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世界観解説(常時更新 ネタバレあり)

こちらはネタバレになる要素を多大に含んでいます。

嫌な方はできれば最後に読んでいただく様お願いします。


また、この世界観解説は必読ではありません。

この世界が気になった方の好奇心の一助になれば、と思います。

世界観解説


世界の形について

我々の地球のように丸く閉じているが、陸地は我々の地球よりはるかに少ない。

火山はたったのひとつ(海底火山を除く)他の陸地は、降り注いだ隕石の堆積物か、珊瑚の堆積物で形作られている。

そのため治水が難しいと言う特徴を持ち、大半の土地における耕作はギルマンが、一部の治水はローレライが受け持ち生活環境が整えられている。

形は火山を持つ中央都市を中心として十字に広がっている。


海の部分は広大で、ほとんどの金属資源が海に眠っている。

金魚(後述)と言う形で出現したものを、ローレライが人間に渡す。

海の支配者であるローレライは、正しくこの世界の支配者である。


風土

気候にはほとんど差がない。中央から南北東西に至るまで温暖湿潤。

ただし、一部の地域は熱帯で北方の突端は寒冷。

砂漠はほんの幾つか存在する。

ほどんどの地域が温暖湿潤なのは、位置が関係するため。南端が地球で言う赤道に当たる。島々は北方に寄ってるのだ。

そのため、たいていの地域で麦とブドウを作る。この二つは人類の生命線と言える。

耕作に向きにくい地域ではじゃがいもを、それ以外の地域では牧畜を行う。

寒冷地帯は非常に貧しい傾向にあり南端は非常に豊かな傾向にある。



ハーヴリル

ハーヴリルは南端に近い街であり、砂糖生産が豊かである。

また、地熱が高く、地下から温度の高い湯が沸くので、観光業でも栄えていて、二重に豊かである。

南端でも生産が難しいサトウキビがグングンと育つため、この周辺の土地は重要。

ローレライのみならず各国へ砂糖を輸出するため船も絶えない。

主人公は「中央の次に豊か」と容してるがまさにその通りであった。

町長が収めている自治体である。自衛として警邏隊を用いている。



種族について


ローレライ

比喩ではなく黄金の髪と、宝石の瞳、同じく宝石の鱗を持つ種族。「生きた財宝」全て女性であるが、本作の主人公はその例外。

彼女達はお伽話ではなく、普通に人間と交流する種族である。決して数は多くはないのだが比肩するものがない戦力と豊かさを持っており、世界に君臨する。

戦力を裏付けるものの一つは「魔法」 世界を揺るがすほどの奇跡。彼女達は気持ち一つで町を飲み込むほどの津波を起こす。

戦力を裏付けるものの一つは「魅了」 人間には抵抗の出来ない魔力を込めた声。彼女達は、これで人間を恋に落とす。

最も、彼女達はその力を滅多に使わない。町を飲み込むほどの津波など、部族の団結が必要だからほぼ使わない。

個人でも戦えるだろうが、陸の生命体を相手に海の生命体が何を争うというのか。



人間

前種族「ドラゴン」とローレライの間の子供。ドラゴンはどこへともなく姿を消してしまったので、今は混血である人間のみが残っている。

我々の世界と似たような人間だが、体の何処かにローレライの血を受け継いだ証である鱗を一枚持っている。大小は人それぞれである。

また、ローレライから血が近ければ近いほどブロンドの髪を持ち、宝石に近い瞳(人によっては宝石そのもの)を持つようになる。

魔法は使えないが、研究と神への敬意から生まれた奇跡「魔術」を使うが、魔法には遥か及ばない。

最大の特徴は人数。ローレライとは比較が出来ず、ギルマンをもはるかに凌ぐ繁栄を見せている。



ハーフローレライ

ローレライと人間の混血。どちらともつかないのでこう呼ばれる。

ローレライと同じように尻尾を持つが宝石の鱗ではなく、人間と同じように脚に変えることも自由。

また、宝石色の髪と瞳を持つ。

ローレライと人間の交配は常に行われており、その際、ローレライ、人間、ハーフローレライのどれかが生まれる。

