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ロイヤルズと代理人の青年?!  作者: siro


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報告です。

 カールは、うんうん唸りながら机に向かっていた。机の上には報告書が広がっている。ソレと一緒に、国王から秘密裏に渡された手紙も同封させるのだが、問題は自分が書く報告書だ。

 とりあえず、謁見内容は覚えているかぎり、ふわっと記述をしたが問題なのはその後だ。庭園で声をかけられた人の特徴と、舞踏会で声をかけられた人の特徴や内容を箇条書きで書いて行く。

 そして何よりも、ロイヤルズのメンバーに入った事はちゃんと伝えないと不味い、カールの主はアムストラ辺境伯なのだ。彼に不利益な事はしてはいけない、それとメンバーの名前と経歴をずらっと書き出してみた。


■ジェームズ・フュルスト・ドゥ・アインス

 宰相であるアインス公爵の跡取り息子で、今年17歳、エメラルドグリーンの瞳に、ダークブロンドの髪。もともと、殿下の御学友として宮廷に出入りしている。まだ公にしていないアムストラ辺境伯の怪我の事も知っていました。


■フィリップ・グラーフ・フォン・アイゼンシュタット

 アイゼンシュタット伯爵の息子で次男、18歳。殿下の側近。栗毛に濃いグリーンの瞳、魔法学校の紋章をつけていたので、通っている模様。


■ペーター・ヴァイカウント・ツー・ヴァイスコップ

 ヴァイスコップ子爵の息子で三男、14歳。殿下の側近。ふわふわの金の巻き毛で、くりっとした茶色の瞳と愛らしい顔立ち、ご婦人方に可愛がられている様子。新興の子爵で、領内の特産物はワイン。


■ジークハルト・バルテン

 宮廷音楽家の息子で、16歳。緩やかなウエーブがかった黒髪に、赤茶の瞳。ヴァイオリンとチェンバロが得意。殿下とは、父親にが殿下にヴァイオリンを教えていたため出会い、歳も近い為、そのまま御友人に。


■レーオンハルト・バローン・フォン・ヴィンチ

 ヴィンチ男爵の息子で三男、17歳。焦げ茶の髪に、アイスブルーの瞳。変わり者らしく、いつも何か設計図を描いているそうで、サロンでも何かメモをしていた。


■ハイリンヒ・クローンプリンツ・フォン・ヒルザイト

 王太子殿下、17歳。アッシュブロンドの髪に、赤みがかった紫の瞳。アムストラ辺境伯の方が詳しいと思います。



っとこんな感じにしかまだ分かっていない。

もうこれ以上はひねりだせないーっと思いながら、手紙の封をして、アムストラ辺境伯の紋が裏についている木箱に入れた。それに紐でしっかりと結び、その上から封蝋を垂らし、自分のイニシャルが入っているシーリンぐを押し込んだ。


