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35歳バツイチオッサン、アーティファクト(美少女)と共に宇宙(ソラ)を放浪する   作者: エルリア


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214/220

214.無事に船を手に入れて

「これで譲渡完了、この船は晴れて俺の物だ」


ハンガーで静かにその時を待つ超大型輸送船、最初はどうなることかと思ったがこうして自分の物になったと思うと感慨深いものがあるなぁ。


「本当にいいのか、予定より1000万ヴェイルも多いんだぞ?」


「元々プラス2000万っていう約束だったしな。これだけあればしばらくは食いつなげるだろ?」


「おかげさんでな」


「じゃあよかったじゃないか。とはいえこれだけデカい船ともなるとおける場所も限られるし、俺達が来た時は悪いが優先的に使わせてくれ」


「もちろんだ、遠慮なく使ってくれ。しっかし、あいつの息子に助けられるとはなぁ・・・世の中わからないものだ」


どうやら感慨深いのは俺だけじゃなかったらしい、この年になっても親は親。


いなくなった人の息吹をこんな場所で感じるとは思わなかったが、これが縁というやつなんだろう。


「さて、そんなわけで新しい船が手に入ったわけだが・・・どうすればいい?」


「格好つけておいてそれですか、マスター」


「仕方ないだろ。ソルアレスの時は全部お前がやったんだから」


「そういえばそんな気もします。今回は正式な登録になりますので・・・まずは名前ですね」


前回はアリスがパパっと所有権の移行から船体登録まで終わらせてしまったので自分で何かをしたという記憶がない。


今回もそうするのかと思ったのだが、例の奴らが余計な事をしてこないように正式な手順で登録するのが一番だろう。


「ねぇ、前は何て名前だったの?」


「こいつは黒鯨って呼ばれていたな」


「白鯨と対を成していたんですね」


「確かに大小そろい踏みという感じですけど・・・どうしますかトウマさん」


ローラさんの問いかけに全員の視線がこちらに向けられる。


どうすると言われてもなぁ、そのままの名前でもかっこいいと思うんだが・・・折角だし別の名前を付けた方が俺の物になった実感がでるか。


とはいえ急に出てくるわけもなく。


真っ黒いボディから想像するのはやはり似たような雰囲気、漆黒、黒、夜・・・なるほど、これでいくか。


「『ノクティルカ』、これで頼む」


「夜のクジラですか、ソルアレス(太陽の翼)と対を成すような感じでいいですね。マスターにしては中々のセンスです」


()()()()ってのは余計だけどな」


「悪くないと思うわよ」


「私も素敵な名前だと思います」


「貴女はノクティルカっていうのよ、これからよろしくね」


ローラさんが慈愛に満ちた目で黒いボディを見つめながらポンポンと撫でつつ名前を呼ぶ。


これでこいつも晴れて俺達の仲間入りというわけだ。


後はこれをどう運用していくのか、改めて中に入って正確なサイズ測定を開始する。


寸胴型のボディは荷運びの時に邪魔にならないようフラットになるよう分厚い底板が敷かれていて、その下の空間は別のハッチから中に入れるようになっている。


アリス曰くここにプライベート用の荷物を入れて荷運びの荷物と混在しないようにするらしい。


大きさ的にはソルアレスがすっぽり入る感じ、奥まで入れる必要はないのでギリギリの所に線を引いてそこから奥に荷物を詰め込んでおけば緊急時にも荷物を捨てたりする心配はなさそうだ。


