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閉鎖空間


其処は喧騒から隔離され


酒と煙草の薫りが交わっていた


帰り際の二人に


また逢う約束は無く


みつめられぬ地平線に


だんだんと記憶が沈んで逝く


耳を塞ぐヘッドフォンから


自傷癖の淑女の唄声


秋雨上がりの空に弓が張る


貴女の体温を感じながら


夜を越えたいだけで


そんな願いは叶う筈も無く


マタリの湯気の向こう側


僕はまた幻を視てしまう



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