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ロイヤルズと代理人の青年?!  作者: siro


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物語「薔薇の妖精と王子」より、恋の風


王都にある伯爵家の綺麗な庭園でシャルロッテはとある御夫人とお茶会をしていた。


「グロリア様は、”薔薇の妖精と王子”をご存知ですか?」

優雅にお茶を飲みながら聞いて来た御夫人に、シャルロッテは緊張した面持ちで聞いた。

「えぇ、知ってますよ。最近流行ってますからね。小歌劇オペレッタにもなって、今度上演されるのよ。でも、ロッテが恋愛小説を聞くなんてどうしたの?」

「お手紙で、その・・・。本と同じような文面で届きまして。」


「まぁ!ロマンチック。どんな文面なのかしら?恋文が届く何て凄いじゃない!やっぱり文面は、あの王子と薔薇の妖精の恋が恋に落ちた後のシーンかしら!良いわよね。そうだわせっかくだし、今度その小歌劇オペレッタを一緒に見に行きましょう。確か、何席か抑えていたはずだわ!大丈夫よボックス席だからね」

興奮したまま、侍女を呼んでチケットの手配を仕始めたグロリアにシャルロッテは、聞きたい事がなにもけずに終わった。話の腰を折るのも気が引けたので、純粋にオペレッタに行ける事に感謝した。

「嬉しいです!グロリア様、オペレッタなんて行った事が無いので。」


「ふふふ、それはよかったわ、あら、ロッテったら、さっきからお茶が減っていないわよ。」


「あっ、申し訳ありません。」

シャルロッテは慌てて紅茶を飲んだ。

というのも、今日はいつも領内でマナーを見てもらっている伯爵夫人なのだ。シャルロッテと同じくらいの年齢の孫が居る年齢で白髪が交じってはいるが、歳を感じさせない程ピンっと伸びた背筋に柔和な笑顔で美しい御夫人なのだが、マナーに厳しくシャルロッテはいつも緊張してしまうが今日はいつも以上に緊張だ。

その様子に、ん〜っと何かを考えたグロリアは

「はぁ。シャルロッテ、せっかく王都に居る訳ですし、お茶会に参加しましょうか」


「え?!」


「そうすれば、慣れるし緊張する事も少なくなるでしょ?貴方は”初めて”の場所にとっても弱いわ、来年は社交デビューよ?今よりももっと緊張してカチコチになってしまう貴方が浮かぶわ。デビューの年はあちこちのお茶会に参加するのが義務ですしね、なるべく緊張する事を減らす為にもね」

 その言葉に、来年の事を考えてしまいシャルロッテはとたんにお腹が痛くなって来た。何よりも先日届いた王子の手紙の内容もあった。

「うっ・・・そうですね。」

グロリア夫人が言う事はもっともな事だ。



さて、胃を痛くしているシャルロッテはどうしてこうなったんだろうと小さくため息をついた。その原因は数日前までさかのぼる。



カールが王子から手紙を受け取った日。早速手紙を開封したシャルロッテはその内容に顔を赤くした。

シャルロッテの頭の中には最近流行っているオペレッタにもなった「薔薇の妖精と王子」の映像が頭の中に流れた、というのも貴族の決まりの挨拶の文章から流れる様に書かれた2枚目の内容は、流行の小歌劇オペレッタを捩って書かれていたからだ。


 王宮という森に迷い込み途方に暮れていると、小さな紅い薔薇の香りに誘われたのです。昼夜の間、現世と妖精の世界が混じりあう幻想の時間に迷いこんだ先に、赤い薔薇の妖精が羽を休めているのを見つけてしまった。

 好奇心で瞳を輝かせる、その可愛らしく美しい姿を眺めるだけのつもりでした。だって、貴方は花開く寸前の小さな薔薇の妖精。

 貴方に触れる権利を私持っていない、そして話しかける権利も。無粋すぎると分かっていたので遠くから眺めるだけのつもりでした。でも、この王宮から飛び立とうとしているのに気づき思わずその前に姿を現してしまった。妖精の貴方が驚いて消えてしまうと分かっていたのに、浅ましくも貴方をもっと近くで見たいと思ってしまったのです。

 貴方の薔薇が早く咲いて欲しいと身勝手にも思い、時の神を恨ましくなってしまった、花開く時期だというのに、貴方はまだ柔らかな莟の小さな妖精だ、出会うのが来年の貴方の花の時期であればこんなにも胸を焦がす事は無かったのにと。

