表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

朝だ、、、


今日も朝が来てしまった、、、。


季節は真冬。


布団がもっとも愛しい時期だ。


時刻は6:23。 起きるには少し早い、


俺は再びまどろみの中に身を投じる、、、。


      ・

      ・

      ・





朝だ、、、


今日二度目の起床だ。時計を見ると時刻は6:34、そろそろ奴がくるはずだ。


俺は布団にくるまりながら体勢を整える。


そして、、、


「朝だよー」という母の声と同時に部屋の扉が開く。


と同時に黒い物体が俺の布団に向かって高速で近づいてくる。


そして(それ)はそのまま俺の顔へと突進し、すかさず鼻やら耳やらを舐めまわす。


これが俺の毎朝の儀式。


俺は顔を舐めまわしてくるカカオ{チワワ}を一通り愛でた後、顔を洗いに洗面所へ向かう。


寒い、冬は嫌いだ。


なぜなら、、、寒いから。


嫌いなのに、この国は1年の半分が冬という、、、。


最近は朝おきると毎日こんなことを考えている。


   ・

   ・

   ・


毎日が、つまらない。


変わらない通学路。

変わらないクラスメイト。

変わらない 俺。


かといって、変化を望んでいるわけじゃない。


今の生活は充実している。友達もいる。体も健康。そしてなにより、楽だ。


適当に授業を受けて、放課後友達とダラダラ遊んで、帰宅したら飯食って、ゲームして、寝る。


俺はなにが不満なのだろう、、、


「恋人か、、、」


俺は恋人がいたことがない、別に欲しいと思ったこともない。


ただ、高校生として足りないものを考えてパッと頭に浮かんだだけだ。


そういえばクラスの女子を(そういう)目で見たことがないことに気付いた。


と、なんだかんだ考えている内に学校に着いていた。


駐輪場でチャリを止めていると、不意に尻に衝撃が走った


「よぉ、良いケツしてんじゃねぇか」


振り向くとクラスメイトの高井 卓{たかい すぐる}がビニール傘を手に

立っていた。


どうやら、ビニール傘の先端で俺の肛門を突いたらしい。


自称、音速のタカ。学内では親しみを込めて"デブ"と呼ばれている。


一応、友人といえる存在だ。


デブと他愛のない会話をしながらクラスへ向かう。俺の教室は2-6。


1つのクラスの人数は大体60人、それが1学年につき9クラスある。


ちなみにクラスは成績によって分けられており、1に近い組ほど優秀な者が集められている。


1・2組は特進クラス、8・9組はスポーツ推薦クラスになっている。


俺の所属する6組は比較的成績は悪いが、生活面ではそれほど問題のないという微妙なクラスである。


そして成績が悪く、かつ生活面で問題のある生徒は7組に集まっている。


教室に着き、自分の席に座る。


ここで、今朝恋人のことを考えていたことを思い出し、クラス内を見回してみた。


よーく見ると名前と顔が一致しない人がちらほらいる。


2年生になって約半年、クラスメイトに知らない人がいるのはどうなんだろうか、、、。


だんだん自分が薄情な人間に思えてきた。


女子の群れをボーっと眺めていると、あることに気付いた。


女子の恋人どころか、友達もいない・・・ッ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