ローレライは海へ行き、人間は陸に戻されるが、ハーフローレライはどちらに行くのかは自由になる。

陸育ちのハーフローレライは魔法が使えず、尻尾も次第に退化するのだ。

海育ちのローレライはローレライにだんだん似てくるが、尻尾は永久に宝石にならずそこで見分けが付く。

どちらで育とうとも差別されることはない。彼らはローレライの可愛い子なのだ。



ギルマン

魚の体に手足が生えた魚人。

他の三種族とは違い、彼らはそもそも卵生であるので交配はない。

大量の産卵をし、成体になるまで海で過ごし、陸に上がってくる。ここでおおよそ1万分の1くらいまで減少する。

生態は魚種によるとしか言えない。共通するのは鉄や銅の鱗を持ち、足が早く、食事をほとんど必要としないことである。

生態よりも性格のほうが共通している。

彼らは非常に臆病で、勤勉で、働き者である。

よって彼らは人間社会に溶け込み、重要な職に付いていることが多い。

糧を得ることは目的ではなく、趣味と実益を兼ねるのが目的である。

技術職のギルマンは非常に多いが、臆病なためよく逃げ出し、迷惑を被ることもある。

臆病なためそもそも危険が多い地域では見かけることはない、都会の空気も嫌う。

噴火の多い上にギスギスした中央都市には一人もいないのである。

ハーヴリルはかなり大らかなためそこそこの数が見られる。





魚の世界の食



パノミー

魚の世界の主力食品。人数の多い人間がよく食べる。

各地沿岸(外洋に出ても取れるが、沿岸でとれる量で十分である)が主な産地。よって町は基本沿岸に作られる。

でんぷん質が豊富に含まれており、粉にして水にさらして塩分を抜いて食べる。

だが、どんな上質なパノミー粉も完全に塩分を抜くことは不可能。低質のものは言うまでもない。『貧乏人の飯はしょっぱい』とのことわざの語源である。

グルテンもないのでこねるのは難しい。デロデロに溶かしたものを焼いて食べる。

塩でイーストが死ぬので小麦のパンのように発酵させ膨らませるのは難しい。

茹でて海藻のまま食べることもあるが、茹でないとデンプンがアルファ化しないので栄養価は低い。



ムブリ

カンカンカンの草(後述)をパノミーと混ぜ、粘り気を出したものをこねて麺状にしたものの全般を言う。

主にパスタやラーメンと呼ばれる食事に用いられる。

だが、パスタは小麦粉のパスタとの住み分けが難しい。

海産物の出汁や、具材との相性が良いとされる。



リッテル

パノミーを発酵させて作った、酒を蒸留したもの。

独特の匂いがあり蒸留前は飲めたものではない。しょっぱい酒と揶揄される。魚の世界の主力アルコールで、安酒。

人にもよるがだいたい悪酔いできる。

この酒があるため、他の酒は基本高級酒扱い。みんな本当はビールが飲みたい。



カンカンカンの草

膝丈ほどあり、肉厚で細長い葉っぱを形成する草。アロエによく似ている。

葉肉は粘り気があり、麺のつなぎに使うことが多い。多少のエグみと臭みがある。

また、これを火に焚くことで疳の虫を治める効果が期待されているが、いわゆる民間療法である。



ギョまぼこ

金魚、鉄魚(後述)のすり身やサメ、タラなど白身魚を混ぜて専用の鉄の蒸し器で蒸した食品。

分かりやすく言うと、食パン型に叩き込んだ、かまぼこ。

蒸したまま積んでおくと保存食として比較的優れており、また、調理も楽なことから主力蛋白源として活躍する。

子供が嫌いな食品ナンバーワンの座は、それだけ食卓に上がっている証である。

大人になるとこれでリッテルを飲むのが一般的な酒飲みの姿である。




知的外生命体



金魚

親縁に銀魚、銅魚、鉄魚などがいる魚。一般的な金魚を紹介する。

手のひらに乗るくらいの大きさの魚で、我々の世界で言うところの金魚によく似ている。

体の表面を金で覆っており、主な金資源となる。

ローレライは、この魚を人間との主な交易資源としている。人間も漁業で取るが、漁獲が難しい魚であるため、やはりローレライに頼らざるをえない。