 それでも、誰よりも早く来年花開く薔薇を見れた事も嬉しく思うのです。ぜひとも貴方の花開く時には、妖精の君。


 貴方の最初のダンスを踊らせて頂く栄誉が欲しい。

 

 青の森の王子、ハイリンヒより


シャルロッテは手紙を握りしめて顔を赤らめていた。だが、とうとう奇天烈な声をあげて座り込んでしまった。はしたないが、そんなの構っていられない程、シャルロッテは突っ伏して現実が受け止め切れていなかった。この話では青の森を支配する王国の王子と妖精の国に住む薔薇の妖精とのやり取りだが、この手紙の主は本物の王子だ、この国の王子だ。


「ねぇ、なんて書いてあるの?」

カールは鏡の向こう側から聞いた、というか手紙を渡したら強制的に見れない様にされてしまった。基本的に情報は共有しあうのに、手紙の内容だけは共有されない。だから、シャルロッテに聞くしか無いのだが、答える様子が無い。


「チャーリ!僕が雑貨も取り返したし、上手く誤摩かしたんだよ?ハインツの手紙はそんなに恥ずかしい内容なの?」


「恥ずかしい?!恥ずかしいって物じゃないわ!こんな手紙、物語の中だけだと思ってた!今流行の小歌劇オペレッタよ!?!」

シャルロッテは思わず顔をあげて叫んだ。

「ふむ・・・僕のシャルロッテは妖精みたいに可愛いってさ」


「小さな薔薇の妖精?!夕焼けがみせた幻想?!何それ?!無理よ!まって、現実が受け止めきれない!どうして?!やーーー」

手紙の内容を思い出して、また顔を赤くしながら突っ伏してしまった。

「ん〜とりあえず恋文だったんだね。ねぇねぇ、僕も読んで「だめ!」」

速攻で遮られてしまい、カールは残念そうにいった。

「だよね〜。はぁ〜やっぱり手紙なんて受け取らなければ良かった」

ふて腐れながらカールは呟いたががその声はシャルロッテには届いてなかった。王子から貰った手紙で頭がいっぱいだ。

「返信どうしよう!!王子様になんて何て返せば良いの?!」

 シャルロッテの浮かれ具合にカールは面白くなかった。ハインツは一目惚れらしいのだが、カールが先に会って友人になり親しくなったのに、その後シャルロッテとも会って惚れたというのが、何だが納得がいかなかった。二人の体は一つだ、つまり同一人物でもある。違いは中身だけだ。

「ありがとうっでいいんじゃない?チャーリはデビュー前なんだからさ」


「そうだけど、そうだけどぉ〜。」

手紙を大切そうに握りしめながら、恋する乙女の顔をするシャルロッテをカールは初めて見た。

「ねぇ、チャーリ。ハインツは王子だよ。チャーリは男爵だ、身分があわないよ。」

カールは複雑な気持ちだった、嫉妬のような気がするがどちらにしているのかよく分からない。身分違いの恋に溺れて不幸になって欲しくない思いもあってカールは強く言ってみた。


「・・・分かってるわよ。それは、カールが言ってたじゃない。恋に恋してるんでしょ?私だって恋に恋いしたっていいじゃない?王子様と結ばれるなんて思ってないわ。何より身分が釣り合わないし。」

