第七話:西の森
深い霧の中周りがよく見えない。
『ん?何か見える。薄らと…森?イヤ、ボロボロなお城だ!とりあえず中に…』
一が進んで行くと突然上から何かが飛んできた。下には深い落し穴に落ちていく。
「うわっー!!落ちる〜……あれ?」
「…お兄ちゃん?どうしたんだよ〜」
一の叫びで起きた剛が寝呆けた声で言った。剛と一は二段ベットの上下で寝ている。
「夢か……」
そう呟いたあとまた布団を掛け直してあと眠むりしようとしていたが今の夢ですっかり目が冴えてしまったのだ。
そんな兄の様子をうかがいながらも眠さに勝てず下のベットの剛は再び寝てしまった。
あたりはまだ暗く大きな窓の外からまだ朝日が差し込む様子もない。
一は考え込んでいた。
『先を昨日の話しからの影響だろう、お城がでてくる夢ははじめて……。』
何時の間にか眠りについた。
「一!剛!早く起きなさい!お母さん仕事行かなきゃいけないんだから!」
母の声にもぞもぞしながらも起きてこない二人に最後の追い打ちをかけた。
「用意して置くからね!早く食べなさいよ!お母さんいってくるねー」
バタン!っとドアの閉まる音がした。
いつもの朝学校がないだけにもう少しばかりは寝ていたいものだが昨日とは打って変わって空にはどす黒い雲が今にも雨を振らしそうな様子だった。
二人は起き上がりコーヒーのいい香がしていた。いつも朝から仕事に出掛ける母はいつもちゃんとした朝食を用意して行くのだ。
今日のメニューはあったかいコーヒーにあったかいミルクがそれぞれあり、トーストが二枚ハムやベーコン、チーズにトマト、レタスなど好きなものをはさで食べられるようにしてあった。
食べながら二人は昨日の話について話しあっていた。
「お兄ちゃん、リースデイローズを復活させるってすぐにできないよね?どうするの?」
トーストにトマト、チーズ、ハム、レタスを挟んででかいサンドイッチを作りながら剛が聞いた。
「んーまずは西の方にある森に行ってみよう!何か手がかりあるかもしれないし。」
コーヒーにミルクを入れながら一は答えた。
「そうだね!」
っと剛は返事したものの少しの不安を覚えていた。食べおわった二人はあの日記を持って西の森に向かった。
西の森に入る入り口に着き一はおもむろに日記をリュックから取り出した。開いてみると街全体の地図が描かれていた西の森もそこに描かれている。
ブレスレットのラピスラズリが光だした。
次のページを開くとリースデイローズの街の地図が青い線で描かれている。
城が高台にありその下には街がある。
街全体を囲んでいる砦があり、お城と一直線に繋がる大通りの先に大きな門がある。
街の外れに小さな洞窟が東側にあり西側は何も描かれていない。
『リースデイローズの街だな。それは美しい街だった。』
「フェンリル!」
一と剛は驚いたいつのまにかフェンリルは二人の後ろから地図を見つめていたのだ。
間少し開いてしまいましたが書きましたー感想や評価ありがとうございました!参考にしながら書いていきたいと思います!