問題は上の空間がかなりあるのでそこをどう活用するのかだな。


「改造して二階建てにしますか?」


「んー、それだとかなりデカい荷物を入れた時邪魔になるだろ?それなら必要時だけ上の空間に設置できるようなギミックとかそういうのを組み込むのはどうだ?」


「別にできなくはないけど、強度的に大丈夫?」


「軽い物専用にすればどうでしょう、それなら問題ありませんよね?」


「なんにせよ軽く改造は必要なわけか・・・。アニスさん、エンジニアとしてどう思う?」


「え、うち!?」


まさか自分が意見を求められるとは思わなかったんだろう、驚いた顔をするアニスさん。


この船を長年メンテナンスしていたのは彼女だし、仮定だけで話をする俺達とはまた違う視点で意見を貰えるはずだ。


「実際に運用するとメンテなんかも必要になるしそういう視点からの意見を聞かせてくれ」


「設備にかかる値段などは気にせず意見をお願いします。採用するしないは別としてこの船の可能性を知りたいのです」


「悔しいけど私達じゃその辺の感覚がわからないのよね」


「そういう事やったら・・・」


自分が求められていることが嬉しいんだろう、彼女なりの言葉で色々と意見を出してもらった。


メンテナンスの観点からするとそういうやり方もあるのか、そんな気付きを得られるような様々な意見に参加した全員が目を丸くする。


うーむ、奴らはこんな優秀なエンジニアをクビにしたのか。


確かに最初のイブさんへのアプローチは問題大有りだったが、落ち着けばそこまでひどくはないしこっちがどうコントロールするかなんだろう。


ここで出た意見を骨組みにしながら肉付けをして少しずつ形を整えていく。


その結果、昇降用の仮設リフトと簡易床を設置できるような仕様に変更、これで見た目以上に荷物を搬入することが出来るようになる。


ソルアレスだと最大で二段までしかコンテナを積み上げられなかったが、ノクティルカだと高さ的に最大で10段は詰めるのでリフトを使う事で効率的に作業できるようになるだろう。


速やかに設計図がつくられたものの、流石のミニマさんでもこれらの作業は難しいようで外注することが決定した。


「ではいくつか外注先を当たってみます。流石にノヴァドッグのように専門で扱っている業者が少ない物ですから時間はかかると思いますが、機構的にはそこまで難しくないので何とかなるでしょう。ミニマ様本当にありがとうございます」


「別に私はアドバイスしただけやし。メンテナンスできなくなるのは残念やけど、大事に使ったってな」


「その件なんだが、船を手に入れたて言ってもすぐに出発するわけじゃないし・・・とりあえず金は払うから、しばらく同行して引き続きメンテナンスをお願いできないか?」


「え!?」


突然の提案に驚きを隠せないミニマさん。


一応この件については俺の独断ではなく他のメンバーの総意でもあるのでもめる心配はない。


ソルアレスには自己修繕機能なんかがあるので少々のトラブルは問題なく対処できるけれども、残念ながらノクティルカにはそれが備わっていないので定期的にメンテナンスが必要になる。


という事は優秀なメカニックが必要になるわけだが、例の件もあるのでまずは試験的に採用してみて問題なければ正式に依頼をするという話になった。


後は彼女次第だ。


「どのように運用していくのか試行錯誤は必要ですし、新しい設備が出来てもメンテナンスは必要になります。そのノウハウを蓄積するためにもぜひお願いいたします」


「それに行くアテもないんでしょ?一緒に働いてある程度お金を貯めた方が色々都合良いんじゃない?」


「それはそうやけど・・・」


「別に今すぐ答えを出す必要はない、少し考えてくれ」


「わかった、明日には返事するからそれまで待っててな」


もし彼女が断ったとしてもメカニックはたくさんいるし、そこまで問題にはならない。


とはいえ彼女とは色々と縁があると思っているので出来れば受けてほしい所だ。


「さて、後は向こうがどういう出方をするかだが・・・」


「それに関しては監視を続けていますが、多分面白くなりますよ」


「お前が言うと碌な事にならないからな、マジでやりすぎるなよ」


「私は未だマスターを誘拐したことを許したつもりはありませんから」


「だからやりすぎるなよ」


「善処します」


絶対善処するつもりないだろこいつ。


奴らもとんだ相手を敵に回したもんだよな、まぁ自業自得ではあるけれど下手な事やって恨まれても困るのでその辺はしっかりとくぎを刺しておこう。

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