小さくため息をつきながら、また手紙に視線を戻したシャルロッテは、また嬉しそうに読み返している。

「それなら、良いんだけど・・・なんか面白くない」

カールがぽつりと呟けば、シャルロッテはやっとカールを見た。

「・・・・」

シャルロッテはやっとカールが拗ねている事に気づいた。しまったと思ったが、こんな事は初めてなのでどうしたものかと、手紙で口もとを隠しながら思案した。


「カールがロイヤルズの人達と遊んでるときは、あんまり情報共有してないじゃない?だから王子様がどんな人なのか知らないし。雲の上の存在なのよ?」


「それは、分かってるよ。僕もまさか友人に選べるなんて思ってなかったし。」


「でしょ?だからびっくりして興奮するのはしょうがないと思うの。」

首を傾げながら、鏡に近づいた。

「そうだね。僕もそうだった。」


「だから一回だけお手紙、書いていい?」


「・・・それは僕がハインツに渡すってことだよね?・・・良いよ」

ちょっとむすっとしながらもカールは返事を返した。

「ありがとう。」

シャルロッテは嬉しそうに微笑んだ。その様子にカールも同じ様に笑った。


そして、シャルロッテが手紙の内容で頭を悩ませている間、カールは駅馬車に行ったり、サロンで王子達と談笑したりと三日程立った時、その日もカールは駅馬車に来ていた。


「「あ」」

人が多く居る駅馬車内の待合所に不釣り合いな高価なドレスを着た御夫人が一人居た。それはカールもよく知る人物だ。

回れ右っをしようとするも、ガッツリと肩を掴まれ見上げれば、領内の騎士の一人であるコニーだ。


「裏切り者っ!」

カールが言えば、コニーは視線を彷徨わせた。

「最初に裏切ったのは、レオンハルト様だ」

ぼそっと言われた言葉にカールは頭を抱えた。

「まさかの上司の裏切りっ!」

「レオンハルト様だって逆らえないだろ。あの御仁には」

「そうだけど」


「あら、チャールズ。久しぶりね、今はカールだったかしら?」

ニコニコ笑顔で近づいて来た御夫人は、グロリア・グラーフ・フォン・ホフマン。シャルロッテとカールのマナーの講師をしてもらっている伯爵夫人だ。今は社交シーズンで王都に居る。つまり、今はマナーの勉強が無い時期だったのだが、この御仁にはなにも言わずに王都に居た。つまり王都に居るとばれれば強制的に。

「いっつも、社交シーズン中は授業できないから心配だったけど、今年は見れるわね。という事で、カール、この後空いてるわよね?久しぶりにマナーチェックしましょうか」

ニコニコと微笑みながら、後ろから付いて来た執事と侍女がさっさと道を作り、子猫のようにコニーに首根っこ掴まれて馬車まで連れてこられてしまった。


「あの、その、グロリア様」


「どうしたの?カール、ふふふそんな怒っていないわよ?王都に居るのに連絡一つよこさなかったとか、いつのまにかロイヤルズのメンバーになっていたとか、王妃様のお茶会で王妃様の席にいたとかね」

その言葉で、あのお茶会に居たのかっと合点がいった。そして、なんたる失敗と気づいた。

「僕もびっくりでして、いやーまさか、このような事になるとは。僕は只、辺境伯のお使いで王都に来ただけで、すぐに戻り「らなくていいのよね?シャルロッテも居るみたいだし、大丈夫よぉ〜。レオンハルトにはちゃーんと連絡して、ちゃ〜んと面倒をみますって伝えてありますからね。全くあの子は、本当事前連絡というのを直ぐ忘れるんだから、貴族の一員なのを忘れてる時があるわよね。困った子だわ」

「あははは」

外堀埋められ打つ手無し!っと心の中で叫びながらカールは冷や汗をかいた。アムストラ辺境伯もグロリア様には頭が上がらないのは、彼も彼女にマナーを見てもらったからというのと、母方の叔母に当たる人で幼い頃から知られている為なのだ。そして、人に教えるのが得意とあって若い頃から王宮や慈善事業などで講師をされていて、現在も現役だ。


「貴方にはお茶会のマナーなんて詳しく教えていなかったでしょ?王妃様の席に座る何て私も夢にも思わなかったから、今後も起きないとは限らないわ。ちゃんとした王家の方とも席をご一緒出来る様に徹底的にやりましょうね」

「いやー・・・もう無いとおもうのですが」

「あら、貴方ロイヤルズのメンバーになったのでしょ?駄目よ。マナーは騎士の鎧と同意義よ。ちゃんとやりましょうね。あと、シャルロッテにもちゃんと伝えるのよ?あの子、直緊張しちゃうでしょ?良い機会だから、今年中に慣らしちゃいましょう」


「えー・・・はい」

カールは何も言えずに、了承の言葉しか吐けなかった。その後は、笑顔のご指導のもと徹底的に直され、夕方にはへろへろな状態で戻ったのだ。


そして、シャルロッテは急いでグロリアと連絡を取り、お茶会が設けられた。そして、ついでに手紙の返信に付いて聞こうと思っていたのだが、話しが脱線して冒頭に戻るのだ。


「さぁ、おめかしをしないとね、そうだわ新しいドレスを作りましょう!あの領内ではお洒落なドレスなんて着る機会がなかったし、ちょうどいいわ!」

グロリアは楽しげに、どんどん予定が決まって行ってしまった。執事まで現れ、あっという間に2週間先までの予定が決まってしまった。


「じゃ、明後日また来てね。カールには明々後日来る様に伝えてね。」


「はい、グロリア様」

そう別れてから、泊まっている部屋に戻ればはしたなくもドレスのまま、ベットに倒れ込んだ。


「つ、疲れたわ。頬が痛い。背中が痛い!」


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