剥くのにそれなりのテクニックが要る。



ザリガニ

陸の王、体を分厚い鉄で覆っており、通りすがったものはなんであれ捕食する悪魔的甲殻類。

目は殆ど見えないが、嗅覚は非常に鋭く、匂いで獲物を追う。

陸の上ではほぼ勝てるものはない。魔術を使える者で討伐隊を組むか、最悪ローレライに討伐を依頼することもある。

天敵はトンビ。


分化、流行


金貨

この世界の金貨は金含有量と重さは統一規格で各国家が生産している。中央都市の生産金貨が一番信頼度は高い。

金は金魚から取れるため純度99.99%の(不純物は塩)純金以外は認められていない。混ぜ物は重罪である。

金貨1枚は銀貨10枚、銀貨1枚は銅貨10枚、銅貨1枚は鉄貨10枚と覚えると良い。銅貨2枚でラーメンが食える。

鉄貨だけは形状が特殊で、小さな四角の形をしている。江戸時代の貨幣に良く似ている。


木材

我々の世界と最も異なるのは、この木材の扱いについてだろう。

基本的に船材としての樹木が珍重され、次いで果物や木の実が取れる樹木を国家事業的に運営している。

木の伐採は個人の裁量で行うことは許されず、森林火災は理由を問わず首が飛ぶと思って良い。

この世界に薪という概念は存在せず。木は火をつければ燃えるが燃やしてはいけないものとして扱われる。

また、木材を大量消費する弓という概念も死んでいる。竹が量産できる東のみの特産品となっており、扱いの難しい武器として定評がある。


この世界では昔は木を燃やしていたが、木材の不足と共にその文化は失われた。

石炭、石油資源なども、発掘には至ってないため(そもそも発掘技術が未発達に近いのだ)この世界では燃やすものはない。

どうやって火を起こすかと言うと基本的に魔法、人間の場合は魔術に全てを頼っている。

魔術は非常に発達しており、一日燃え続ける炎を自在に作り出すことが可能。

習得も比較的容易で、花嫁修業と称してこの魔術を習うことが多い。

熟練者は、鉄を溶かすような高火力を継続させることも可能、火屋として鍛冶屋に売り込むことも出来る。


この世界はとても水はけが良く、真水の確保が難しい。これに対して人類は二つの手段で相対してきた。

ひとつは、治水。ギルマンが肉体労働、ローレライが魔法を使い治水事業を行ってきた。人間には水が必要なため、この工事は常に続けられている。

もうひとつが魔術。地方自治体における水の浄化作業は小銭を稼ぎたい魔術師にとって最低限の稼ぎが約束される。

どちらにせよ、水は貴重ではあるが、前述の努力により節約するほどのものではない。

洗濯もするし公衆浴場にも入る。飲み水は酒より安いし、現代の世界より安全と言えるかも知れない。

ただし、浄化の際に栄養分もほとんど失われるため、各家庭でそれなりの工夫が要求されるが。




FAQ


Q:ギルマンって伴侶は一人っぽいですが。離婚という概念はあるんでしょうか?


A:そもそも結婚という概念が希薄です。

彼らはツガイを形成して夫婦を演じますが、そもそもそれは人間の真似なので、数年に一度気が向いた時の産卵以外は何をやるというわけでもありません。

人生のパートナーとして一緒に経営などをしていることは、稀にありますが、それも仕事仲間としてです。

ですので、たまに気が変わったらツガイを交代することもあるそうです。



Q:ギルマンはたくさん生まれるようですけど、いつどのタイミングで名前がつけられるんですか?


A:彼らにとって名前は『名乗るもの』です。

ただしセンスは遺伝するようです。陸に上がって、名前を聞かれるようになると大体のギルマンは

「名前……考えたことも無かった!」と電撃的なひらめきを得てその場で考えます。稀に「名前、どうしましょう?」と聞かれます。

それ以後彼らは名乗るようになるのです。




魚の世界では質問を募集しています。世界観に関する質問なら、こちらでお応えします。



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