何で疑問形なんだ
未来に馬頭される。
正直どうして? って感じ。そんな大声で非難されるようなこと言ったつもりないんだけど。
「ちっがうでしょ! せっかく誘ってるんだから受けろって言ってんの!!」
「顔が近い顔が近い」
そんなに近づかなくても聞こえてるから。何故か顔が朱色だし。
つーか何でそんなに私を誘ってくるかなあ…嬉しくないってわけじゃないけど若干めんどいのよねえ…。
「めんどいってアナタねえ…どっちにしろ競技には出るのよ? 子供みたいに嫌だ嫌だなんて言ってられないんだから」
「そりゃそうね。でも未来は一つ勘違いしてるわ。私だって単純に嫌だからって断ってる訳じゃないんだからね」
私だって子供じゃない。
いくら体育祭が嫌だからってそれだけの理由で断るわけがないのだ。もっと別の理由がある。
「なによ理由って?」
「逆に聞くけどホントに分かんないの? 断るのはむしろ未来の為って言っても過言じゃないんだけど」
「私の為? んー……?」
360度分かりませんといった顔の未来
まあ隠す事じゃないけどさ。ひとしきり諦めると私は言った。
「私と組むと香蓮がうるさいわよ」
「ひいっ!!?」
「いやひいって」
嫌いなのは分かるけどさすがにひどくない? そのリアクションは。
「あー…さいっあく! 完全に忘れてたわアイツの存在」
「マジ? 私的には天敵に見えてたんだけど」
「天敵だから忘れたいの! どうしてあなたの周りって変な奴が多いの」
「酷い言い方ですね」
ちょっと憤慨。
でも確かに言われてみれば変な奴は多い。
香蓮や涼は言わずもがなだしお父さんも変態だ。
なんだかなあ…よくよく考えてみるとこんな環境にも関わらず自分がまとも過ぎて怖いぐらいね。
「アンタも十分酷いわよ」
「おい」
「んーでもどうしよう…確かにド金髪に絡まれるのはネックだけど、アイツに忖度して如月と組むのやめたくないし…」
「あっそ。じゃあ組む?」
「えっ!?」
「何よその驚きは。言ったでしょ? 別に未来が嫌じゃなけりゃ私に断る理由はないの。体育祭は確かに嫌だけど断る理由にはならないしね」
私だって子供じゃない。
そもそも始めに組むのを躊躇ったのは香蓮がいたからだ。
それを知ってなお未来が組むかどうか悩むっていうのなら一緒に出てみようじゃないか。
「じゃ、じゃあ…出てみようかしら…?」
「何で疑問形なんだ」
人差し指で髪をクルクルしている。何を照れてるんだか。
にしても体育祭かあ。完全に忘れてたけどこうやって準備が進んで行くと何故かやる気が出てくるのが不思議だわ。少しだけだけどさっきまでがウソみたいに楽しみになってくるし。
そんなちょろい自分に笑みをこぼしつつ次の授業の準備をする。
「ぎギギギ……」
教室の入り口から放たれる悪のオーラに気付かぬままに。
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