ギター挫折の考察
土池は、なぜ自分があの時ギターをやめたのか、振り返ることにした。
受験の影響があったと今まで思っていたが、よく考えてみると、音楽自体はそんなに好きではなかった。
学校でやる音楽や合唱、楽器は、やらされるスタンスが多く、あまりやる気が出なかったと思う。
ではなぜギターを買ったのかと言うと、アニメでギターを弾いてるのを見て楽しそうだから、買ったのである。
実際に弾けて楽しいのかどうかは、全く考えていなかった。
このまま、買った当初と同じ様にコード練習に突入してしまったら、おそらくやめてしまうだろう。
土池は、どうすればギターが続くかを考えた。
バカみたい思いつきだが、ミュージシャンは音楽が楽しいから続けてやっていると思う。
飯を食うために音楽をやっているという人は、あまりいないように思える。いたとしても、すぐ業界から消えてしまっている。
俺は、後者の方針でやろうとしていた事に気がついた。
教本に書いてある事をただやるのが、ギターの楽しさだと勘違いしていたみたいだ。
何かに従い、それにそって行う、という考え方と行動が体に染み付いている事に気がついた。
色々考え事をしてると、今回の方針が決まったようだ。
楽しくギターを弾くのが第一希望。技術力や正確性はその次にする。
そして目標は、演奏を誰かに公開することにした。 家族にか、友人にか、ネットにか、それとも見知らぬ人にかは、未定である。




