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35歳バツイチオッサン、アーティファクト(美少女)と共に宇宙(ソラ)を放浪する   作者: エルリア


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237.気に入ったものを買付けて

労働の後の酒は美味い。


ということでその日は早々にソルアレスに戻り、買付けた酒を堪能して眠りについた。


本当は宿に泊まってもよかったんだが、良い感じの宿が軒並み満室だったらしい。


まぁソルアレスも十分快適なのでわざわざ宿を取らなくてもいいけどなぁ。


「ということで、本日から改めてのセリオス・ステーションを満喫するわけだが・・・アリス先生注意点は?」


「そうですね、露店に並んでいる品の七割は偽物ですからあまり期待して買わないようにお願いします。もちろん個人で楽しむ分には全く問題ありませんが、それを遺跡産だと偽って他所で売ると捕まりますのでご注意を。あと、空気ですね。人の多さもありかなり粉塵が舞っています、呼吸器が気になる場合は空気清浄マスクの着用をお勧めしておりますので必要であればお声がけください。と、このぐらいですかね」


「先生を流せるんや・・・」


「アリスさんは慣れてますから」


ウーム、動揺しないのは分かっていたけどこうもスルーされるとはちょっと残念だ。


でもどこからか取り出したデータグラスをかけるあたり何かしらの準備はしていたのだろう。


っていうかいつから準備してたんだ?


「空気清浄マスクをお願いできますか?」


「あれ、ローラさんいるの?」


「ある程度は大丈夫なんですけど、ハンガー内でもちょっと危なかったので念のために」


「わかりました準備いたします」


「ごめんなさい」


「いや、それならマジでつけた方がいいぞ。メインストリートはマジでやばい」


「そんなにですか?」


空気もそうだし人って群れるとあんなに恐怖を感じるんだなっていうぐらいにはすごい。


あの中で露店を見るとなるとさすがに集団行動は難しそうなので、二手に分かれた方がいいだろう。


そんなわけで俺とアリスとローラさん、テネスとイブさんとミニマさんの二班に分かれて探索することになった。


それぞれにアリスとテネスがいれば離れていてもすぐに合流できるはず、イブさんとミニマさんを組み合わせると必然的にこういう人選になってしまうわけだが・・・まぁ本人が嫌がっていないうちは大丈夫だろう。


「と、いうことでここがメインストリートだ」


「これは・・・すごいですね」


やってきたメインストリートだが、今日もものすごい人でにぎわっている。


余りの人の多さに声を大きくしないと会話できないぐらい、これならインカムを持ってきたらよかったとちょっと後悔したぐらいだ。


「だろ?最初にここを横断した時は死ぬかと思った」


「ここを突っ切ったんですか?」


「六番ハンガーに行くにはどうしても必要だったので」


「すごい勇気がいりますね」


「だな。まぁ今日はその必要もない、流れに身を任せながら色々とみていくとしよう。ローラさんも何か気になるものがあったら遠慮なく言ってくれ」


「わかりました!」


まずは下見、人の流れに乗りながら大通の左右に並んだ露店を冷かしていく。


遺跡産の品物と聞いてもっとこう、意味不明な物がたくさん並んでいるのかと思っていたんだがアリスの話の通り偽物がほとんどで、普通に帽子とか服なんかも売られている。


小物もどこにでもあるようなものばかり、だからこそ途中で出てくる茶色い壺とか錆びた歯車なんかを見るとおぉ!?っと思ってしまうんだが、あれもよくできた偽物なんだろうなぁ。


