表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の妹(姉)が可愛すぎる!  作者: カオルコ
9/123

私はコイツに会いたくない

 教室の窓際で一番後ろ。


 この目立たなくも風通しが良い最高の席が私の現在の定位置である。


 私みたいにボッチでなくとも一度はこの席に憧れる人は多いだろう。


 授業中に先生に指名されない、夏は涼しい、外の景色で気分転換が図れる。


 その理由は様々で千差万別。中には何となく窓際が良いという人もいるだろう。ファミレスに入って理由もなく隅の方の席に着く人が多いように。


 ただ、じゃあ私も理由もなくこの席が気に入ってるかといえばそういうわけではない。


 私には確固たる理由がある。

 …って別に大した理由じゃないんだけど。


 昼食時、基本友達のいない私はひとりで食べるのだぬが、やはり圧倒的に目立ってしまうのだ。


 入学式、GWと過ぎて今や五月下旬。


 人間関係はすでに出来上がっている。


 私は別にひとりでも気にしないが、その他が一緒に食べているから目立ってしまうのだ。


 女は群れる生き物だし協調性が何より大事。


 〝右向け右〟と言われて左を向けば異端児扱い。


 簡単に言えば悪目立ちしてるのだ。


 これが男だったら悲壮感も無いんだろうけど、女だと尚更にね。


 まあ、かと言って周りに合わせて気をつかうのも疲れるし、だからこそ媚びたりは一切しないんだけど…。


 なんだろ、なんかこう考えてると自分が人間的におかしいんじゃないかと思えてくるから不思議だ。なんだこれ鬱か? いやそれはないか。


 ともあれ、これが私が今の席を気に入ってる理由だ。


 至極単純で明快。


 分かりやす過ぎて説明の意味を疑うほど。


 いや…でもね……

 

 最近ちょっと毛色が変わってきたんだよね…目立ちたくないって言ってんのに。



 四限目が終わり昼食の時間がやってくる。


 私はチャイムと同時に鞄を手に教室を出ようとする。


 何故か? 


 それこそ答えは単純だ。



「あああーーーー!!! また逃げようとしてる!! いい加減逃げんな!! 如月凛!!!」



 ロングの金髪に宝石のような蒼い瞳。


 まさに絵に描いたようなハーフの美少女。


「うあー……最っ悪」


 私はコイツに会いたくないのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