矛盾してるんじゃないですか、裁判長?
波辺に着くと『お姉ちゃん』と聞き慣れた声がする。まあ聞き慣れる前にお姉ちゃんなんて呼び方するのはこの世でただ一人しかいないのだが。
楓がこちらに駆け寄って来た。
「どうだった香蓮さん?」
「大丈夫そうだったわよ。もうすぐで鼻血止まりそうだから」
「ホントッ!? 良かった…」
「………」
…意外だな。
と、思ってしまったのは失礼だっただろうか。
でも香蓮とは犬猿の仲なのにこんなに心配してるだなんてやっぱり意外だ。どういう心境の変化なの?
「だってあれでもし死んじゃったらお姉ちゃん性犯罪者になっちゃうよ?」
「なるかバカ! しかもなんで性犯罪者なのおかしいでしょッ!?」
「いやいや…全然可笑しくないから」
プークスクスと楓。
クッソ腹立つ…なにこれ私がおかしいの?
「おかしいです。というわけでこれ」
「なによコレ?」
手渡されたものを両手で広げてみる。
すると短めのホットパンツだった。なによこれ私のじゃん。
「お姉ちゃんはそれ履いてて。水着の破壊力が凄すぎるから」
「なんでよっ! そんなの履いてたら買った意味ないじゃない!」
私は断固抗議する。
せっかく海まで来たのになんでそんな制限かけられにゃならんのだ。
大体楓だってビキニ着てるじゃない。どうなのそういうの? ん? どうなの?
矛盾してるんじゃないですか、裁判長?
「私は良いの」
「は? なんでよ」
「……胸がないから」
「あ…うん…」
重い沈黙が流れる。
胸の大きさ何て気にしなくていいんじゃない? とは思うものの口には出さない。もちろんある人が言うのは嫌味になるし、私だって地雷を踏みたい訳じゃない。でも、一応謝っておこう。ごめんね楓。
「謝らないで。悲しくなるしプライド折れそう」
「どこにプライドもってるのよ」
「うるさい。とにかく大人しくそれ履いてて。本当はTシャツで胸も隠したいんだから。でも濡れちゃうと余計にエロいから止めてあげてるんだから。感謝してよホント」
「…はいはい分かりました」
まさか水着ごときでこんなに馬頭されるとは。
女の嫉妬は怖いなあ…。
まあでも疲れた身体で家に帰って嫌味言われたくないし。今日は楓の言うこと聞いておこう。
「ん? お姉ちゃん聞いてないの?」
「なにがよ?」
主語が無さ過ぎ。
『なにを』私が聴いてないのよ。
「今日泊りだよ。金髪さん家の別荘に」
「……は?」
ごめんなさい。短かったですね。
またすぐ更新します。よろしくお願いします。




