新陳代謝が低いのね
滲む汗。
拭いても拭いても滴り落ちる。
現在七月の午前八時。
うだるような暑さとはこのことだろう。
今年の夏は例年通りという訳にはいかないらしい。
テレビでは連日熱中症対策が叫ばれ(ちなみに熱中症が原因で亡くなられた人も一人や二人じゃなかった)学校では外での体育禁止という前代未聞の状態となっている。
原因が地球温暖化なるものが原因なのかは不明だが、この事実だけでも異常気象というのが窺い知れる。
「ほんとマジなんなのこの暑さ…扇風機も意味ないし」
ブーンと気のない感じで扇風機が左右に首を振る。
気温が気温なだけに扇風機ならぬ温風機と化している。
「こんな時に限ってクーラーも調子悪し」
ジト目でエアコンに目を配るが当然答えは返ってこない。
この家では二台中の一台。唯一無二のエアコン様。
実をいえば如月家ではエアコンが二台しかないのだ。
何故かといえば…まあ父親はエアコンとかそういう機器事態を軟弱の一言で片づけるような人だし、お母さんは扇風機があれば十分とかいうし。新陳代謝が低いのねきっと。…こんなこと言ったら殴られるけど。
「その内の一台が使えないってどういう事よ。わたしに死ねっていうの?」
ため息と同時に汗が床におちる。
初めは気持ちよかったフローリングも体温で暑くなってきた。
「………よしっ」
私はそのまま寝転がると、
「うんしょっ…と」
ミノムシみたいに移動を開始する。
無論、冷たい床面を探して。
まああえて始めに言っておこうか。
バカな移動方法だというのは自覚している、と。
でも、誰も強くは私に言えないはずである。
みんな一度はやったことあるだろうしね。
「いや、無いけど」
寝たままの格好で首を後ろに向ける。
案の定、呆れた御様子の妹様がこちらを見下ろしていた。
ご無沙汰してます。
更新遅くてすいませんでした。
また、ちょこちょこ書いていきますのでよろしくお願いいたします。