それを持って、カールは駅馬車へと向かった。

ひしめき合う入り口を過ぎ、護衛騎士の間に入り挨拶をすれば、領内から来ている顔見知りの騎士がいた。

「コニー!」

短髪の焦げ茶の髪の毛で、日焼けした肌に小さい傷が着いている男、コニーは二カッと笑った。

「おう、カールか。お勤めどうだった?」

「なんとか!無事に終わったよ。」

「そうかそうか、それは良かったな。辺境伯に報告書送るのか?」

カールが小脇に抱えている箱を見て、コニーは聞いて来た。

「うん。そうなんだ。今回、手紙を担当しているのは誰?」

 アムストラ領内への手紙は、基本駅馬車の警護をしている騎士がやっているのだが、手紙を運ぶ者は、何があっても領内へ単独で戻れる人間が選ばれている為責任も重大だ。

その為アムストラ領の騎士は二人ないし、三人一組で行動をしている、というのは余談だ。

「エドガーだ。今ちょうど、お昼に行く約束をしてるんだ。一緒に行くか?」

「本当?いくいく!」

カールは嬉しそうに頷いた。丁度その場所にエドガーが来た。

「おう、遅くなった。」

「いや、ちょうどカールが来てたんだ。報告書だってよ。」

エドガーはカールから渡された箱を受け取り、頷くと手に持っていた箱が消えた。

「エドガー、空間収納使える様になったの?!」

カールが驚いて聞けば、にやりっと笑顔で答えた。

「まぁな。この俺にかかればな」

ドヤ顔で決めたエドガーにコニーが横やりを入れる。

「10年かかったくせによ」

と、同時にエドガーのケリが入った。

「いいなーいいなー!僕にも教えてよ!」

カールはエドガーの周りをぴょんぴょん跳ねながらねだった。それを覚えれば、余計な荷物が減るのだ。

「あぁ?教える分けないだろ。お前の魔力量だと、多分無理だ。それより行くぞ」

「ちぇ〜」

口を尖らせたカールに、エドガーは苦笑した。混雑する駅馬車の入り口を抜けて外に出れば、町中で食べ物の良い香りがする。お昼の支度で各家や屋台等が匂いを漂わせているのだろうか。

「まぁ〜シャルロッテ嬢なら出来るかもな。」

ぽつりと呟かれた。

「そっか〜。シャルロッテに頼もうかな〜」

「やめとけ、男嫌いのお嬢に俺が教えられる訳無いだろう?」

「そうだよね〜」

カールは頷きながら肩を落とした。


 2人に着いてきながら、王都の公園に辿り着いた。そこには小さなお店が並んでおり良い香りが漂っている。お店というよりも屋根付きの小さい厨房だ。そこでは、手持ちできる料理が作られ売られている。

カールはそこで、ソーセージとキャベツの酢漬けと一緒に挟んだサンドイッチを買った。二人はそれ以外にもポテトと、オニオンの揚げ物と、ビールを買っている。

適当な場所に座り込んで3人仲良く食べはじめた。

「それにしても、お前早起きだな。舞踏会って朝までやってるだろう?」

「ん〜途中で抜け出したからね。本物の貴族の人達は、朝まで楽しんでたみたいだけど。」

「へ〜やっぱ王宮は違うんだな〜」

「舞踏会の後は、だいたい、使用人は楽だって言うもんな。お昼過ぎまで寝てるらしいぜ。」

「そりゃ、朝まで踊ってれば疲れるだろう。」


そんなくだらない話をしながら、公園でくつろぐ町の人達を見てれば、ざわめきが広がって来た。

「なんだろ?」


訝しんで見ていれば、近くを歩く令嬢が使用人に耳打ちされて小走りになった。

「お待ちください、お嬢様!」


「そんな事言ってられない!私もロイヤルズみたいもの!」


そう叫んだ事で、カールはざわめきの理由が分かった。

「なんだ、ロイヤルズ樣方がいらしゃってるのか」

そう呟いたエドガーに、カールは聞いた。

「有名なの?」

「この王都ではな。年頃のお嬢さんにとっては絵に描いたような王子樣方だからな」

「だな、しかも一部は平民だ。あわよくばって思うお嬢さん達も居る」

そう言ったのは、コニーだ。

「詳しいだね。」

カールが関心して言うと、エドガーが吹き出した。

「ちがうちがう。コニーは彼女に降られた原因がロイヤルズなんだよ。彼女がそのメンバーの一人に一目惚れして、振られた」

「わぉ」

それはちょっと可哀想だっとカールは思った。

「うっさいわ!俺だって、その場にいたら格好良く助けたっつうの!」

「だが、その場に居たのはロイヤルズのメンバーだったんだ、しょうがない」

「へー?」

 カールが不思議そうに相槌をとれば、エドガーが嬉々として教えてくれた。どうやら、領内に戻っている時に、彼女が暴漢に襲われた際に助けたのがロイヤルズメンバーの一人で、令嬢の様に優しく介抱されて惚れてしまったらしい。確かに、あのメンバーは皆優雅だったな、カールは思った。