前にハムネット社長の所で遺跡産の品を見せてもらっていなかったらすぐに騙されていただろう。


「見てください、変な形!」


「なんであそこまでねじる必要があるんだ?もっとこうストレートなほうが色々と使い道ありそうなんだが・・・アリスあれは何に使うんだ?」


「スキャン終了、あれは工業用のパイプですね」


「工業用!?」


「あの筒の中を高速で液体が移動する際、あのカーブに合わせて物質ごとに集約され分別がしやすくなるそうです」


「・・・マジか」


ローラさんが見つけたのはなんとも幾何学的な形をしたパイプ、高さは1m程しかないが曲がり、ねじれ、絡まりそうな感じになっている。


物質を集約すると言われるとそう信じるよりないが・・・あれをここで売る神経がすごいな。


その後もカップやお皿なんていう日用品や不思議な形をした小物入れなどを発見、小物入れは中々綺麗な模様が施されていたので女性陣用に五つ購入した。


因みに一つ1000ヴェイル、これならまぁ騙されても惜しくはない。


「ありがとうございます!」


「付き合ってもらってるお礼だ。いつも悪いな」


「大丈夫ですよ、むしろお礼を言うのはこちらの方です」


「普段の仕事を考えるとお礼を言われる要素がどこにもないと思うんだが・・・なぁアリス」


「そこは素直に喜んでおくところだと思いますよマスター」


「そこがトウマさんの良い所ですから。あ、向こうに変わった置物がありますよ、見に行ってみましょう!」


まるで少女のように笑いながら次の露店へと向かうローラさん。


操縦桿を握った時とのギャップもそうだけど、普段からあんなに感情を出す人だっただろうか。


そんなことをぼんやりと考えていると、視線に気づいたローラさんが首をかしげながらこちらを振り返った。


「ん?どうしました?」


「いや、空気清浄マスクっていうぐらいだからホロムービーに出てくるようなごついのを想像していたんだが、案外口元も見えて普通なんだなって思ってな」


「そうですよね、私もびっくりしちゃいました」


「つまりマスターはローラさんの口元をじっと見ていたという事ですね」


「お前、言い方・・・」


「何か?」


「まぁそうなんだけどさぁ」


口元が見えるからこそ表情がよくわかるわけで、だがさっきまで普通だったローラさんが急に口元を手で隠してクルリと反対を向いてしまった。


うーむ、やはり口元を見られていると思うと嫌だったか。


そりゃそうだよなぁ、ジロジロとみられてうれしいもんじゃない。


「っと、すまん悪かった」


「そうですよマスター、もっと謝ってください」


慌てて弁解するも時すでに遅く、明らかにローラさんの雰囲気が変わってしまった。


これは完全にやらかした奴だろうか。


どうにかして許してもらわねば・・・と慌てていた時だ。


「別に、トウマさんでしたら別に構いませんよ?」


「ん?」


「何でもありません。ほら、次を見に行きましょう!」


「ん?あ、あぁ」


横にいたおっさんが大きな声で通話を始めたせいで何を言ったのかよく聞こえなかったが、怒っている感じはなさそうなのでよかった。


その後もゆっくりと露店を冷かし、昼前ぐらいでやっと折り返し。


その間にもいくつか面白い物を発見できたので、これだけでも十分満足なんだがまだ半分あるのか。


「っと、何だあれ」


さぁ残りの半分・・・と思ったその時だ、俺の目に飛び込んできたのは三つ先の露店。


その軒先に並んでいた不思議な球体に目が釘付けになってしまった。


人を押しのけるようにして急いで移動すると、如何にも偽物の遺跡物です!という埃や錆にまみれた歯車や石、金属パーツの中でそいつだけが光り輝いていた。


「いらっしゃい、遺跡物をお探しかい?」


「あぁ、これを見せてくれないか?」


「そりゃあまりお勧めしないよ。まとめて仕入れた物の中に入っていたんだが見た目は綺麗で本物っぽいが、どう見ても偽物だ。あの遺跡からこんなにも綺麗な球体が見つかるはずないからね」


「とはいえまとめて仕入れた物なんだろ?」


「それはまぁそうだが・・・。それならこっちのチップなんてどうだい?超純水で洗えばもしかすると中に入ったデータが見られるかもしれないよ」


「いや、それならこれをくれ。いくらだ?」


なんだろう、他にも面白そうなものがあるのにこれからは目が離れない。


手に持つとまるで吸い付くようにぴたりと手に収まる不思議な感覚。


これが何かは分からないけど、買わなければならない気がするんだ。


「5000ヴェイル」


「よくわからない偽物なら1000でいいだろ」


「ダメダメ、まとめて買った分はこいつにも持ってもらわないと3000だ」


「2000」


「値切るなぁ」


「偽物なんだろ?」


「わかったわかった2500ヴェイル、それ以上は無理だ」


「買った」


半値に下げれば上々だろう。


仮に偽物だとしてもこれは部屋に飾っておくのにちょうどいい。


見つけたのは親指と人差し指で丸を作ったぐらいの透明な玉。


濁りのない綺麗な透明をした明らかに人工物の感じがするそいつを天井に透かすと、向こうが魚眼レンズのように湾曲して見えた。


どこにでもありそうなものなのになんでこんなに気になるのかはわからないけど、とりあえずいい物を買えたので満足だ。


「よかったですね」


「あぁ、良い買い物が出来た」


代金を支払いポケットにそいつを放り込む。


さて、まだまだ買い物は中盤戦。


こんな感じのブツを見つけるべくまだまだ楽しませてもらうとしよう。






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― 新着の感想 ―
前々から感じてたんだけど、やっぱアリスってヤキモチ焼きだよね?わざわざそんな言い方しなくてもいいのにねぇ〜ってのが、多々あるよねw
ビー玉とか持っていったら飾りとして売れそうだなぁ
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