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35歳バツイチオッサン、アーティファクト(美少女)と共に宇宙(ソラ)を放浪する   作者: エルリア


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217.向こうの動きを先回りして

「先方の動きはどんな感じだ?」


ノクティルカを使った宙賊狩りも無事に終了、宙賊のバトルシップをまるまる鹵獲できたことにより討伐報酬以上の買取金を手に入れることが出来た。


もちろん船を買った額を考えると雀の涙だが、それでもチリが積もればなんとやらだ。


しばらくはこの方法で小銭を稼ぎつつ、本命の方からがっつり行きたい所なんだが・・・。


「色々と画策していますね。マスターを誘拐したことが露呈してしまいましたから、焦って証拠を消そうとしているようですけど、残念ながら仕事が雑です。個人的にはもっとこうしっかりとした仕事をするのかと思ったのですが、期待ハズレでした」


「お前は相手に何を求めてるんだ?」


「ヒリつくような戦い、でしょうか」


「頼むから事態がこじれるようなことはしないでくれよ」


今日は久々のオフ、この前の一件から忙しくしていたのでまともにコロニーを歩いたこともなかったなぁ。


だってすぐに誘拐されたし。


「問題ありません。おそらく例の複数所有者への対応に追われているんでしょう、引き続き調査を続行します」


「イブさんは?」


「ミニマさんと買い出しに」


「ミニマさんと!?」


「はい、ぜひ一緒に行きましょうとイブさんの方から誘っていましたよ。本人は目を丸くしていましたけど、大急ぎでおめかしして出ていきました」


ファーストコンタクトがあんな感じだったので心配していたのだがどうやら仲良くできているようだ。


「どうなることかと思ったけど、まぁ大丈夫みたいだな」


「今の所は?」


「なんだよその含みのある言い方は」


「あれから色々と調べてみたんですけど、まぁ色々と出てきちゃいまして」


「色々?」


「今後の事もありますし、いい機会ですからお話しておきますね」


アリスがここまで言うという事はよほどの事なんだろう、幸いローラさんもテネスと一緒に買い出しに出ているので船にいるのは俺とアリスだけ。


本人のいないところで個人情報を聞くのはちょっとアレかもしれないけれど、船長として知っておかなければならないことなのでここはひとつデブリに当たったと思って諦めてもらおう。


ファーストコンタクトがアレだっただけに色々とアリスに調べてもらった結論だけ言えば、人間がヤバイ。


いや、マジでやばい。


人の性癖についてどうこう言うのはマナー違反だが、あそこまで行くとちょっとなぁ・・・。


「つまり極度のシスコン・・・ってことになるのか?」


「幼い頃にお姉様を亡くされてからそれに近しい年齢の方を見ると歯止めが効かなくなるのだとか。それが社員であれ友人であれ、なんなら取引相手でもそんな感じらしく場合によっては仕事にならないこともあるそうです。もっとも結果としてクビになってしまったようですが」


「確かに最初からその気があったからそうかもとは思っていたけれど、そこまでひどいのか」


「そのようです」


「社員同士や友人はともかく取引先ともなると企業としてはよろしくないよなぁ。はぁ、性癖で身を滅ぼす典型的なタイプか」


最初にイブさんを見た時の反応からおかしいとは思っていたけれど、いきなりあれは企業としてかばいようがない。


でも最初はともかく最近はかなりおとなしめ何だがその辺はどういう事だろうか。


身を滅ぼすぐらいの重度なら真面でいられるとは思えないんだが。


「ミニマさんをみているとマスターの性癖が可愛らしく見えてしまいますね。因みにソルアレスに来てからも複数回自慰を行っているのは確認済みです」


「おい、ヤメテさしげろ」


「何かおかしい事ですか?性欲は人間の三大欲求のはず、本来私はその用途でも使用できるのですがヘタレなマスターが使ってくださらないので悲しく思います」


「だれがヘタレだ」


「マスターです」


「そこはオブラートに包めよ。ともかくそういうののカウントは禁止だ禁止、もちろん俺もな」


監視されているのは分かっているので最近は控えているけれども、それでもそういう気分になることはある。


それならばと外に出て発散することもできるのだが、どこに行ってもアリス達の監視の目があるからよほどの場所でないと難しい。


マジでめんどくさい。


かといって今の所そっちの役目で使う気はないわけで。


「致し方ありませんね」


「そこは素直に従えよな」


「そういう従順なのがお好きでしたか?」


「その話題はもういいっての。で、これからについてだが、どうする?」


「もちろんマスターを誘拐した落とし前をつけていただきます」


落とし前って、俺はそこまでしなくてもいいんだがどうやら相棒はそれでは我慢できないらしい。


まぁ俺も被害者だしとりあえず話を聞かせてもらうか。


「具体的には?」


「まずは雑な仕事の先回りして不正の証拠を集めていきます。また、売上難の先方が小銭を稼ごうとするのを直前で潰して売上不足にすることで逼迫した状況をつくり、そこで星間ネットにそれらしい情報を流せばすぐにでも飛びつくでしょう。そしてノコノコ出てきた所で警備に登場いただく、という感じでしょうか。具体的にはテラフォーミング案件があると相手を呼び出し、契約とは別の取引を持ち掛けます。もちろんその取引をするつもりはありませんが、それを持って来たところで警備に登場いただき相手が逃げた所でブツを回収、それを売って大儲けしましょう。そうですね、手っ取り早くレアメタルにしましょうか、換金性が高く足が付きませんから。」


「・・・犯罪だよな」


「先にやったのは向こうですよ?」


「もう一度聞くが非合法じゃないんだな?」


「我々には何の問題もありません、我々には」


まぁそこまで言うのであれば大丈夫だろう。


しかし、アリスを怒らせるとマジで怖いという事がよくわかるな。


落とし前をつけさせるために先手を打って向こうの悪だくみを全て封じ、にっちもさっちもいかなくなったところで救いの手を差し伸べ、期待させておいて一気に落とす。


遣られた方はたまらないだろうなぁ。


まぁアリスの話を聞けば企業が悪いというかあの人が悪いだけなので、企業を目標とした制裁は考えていないらしい。


だが社員のミスは会社のミス、ということで諸々が終わった時点で先方に賠償を求める可能性は高いな。


「しかし、そう簡単に喰いつくか?」


「喰いつくように仕向けるだけです。現在彼らはマスターからの告発を恐れ不正の証拠を必死に隠しつつ本社に文句を言われないよう必死に売上を確保しようとしています。その全てに先回りをして偽の返答を流し、盛り上がってきた所で断りを入れるのを繰り返せばアテが外れ一気に困窮するはずです。本社にはこれだけの売上を上げるからと大きなことを言っているようですから、それが出来ないとなると存続する事すら危ういですからね」


「やることがえぐい・・・」


「そもそも悪いことをするからこうなるのです。まっとうに売上げていればこんなことにはならないはず、それを捨てた時点でこうなることは約束されていたでしょう」


何事も誠実に対応して働けってことだな。


「つまり俺も真っ当に稼げってことか」


「そうなりますね。では引き続き作戦を実行、向こうが限界になったところでマスターに出張っていただきます」


「ん?俺が?」


「取引場所にヒューマノイドが行くわけにはいきませんから。それに期待していった先にマスターがいれば・・・面白いと思いませんか?」


「やっぱりやることがえぐい」


「お褒めにあずかり光栄です」


いや、褒めてないんだけどと思いながらもとりあえずアリスの頭を撫でておいた。


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