迎え
橆「ん・・・・・・あ~ぁ・・・朝だ・・・」
今日もまた一日が始まる・・・
昨日は鶯蘭の奴らのお蔭で学校サボれたけど
今日はな~・・・・
しかも、あいつ等が迎えに来るとか言うし・・・
生まれて一番憂欝な日だわ・・・・
鉛の様な足を引きずりながら
下へ降りた
凍「橆乃おはよ・・・・珍しく早いな・・・」
橆「ん・・おはよ・・・」
って、へ?早い?
橆「凍也・・・今何時?」
凍「6時」
早すぎた・・・いつもだったら遅刻ギリギリ・・・
つまり8時ちょっと過ぎに起きる
だが、今日は2時間程早過ぎた
橆「てか、凍也も早くない?」
凍「俺いつもこれ位」
と、凍也起きんの早っっっ!!!!
じゃあ私が起きるまでこの子何してるの?!
凍也って全てが謎っっ!!!
凍「何呆けてんだよ・・・眠いのか?」
橆「違うわっっ!!!」
間髪入れずにツッコんだ
凍也って謎って言うより・・・天然?
成程・・・それだと納得いく点がいくつかあるぞ。。
たとえば・・・動物園では・・・
凍「橆乃・・・あの猫人にジャレてる・・・」
橆「猫じゃなくて虎!!しかもジャレてるんじゃなくて襲ってんの!!!」
とか・・・
私が初めて公園に行って
早く遊びたくてウズウズしてると・・・
凍「橆乃・・・トイレ?ほら、あそこに公衆トイレあるよ」
橆「違う!!早く遊びたいだけ!!!」
とか・・・・・
天然?っぷりをよく披露してくれた
凍「橆乃・・・朝飯食わねえの?」
橆「今思い出に浸ってた途中なんですけど・・・」
少しは私の事考えて!!
全く・・・ロクでもない弟を持ったもんだ・・・
まぁ朝食は食べるけどさ・・・
この朝食って・・・・
橆「誰が用意したの?」
凍「俺」
と、・・・凍也様バンザイッッ!!!!
ロクでもないって言ってゴメンなさい!!!
だってこの朝食・・・
フレンチトーストにコーンスープ、そしてサラダ!!!
私の大好きなもの勢ぞろい!!
最近トーストだけだったから物凄い久し振り・・・
そんな喜んでいる私が分かったのか
凍也が優しく微笑んでいた
あっ・・・久し振りに凍也が笑ってるの見た・・・
凍也って私以上に気持ちを顔に出さないから・・
何故か不思議と安心した
凍「食べ終わったか?」
橆「うん」
凍「じゃあ早く準備しろよ」
橆「ん・・・」
また冷たくなった・・・・
まぁたぶん凍也にしては優しい方か・・・
だって私以外とは殆ど話さないから・・・
それの方が私は嬉しいんだけどね
だって・・・誰かに凍也を奪われるよりかは全然いい
そんな事を考えながら私は制服に袖を通した
凍「橆乃・・・・」
橆「なに?」
凍「表にあいつ等が来てる・・・」
橆「・・・・・・・・ハ!?」
一瞬「あいつ等」って誰だか分らなかったが
スグに察しがついた
何で?!迎えって午後じゃないの!?
とにかく朝から騒がれるのは嫌だ
橆「丁重にお帰り下さいと伝えて」
凍「また、お嬢様言葉が出てるぞ」
あっ・・・・やっちゃった・・・
癖ってナカナカ抜けないな・・・・
私元々お嬢様だったから小さいころからお嬢様言葉だったんだよねぇ・・・
あの家飛び出してからは普通に喋ろうとしてるんだけど
やっぱり癖だね・・・気ぃ抜いたらいつもこうだ・・・
やめよ・・・嫌なこと思い出しちゃう・・・
最後にスカートを穿こうとした瞬間ドアが勢いよく開けられた
橆「・・・・へ?!」
何が何だか分からなかった私は
なんとも間抜けな声を出してしまった
だってドアの所には・・・・
凍也に帰ってと伝えたはずの
あの鶯蘭が居たからだ・・・・・・