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プロローグ

 


 久しぶりに見た世界は(すさ)んでいた。




 慌てて(すみ)から隅までみていくが、多少ましな場所はあるがほとんどの土地で人々の心は荒んでいた。

 どうやら引きこもっている間に戦争が起き、そこから食料不足や自然破壊、治安悪化、多種族との諍いなどが引き起こされたようだ。


「 なんかやばいかもしれない⋯⋯ 」


 そう呟いた、空に浮くふわふわの大きなわたのようなものに乗った男。

 彼はこの世界の神である。

 神は長く美しい緩く波打った白銀の髪を風になびかせて、白くゆったりとした絹のような何かで作られた服を纏っている。

 まさしく神々しく優美な佇まい。

 だがおかしな所が一つあった。まるで幼児がお遊戯会でつけるような、可愛らしいうさぎのお面をつけていた。


「 私が直接手を出すと下に住む人々の精神にあまり良くない 」


  か弱い人々が神を目にすると、あまりの神々しさに気が触れる者が出てしまうのでそれは避けたい。

 何やら考え込む神が思い出した様に手を一つ叩いた。


「 こういう事は子供達に任せよう! 」


 いい事を思いついたと声が明るくなった神は、さっそく修行中の、人との間に生まれた子供達を呼び出すのだった。






─────────⋯⋯⋯⋯






 なにかに呼ばれている気がすると青年は思った。

 とてつもなく遠くて不透明な声である。

 だが、聞いたことのある声なのだ、でもどこで聞いたのか思い出すことは出来ない。


「 お前は、誰なんだ⋯⋯? 」

「 俺は松田だけど⋯⋯、とうとうゲームのしすぎで頭がおかしくなりやがったな。現実とゲームの区別がつかない若者呼ばわりされるぞ 」

「 ⋯⋯あっそうだ。俺の目の前にはサッカー部で1番()ない男、松田がいる 」


 朝の高校までのいつもの道、隣には青年の顔を覗き込むいつもの友人がいた。


「 学年で1番冴えない男に言われたくねぇな 」

「 ⋯⋯俺にはゲームがあるから 」

「 ⋯⋯⋯⋯そうだな⋯⋯ぷっ 」


 松田は青年を(あわ)れむような、だがどこか勝ち誇った顔をしていた。


「 俺はサッカーでは、お前に勝てないがゲームでならお前に勝てる 」

「 神島、お前かっこつけてるけど全然かっこよくないぞ。⋯⋯しかもサッカーの試合のこともゲームっていうからややこしいしな 」

「 ⋯⋯確かに 」

「 まぁそれはそうとして。この新しいゲームアプリのスコア1位、ゴッドアイランドってお前だろ⋯⋯ 」

「 なぜ⋯⋯それを⋯⋯ 」

「 完全無課金で遊べるゲーム、そしてゴッドアイランド⋯⋯神島お前しかいないだろ 」

「 神島だからゴッドアイランドなんて単純すぎだろ。おっ俺じゃないし⋯⋯ 」

「 ⋯⋯へぇ、そういうことにしといてやるよ 」


 そんなことを男子高校生2人は話しながら交差点にさしかかる。信号で立ち止まっていると松田が神島に声をかける。


「 あのさ、俺。⋯⋯レギュラーメンバーに選ばれた 」

「 ⋯⋯えっ。⋯⋯すげぇな!! うちの高校サッカー部員多いのに!! ⋯⋯よかったな!! 」

「 ありがとう。朝練ももっと早くからやろうかと思ってな。お前と一緒に学校行けなくなるかも 」

「 お前そんなに俺のことが⋯⋯ 」

「 やめろ、純粋に気持ち悪い 」

「 まだ言ってないのに全力で否定された 」


 2人が話している間に信号が赤から青にかわる。

 神島は、先に歩き出した友人に迫る、一台のバイクが目にうつった。

 一瞬の出来事であった。神島は松田をかばってバイクにはねられた。


( ⋯⋯サッカーの試合頑張れよ )


 なくなっていく意識の中、そんなことを神島は思った。






 そして、完全に意識をなくした次の瞬間。


「 あっ僕、神の子でした 」


 神島改めて神の子エリク。父である神に呼び出され地球での修行を終え、自分の世界に帰るのだった。






2/26下部分付け足しました。

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