橆乃の正体
辰「オイ・・・」
入ってきた途端、妖艶な低い声が発せられた
一瞬私はその声に身震いした
辰「オイっつってんだよ・・・・」
二度目に発せられた声は少しイラつきが混じっていた
憂「辰牙・・・」
辰「チッ・・・」
よく分からないが総長様は少し怒っているらしい・・・
それより憂斗はよく普通に話し掛けられるな・・・
憂「ゴメンね橆乃ちゃん。怖がらせちゃったね・・・」
橆「・・・・ハ?何が?」
何処に怖がる要素があったのだろうか・・・
謎だ・・・
憂斗は何故かビックリしてるし
総長様もビックリしてるし・・・・
何故?
私おかしな事言った?
助けを求めて凍也に視線を移したが
凍「橆乃・・・・」
凍也は呆れた様子でコチラを見ていた
・・・よく分からないけど・・・
橆「ご、ゴメンなさい・・・」
一応謝った
憂斗は少し驚いた表情を見せた後スグに笑いだした
総長様は「何だコイツ」という瞳で見ている
凍也といったら・・・肩を震わして必死で笑いを堪えている・・・
その瞬間凍也に一瞬殺意を覚え、後で殴り倒してやろう・・・と決意した
憂「な、橆乃っちゃ・・・お、可笑しすぎ・・・」
未だに笑っている憂斗は上手く喋れていない
憂斗にも一瞬殺意が芽生えた
どうやって殺してやろうかと考えていたが
総長様がドス黒いオーラを出していたので止めた
そして、総長様から発せられた言葉は・・・
辰「憂斗・・・いい加減にしろ・・・こいつ等早くつまみ出せ」
・・・何故か怒っていた・・・理由は私等が原因らしい
まぁとにかくこれ以上総長様の機嫌損ねると面倒だし
私もこれ以上人と関わりたくないので退散することにした
橆「じゃあ総長様は私等が居ること嫌がってるので帰ります」
憂「え?大丈夫だよ。辰牙の事は気にしなくていいから」
おいおい・・・仮にも総長だぞソイツ・・・
てゆうか、帰りたい・・・
辰「女がこの部屋にいるだけで虫唾がはしる・・」
コイツ女嫌いかよ・・・
まぁ私も女は嫌いなんだよね・・・
まぁ人全般的に嫌いだけど
憂「コラ!!橆乃ちゃんをそこら辺の女と一緒にするな!!!」
辰「女なんて皆同じだ」
確かにそう・・・総長様の言うとうり
女なんて皆同じ・・・
スグ裏切ったり、いい男には媚売るとか・・・
女なんて・・・・キエレバイイノニ・・・
憂「橆乃ちゃん?どうかした?凄い怖い顔してたけど・・・」
ハッ!と憂斗の言葉で現実に引き戻された
橆「大丈夫・・・何でもない」
憂斗はあまり納得していなかったが私がこれ以上干渉するなという
オーラを無意識に出していたのか憂斗はそれ以上何も言わなかった
辰「とにかく・・・早く出てけ・・特に女」
女女って・・・・
橆「私の名前は女じゃない。ちゃんと橆乃って名前があるの」
辰「女の名前なんて覚えたくねぇ」
橆「餓鬼、我儘、駄々っ子」
辰「あ゛ぁ゛?」
どうやら本音が口に出ていたらしい
結構殺気を出して睨んできたが私には効かない
だって私は・・・・・・・
彪龍11代目総長冷華だから・・・
彪龍は全国№1の族。
彪龍を抜けてからは族の世界にはあまり干渉しなかったから
最近の族の名前などは知らない
もちろん鶯蘭も・・・