第二話:伝説の王国
坂を下る途中に街全体を見渡せる展望台がある。
春、夏、秋は絶景の街並で季節ごとに顔を変え人々はここにやすらぎをもとめる。
しかし、この時期では街全体が冬の色に染まっている。
晴れる日が少ないため眺めはいつも暗い灰色をしている。
珍しく晴れている今日はまるで春のおとずれをつげる三月のような日である。
古本屋へ来るとき、一はいつもなら必ずと言ってもいいほど帰りに立ち寄るお気に入りの場所であるが今日は立ち寄ることも忘れるくらいに急いでいた。
家に着くと遅く起きてきた弟の剛が朝食をとっていた。
「ただいまー!」
一は元気よく言うと真っすぐ自分の部屋へとむかった。
カバンから本を取出しさっそく調べはじめた。
『このロゴが気になるなぁ。どっかでみたことあるような…しかしどこだ…』そう考えてたその時突然部屋の扉が開いた。
驚いた一が振り返ると朝食を食べおわった剛がそこに立っていた。
「お兄ちゃん何してるの?」
「この本今朝買ったんだけどな、ページが真っ白なんだ。それにこのロゴが気になるんだよ。剛、おまえも見覚えないのか?」
一は本を弟に差し出した。
弟の剛は一より一つ下で同じ中学校へ通っている。つまり剛が一年生、一は二年生である。「ん?これ歴史の教科書でみたことあるよ。お兄ちゃん!たしか伝説として伝わるリースディローズ王国の紋章じゃないのかな?」
「おお!そっかーでもあれは…滅びた国でしかも伝説てことは実在したかどこに存在していたかまったくわからないんだよな…」
困り果てた二人はもう一度たしかめようと歴史の教科書を取り出した。
「あっ!お兄ちゃん!あった!これだ!その本と同じ紋章が!」
教科書のページの真ん中辺りを指差す剛の目が輝いていた。
なぜなら兄が買ってきた古本はあのなぞに満ちたリースディローズ王国に何か関係していることは間違いないと確信できたからだ!
ロゴのなぞに加え一の弟剛登場!!さらになぞのリースディローズ王国のなぞが!ますますミステリアスになって行ってるなぁ…ジャンルはファンタジーなのに…これからです!みなさん気長に待ってください!乱文ですみませんm(__)mではまた作者甲斐でしたー