何事も優先順位ってものがあるんだから
『…ってなことがあったのよ』
話し終わると電話の向こうで一息つく。
冷静に言いながらも納得してないといった心情が伝わって来る。
それは私も同じだった。
話し聞いてる分には姉は迷ってる感じだったのにどうしてデートする破目になっているのか?
まあどうせお姉ちゃんは変なところで優しいからデートに行くことにしたんだろうけどそれにしてもなに? どうして香蓮さんは姉を止めなかったんですかっ!? そっちのが信じられないんですけど!
『突然キレるわね…でもしょうがないでしょ』
「何がしょうがないんですか」
『凛がわたしの言うこと聞くと思う?』
「自分で言ってて悲しくないの?」
この人は高飛車なのかそうじゃないのか分からない時があるんだよなあ…。
『別に悲しくありません。事実を受け入れるのもまた成長に繋がるんだから』
「普通にウザがられてるけど…」
『うるさいです。というかもう切っていいかしら? 先程も言いましたけどわたくし今からデートの尾行に向かいますの。変な輩から凛を守らなくちゃいけませんし』
いち早く外に出たいのか香蓮さんが急かしてくる。
そんな急かされても…。
私はどうしよう?
そもそも聞いたところでその先の事を考えていなかった。
「一緒に来ますか?」
「え?」
「一緒に来るかって聞いてるの。総務部の部長も一緒だけど迷ってても何も始まらないでしょ? どうせ気になるんだったら来ればいいじゃない」
何とも意外な提案だ。
香蓮さんは私の事が嫌いだと思ってたけど気持ちを察してくれたのだろうか。それとも哀れだと思われてる?
…いやそれはどっちでもいいか。
だって答えは決まってる。
「……どこに行けばいいですか?」
気になる心にウソはつけない。
だから迷ってる暇はない。
私は集合場所を香蓮さんから聞き出すと電話を切る。
服を着替え終わると八時半。
デートには十分間に合いそう。
え、勉強はどうしたって?
そんなのは帰ってから致しますよ。
だってそうでしょ?
何事も優先順位ってものがあるんだから。
私は後ろ手にドアを閉めると小走りで集合場所へと向かって行った。
読んで下さりありがとうございます。
でもすいません。短いです。
次回は三千字ぐらいで更新します。
よろしくお願いします。




