坊ちゃんが膝の上で絵本を読んでいる姿も見ているのですよ)

(はぁ…ほんと何でも知ってるんだよなコイツ)

(くふふ、有難く思いなさい。私は西方教会が出来るずっと前からこの世界に存在する偉大な精霊なのですよ)

(それ初耳なんだけど…)

(あら、言ってませんでしたっけ?)

(うん)

(くふふ、それはそれは…失礼致しました)

西方教会ができる前…という事は数千年前か。て事は古代の世界を見てきているんだよな…浪漫がある話だ。


精霊はこの世界を構築する元素やと並ぶ存在の一つである。即ち本来自我を持っておらずただ在るだけのであり、生物に利用される魔素それ自体なのである。簡単に言えば精霊が魔素を造り出している生産者であり、生物は生産者(精霊)が造り出す魔素を消費してる消費者である。

しかし、物事には常に例外がある…上位精霊と呼ばれる高位の者達には自我も持つ個体が稀に生まれ、多大な力を持つ事がある。そして消滅しない限り彼等に死は存在しない。生物とは全くの別物で、エネルギー(魔素)の塊で体が作られている精神生命体なのである。


暫しの間歩いて行くと一際騒がしそうな場所が見えてきた。

「爺や、あそこで合ってるよ…ね?」

目線の先にはギラギラと鈍く光る鎧と大剣を背負うなどしたごつい男達がガヤガヤと騒いでいた。

「はい、あの建物で間違いありません」

「ええ……」

(覚悟はしてたけど…なんか…入りにくいな…)

(くふふふ、諦めた方がよろしいですぞ。ギルド創設以来騒がしくなかったことは無い程ですから。くふっ)

(ベル…楽しんでるでしょ)

(何を仰ってるか分かりかねますな)

「それじゃあ行こうか」

「ええ、行きましょうか」

木造の両扉を開けて室内へ入り奥の受付に向け歩いていると……。

「おいおい坊主、此処は冒険者ギルドだぜ~。お子ちゃまが来ていい場所じゃねーんだよ」

眼の前に数人の男達が立ち塞がる。

(やはり絡まれましたな)

「ご子息様……」

「いやいい、僕が対処する」

爺やの心配そうな顔が伺えるがここで助けられていては舐められるだけであろう。根本的な解決には成らない。

「僕は子供じゃなく、小人族なだけです」

「あーー?嘘つけよ、ガキみてえな顔してんじゃねえか。」

男たちはゲラゲラと品なく笑っている。

「あとお前ご子息様ってよお、貴族の坊ちゃんが調子乗ってんじゃねえよ。ここじゃあ力が全てなんだよ」

「ご安心ください、武術と魔術には覚えがありますので」

「ほおー試してみようじゃねえかっ!!」

お遊びの積もりの為、全力で殴っている訳では無いにしろ一人前の冒険者が放つ一撃である。野次馬達は次の瞬間にガキが壁まで跳んで行く姿を思い浮かべていたが…。目の前には振り下ろされた拳を小さな手で掴んでいる異様な情景が視えていた。

「な、俺の一撃を……ガキが!!」

冒険者はプライドで生きている様なものである。速攻で頭に血が上り今度は本気で拳を振り上げ今にも殴り掛ろうとするその時であった。二度の小さな爆発音が聞こえ空気を切り裂く聞いた事の無い音がし、目の前で肘と膝から血飛沫が立つ。声にならない叫びを放ち男が膝をつく。

「おい、私の前で男の子を虐めるとは…覚悟は出来てるんだろうな」

低めの女性の声が聞こえ、自分より少し背の高い猫人が歩み寄ってくる。

「て、手前!よくもダリルを!!」

「だ、旦那……あんたは最近まで迷宮に潜ってたから知らないだろうけど、あいつルーキーのくせにゴッツ強いんすよ」

「ああん!知らねえよ!こっちはもうやられてんだよ!」

「だからでっせ、1回引いて体制を建て直しましょ、ね?」

「ちいっおめぇら覚えてろよ!」

跪く仲間を背負い連れて怨みを込めた目線を向けながら彼らは立ち去って行った。

(か、かっこいい…そして滅茶苦茶強い)

(あの武器初めて見ましたな、私が聞いたことも無い武器があるとは…それにとても強力な様で…)

((仲間に欲しいな(ですな)))

「ご、ご子息様っお怪我はありませんか!」

1人だけ慌てふためく、お爺さんがいた。







ミリタリーも好きなんですよね僕(*´ω`*)

基本的に作者の趣味が爆発します。

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