 お昼を食べ終われば、二人とはそこでお別れだ。この後騎士仲間の引き継ぎと飲み会があるとか。カールはそのまま公園内を散策する事にした。ついでに、ロイヤルズのメンバーでも見ようかなっと思ったのもあった。公園の反対側は、噴水が一つあり、憩いの場としてベンチや、子供が乗れる様にポニーが繋がっていた。もちろん有料だ。すれ違う女性達の話からすると、どうやらロイヤルズのメンバーは既に移動済みのようだった。

 カールは、そのまま公園を出て町の散策をする事にした。フラフラ歩いていると、教会に着いた。中に入れば、どうやらパイプオルガンの調整の最中だった、空気を振動させる音が教会内に響き渡り体を包み込む。祈りの場所に並べられている椅子に座り、カールはぼーっと聖域をみつめた。この国が信仰しているのは大地の神だ、様々な神の母と呼ばれている。教会は、どの時間帯でも聖域の場所に光りが当たる様に設計されている。その場所だけが光り輝き綺麗で、心が落ち着く情景だとカールは思う。思ってた以上に疲れていたのか、大きなため息が出た。

一音一音確かめる様にパイプオルガンが鳴り響き終わると、調律師の人が、一曲弾きはじめた。


カールはその曲を聴きながら神に問うた。

「ねぇ、神様、僕はここまで生きて来れた、強くなったと思うんだ。僕たちは・・・二人で一人だ。」

カールは祈る様に両手を握りしめた。

「僕は、シャルロッテを守る為に産まれたんだ。」

まるで祈る様にすがる様にカールは呟いた。



「カール?」

カールを呼ぶ声に振り返れば、そこにはレーオンハルトが立っていた。手には大きめなノートを抱えていた。

「レーオンハルト様」

「レオでいいよ。それにしても、このマイナーな教会にくるなんて君も、カリングロ建築に興味が?!」

興奮したように近づいて来たレーオンハルトにカールは驚いた。

「カリングロ建築?」

初めて聞く名前にカールは首を傾げた。

「そうだよ。この教会は出来たのがとても古くてね!」

と声を上げたとき、咳払いが響いた。どうやら興奮しすぎて声が響いていたようだ。

「場所を移しましょうか」

カールが苦笑すると、レーオンハルトも頷き、そのまま教会の庭に出た。

「僕は、たまたま散歩をしていて、この教会に入っただけなので、その建築目当てで入った訳じゃないんですよ」

カールが申し訳なさそうに言えば、レーオンハルトは残念そうにした。

「そうなのか。カリングロ建築は素晴らしいだよ。現在の教会の建築の基準となってるんだ。何よりも聖域への光り焦点をあてる技術!装飾は殆どないけど、その技術力が素晴らしいだ。この建築は、特に光りに対して造形が深いんだ!そのかわり、天体や季節、方角とか事細かに決められた事が多いだけど!」

「は、はぁ」

カールは顔を引きつりながら頷くも、レーオンハルトはなおもこの教会の建築の良さを語っていたが、途中からほぼ右から左へと流れていた。

一通り話し切ると、レーオンハルトはハッとした表情でカールを見た。

「あぁ!!ごめん!!ついつい熱くなっちゃうんだ。ハイリンヒに、すぐ一人で熱くなって語っちゃうのは僕の悪い所だって言われてるんだ。はぁ〜」

「いや、でも凄い知識じゃないかな?僕は生憎、建築には詳しくないけど。そんな古い時代に教会建築の基礎があったなんて初めて知ったし。」

「でしょ!凄いだよね。何より、この教会って現在の城の基盤が出来たときと同時期に作られたっぽいんだ!ちょっと不思議じゃない?昔の町の地図からすると、ここは王都の外壁の外にあるんだ。完全なる外。ほら」

そう言って見してくれたのは、ノートの中身だった。そこには、王都の地図と昔の地図が手書きで書かれていた。

「本当だ」

「でしょ!建築にはこういう、歴史的な謎も秘められていて、楽しいだよ!建築士のこだわりがあったりさ」

まだまだ、続きそうだなっとカールは思いながら、丁度暇だしなっと思ったのと、歳の近い人と話す事が少ない事もあり、そのまま夕方までレーオンハルトの話を聞いて一日は終わった。



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