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十二月 クリスマス――サンタは来る、会議は増える

十二月。

ここは、毎日アドベントカレンダーを開けるのが仕事になった。


「きょうは、ちいさいチョコ!」

「それ、仕事じゃなくて、楽しみだよ」

「たのしいおしごと」


いすみはサンタ役の準備に追われ、しんいちは“それをバレずに手伝う”という高度な任務を担った。

任務の難易度は、ここが予想以上に鋭いことで跳ね上がる。


「ねえママ、サンタさん、どこにいるの?」

「えっと…えーと…北のほう?」

「パパ、きたのほうって、どっち?」

「……あっちだ。たぶん」

「また“たぶん”」

いすみが突っ込み、家族会議は深夜に持ち越された。


クリスマスの朝。

ここが目を覚ました瞬間、ベッドから飛び起きた。


「……きた?」

ツリーの下に、プレゼントがある。

ここはゆっくり近づき、そっと触った。

宝物に触れるみたいに。


「サンタさん、きた…!」

声が震える。

いすみが「よかったね」と抱きしめ、しんいちは“知らない顔”をしながら、鼻の奥がツンとした。


ここはプレゼントを開け、目を輝かせた。

「これ、ずっとほしかったやつ…!」


その瞬間、家族の一年の疲れが、ふっと軽くなる。

サンタの魔法は、子どもだけじゃなく、大人にも効く。

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